銀の人魚の海

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告発の時~反戦への静かな視線

2008-07-01 | 2008年鑑賞新作映画
「クラッシュ」のP・ハギス監督。
うまくなった。「クラッシュ」も悪くはなかったが、
これはバリバリの反戦映画を、バリバリでなく
静かに描いているところがよく、ラストに
ふっと涙が一滴でる03年に実際に起こった物語だ。
とくに息子がいる方は、感じるところも多いと思う。

キャストが皆いい。驚いたことにJ・フランコが出ていて
嬉しいような・・知らなかった。2シーンだけか・・

セロンは、こういうシリアス物をノーメイクでの演技が
意外にあっていると今回思う。

息子二人がいて、一人もすでに戦死、一人はイラクでの死ではなく
休暇で無許可離隊。
なぜ?トミーリー父が息子の行方を追う。

皮肉にも息子は戦死ではなかった。
ミステリーでもあるので詳しくは書けないが、
このずれが、戦争の
凶器、狂喜、狂気を表している。

父は「行けとは言ってない」と妻に語るが、違うだろう。
たぶん、俺のように勇敢に戦えと言ったのだろう。
だからこそ、これほど深くかかわる心があったと。

イラク戦争へ行っている若者は、ほとんどが中流以下の家庭で
ヒスパニック系などが多い。
奨学金が出るから大学へ行けるなど勧誘はうまい。

戦場で彼らはベトナム同様の傷を受け帰還する。

DVDで今年見たI・ウィンクラー監督の
「勇者たちの戦場」も、これに近いものがあった。

ラスト、彼はまたイラクへ行きたくなる、と。
「勇者たち」でも同様の記憶がある。

戦争事態の麻薬のような怖さを痛感する映画だ。

セロンの息子とのエピソードもいいが、
あの息子が成長する頃までイラク戦争は続いているのか?

始めるのは簡単、終わるのは難しい。
確か元米の海兵隊員が書いた
「なぜ、アメリカはこんなに戦争をするのか」
を読んでみたい気になった。

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