24年スペイン。「エルスール」から31年、84歳。
ビクトルエリセ監督、集大成といえる?
170分長い。「エルスール」「ミツバチ」も好きなので☆おまけ。
ゆったりとした演出。ほぼ暗さはなく、短ければもっと見やすい。
「瞳を閉じ、見えるものもあれば見えないもの、一生わからない
ものもある」と言いたいか。
過去ある男二人と映画の物語。友人、娘を探す、探索が1つのテーマ。
「記憶はとても重要」医師が言うセリフが残る。
安定剤になる喫煙、誰もが多く、アルコールも同様。
初め中国人の執事のシーン。チェスの駒、王様の語り。
何だこれ?ミゲルが撮る映画内映画、劇中劇だった。
撮影現場から開始。元監督ミゲルが撮り、親友フリオが演じる。
時代は1947年頃。このフリオが突然失踪し、映画は完成しなかった。
小説のタイトル「悲しみの王」、チェスの王駒。中国人の娘の写真。
現代へ、2012年、マドリード。
フリオの失踪をミゲルが追う。なぜ急にミゲルが追う事になったか?
あるTV番組から。
ミゲルはお金のために「未解決事件」というTVに出演。
フリオの失踪を追うミニドキュメント。
最後までフリオ失踪は謎のまま、解明されない。これは難点。
何もわからないままラスト。
フリオは女性皆が振り向く、いい男、というセリフ。
フリオ役俳優、悪くはないが、それほどイケメンではない。
そんなセリフを入れなくてもいい・・
彼がアルコール依存、女性問題での失踪という伏線のため・・
ミゲルは息子がいたが事故死した。
今は海辺の小屋とキャンピングカー、魚をとり、野菜を育て
自給自足のような、貧しい生活。
かつて監督してたのに。貧乏すぎるは不可解。
そのTVを偶然みていた、施設の介護士が
フリオに似ている男性がいると連絡をくれる。
海辺のスペイン郊外の施設。修道院が経営。
会いにいき、よく見るとフリオだった。
その後、彼の娘アナが登場。「ミツバチ」のアナ・トレント。
彼女を出すのは、監督の思いだろうが必要ないと思う。
「ミツバチ」では姉イザベルの方が好きだった。
イザベル役じゃ女優をやめている。
アナは08年「ブーリン家の姉妹」に脇出演。Eレッドメインとともに。
中年になったアナをアップで撮る。
エリセはロングが好きな監督だが、アップが多い映画だった。
長すぎ、カットできるシーンはある。例えば、海辺の団らん。
妊娠中の仲間の妻、子供の名を「エストレリャ」にしたい。
これは「エルスール」の少女の名前。「エルスール」は南部分を
カットされ公開された。なので名前を入れたかったのか・・
2作品の少女名、アナとエストレリャ。
皆でギターを弾き歌うシーン。貧乏でものんびり
好きなように過ごす様子はわかるが、シーンをいれなくてもいい。
エリセは高齢、撮れないと思うと、寂しくもある。
フランコ独裁政権を調べてみた。
ミゲルは貧しい。もうフランコ政権は終わっている。
スペインにはアルモドバルをはじめ、米資本で撮る監督もいる。
エリセは、そうでない監督。
彼は10代後半から30代まで、フランコ独裁の中で生きた。
〇人民戦線政府の成立後も政治混乱は続く。こうした中、1936年7月にスペイン領モロッコへと遠ざけられていたフランシスコ・フランコ将軍が
クーデタを起こし、各地で右派による反乱が勃発、スペイン内戦へと突入した。フランコ率いる反乱軍はドイツ(ヒトラー政権)とイタリア(ムッソリーニ政権)の
ファシズム政権から支持を受けて戦いを有利に展開した。~~
国際義勇軍である国際旅団が各国から集まって人民戦線を支援したが、
フランコ独裁政権になる。第二次大戦ではスペインは枢軸国に入り参戦しなかった。独裁は76年まで。
~1946年12月の国連総会で、スペインをファシストの国として国連から排除する決議を採択、フランコ政権は国際社会から孤立する。
1975年、フランコ死去。遺言によりフアン・カルロス1世が即位。
独裁は終わりを告げる。