銀の人魚の海

日々の思いを好きに書いています。映画、海外ドラマ、音楽、本。
スヌーピー、ペコ、NICI、雑貨グッズ画像。

12人の怒れる男~彼らと少年の過去と未来の物語+チェチェン

2008-09-11 | 2008年鑑賞新作映画
8年ぶりのミハルコフ作。
彼の映画は特に好きではないが、ほぼ全作見ている。
オレグが出た「太陽にやかれて」が一番好き。
これにもオレグが出ればよかったのにな~

160分と長いが緊迫感溢れる議論、室内劇を時に笑いも入れ、
飽きずにみさせる腕はさすがロシアの巨匠だ。
彼の映画は演出が大袈裟だと思うことがあるが。

これも、その感はあるが個性ある演技、室内という狭い舞台なので
多少緩和されていたと思う。

ルメット、オリジナルは59年の夏公開なので、約50年ぶりの
リメイクと言ったらいいのか?
リメイクとは言えないような映画でもあった。

ルメット作は1年くらい前に録画で再見したので
違うところなどは記憶に残った。

長くなるので、まず、一言で言うと
12人と少年の過去と未来の物語、という感想だ。

見た後、ロシアの歴史、地理などを調べないとと思った。

もっとチェチェン紛争が出るかとの予想ははずれ
ルメットのより、むしろ個人の生き方、少年の立場、
彼らの未来は~を考える物語だ。

緊迫した室内シーンの合間に爆撃がドーンと入る演出はうまいし、
小鳥がどこからか入り込み飛び交うなど、ユーモアもまじえ
ラスト小鳥は外へ出るのだろうはあたった。

あの小鳥が13人を象徴している何かだろう。

初めに戻り、陪審員制度がはたしてロシアにあるの?
という疑問が・・ネットで調べればわかるだろうが
あの国全域でしているとは思えないな~
モスクワあたりでちょっとだけかもと(^_^)

それはリメイクだからいいとして、ルメットの陪審員と
比較すると、全体に生活レベルが高い12人だと感じた。
ロシアの中では、中流以上の生活の方だろう。
2、3人は低めがいるが、ルメット作は普通の庶民でしめていた。

こちらは社長が二人、医師、元将軍などロシアの中では高い。


そういう彼らの私生活が赤裸々に語られる、語ってしまう
あたりはミハルコフらしく、熱弁に圧倒される。

裁きの中で自身の過去を回想し少年を思うようになる
経過が興味深い。
プイラベートが熱い!に驚き、ロシア人っぽさがよく出ている。

監督自身が演じる元将軍は、初めからすべてを悟っていて
あの言葉を言うが、もっと裏がありか~はなさそうで
でも、少年の未来は?12人はどうするのか?
曖昧なまま雪の外へ。
その後小鳥が飛ぶので未来は明るい意味か?
雪の外なので暗いのか?

ラストはそれぞれの思いでいいのだろう。

見ていて「人は常に過去とともに生き、未来を
少し見ている」と改めて感じた。
よく単純に「前向きな生き方」と言うが、過去の存在がなければ
前向きなどありえない。

160分、カットできるシーンもあるとは思うが
長く重苦しい映像を見事に撮ったと思う。

帰宅後、ロシア、チェチェンを知りたく
地図を開き、世界史年表を見る。

ロシアは少しずつ国土を拡大してきたわけで、
16世紀あたりにカスピ海に近いチェチェンの地域を
無理やりとろうとし、その争いが今でも続いている、
アフガンみたいに永遠に紛争の地域だと思う。

チェチェンはモスクワから千キロ以上南、
200キロ四方の国。

イスラム教を頑なに守っていることが
ロシアの怒りかっているのか・・
カフカス(コーカサス)山脈の北側、グローズヌイが首都。
このあたりに11の共和国、州。まあ、民族集団だろう。

小さな町が国家になっているような感じか。
チェチェンはロシアとは、ずっと争い95年頃激化し
大統領が殺されその後、誰が統制してるのか?

100万と言われた人口も攻撃で70万くらいに激減らしい。

学校占拠、モスクワの劇場事件も元KGBの企みだという
説もある。
チェチェンをロシアにできれば
カスピ海にある石油のラインを物にできることが大きいそうだ。

そんな小さな国なので、映画でも町は破壊だらけ。
女、子供はどうしていきているのか?
そんな国の少年がこの映画の容疑者だった。

イスラムなので、アラブ系、肌の色はやや濃い。
複雑な民族間、紛争を思わざる得ない。

夫は、人口も少ないのに、ずっと戦えているのは
イランなどからムスリムのゲリラが徒歩で入り外人部隊として
応援しているので紛争は継続されていると思うと言う。

確かに地図で見るとカスピ海沿いを行けば近い。
プーチン率いる元KGB、今はFSBか?がいる限り
この紛争は終わらないと思った。

小さな国家が、このような運命を受けていることを
何故?と思うが、政治の裏側は理解を超えた。

57年製作、シドニー・ルメット作について少し。
双葉氏の評では満点。96分、モノクロ。
こちらでのリー・J・コップ扮する、息子との確執がある役が
ミハルコフでは息子に虐待を加えたタクシードライバー男性になる。

H・フォンダ(初めに無罪を言う)役は、こちらでは
苦労しての大企業の経営者なので、かなり違うキャラだし、
他の10人もそれほど近いキャラはない気がした。

モノクロでの96分、爆撃はないので徹底した室内劇だが
大雨が降るなどが、小鳥のイメージになるのかと思う。

目が近視の目撃者はルメットでは老女だったはず。
ここでは若い女性など違いもある。

ナイフもコーカサスのナイフとルメットのナイフ
(ウェストサイドのナイフと同じ)とは形が違った。

比較してまたみると発見があるだろう。

歴史、地理のお勉強にもなった硬派、大作だが
予想より、暗く見にくい映画ではない。


天安門、恋人たち・追記

2008-09-06 | 2008年鑑賞新作映画
昨日鑑賞で感想をいれたが、家族と少し話したこと、
考えたことなど加筆したい。

ここでの北清大学は北京大学と清華大学の1文字をとって
名づけたのだろうと思った。

清華大学は今、北京大学より難関の大学かもと夫は言う。
だからヒロインはかなり優秀な女性だと思う。
だからこそ、何か焦りを感じたのか・・
それでのSEXだったのか?
別れだったのか?

地図を見ると中国の広さを改めて感じる。
彼女が住んでいた町の名は忘れたが東北部とある。

ここから80年代に北京の大学へ通わせるとなると
相当、お金がかかるはず。
父が木箱から出したお金では足りないし、バイトなども
おそらくないだろう。
経済的な点では難もある。

皆、それほど切り詰めて生活してないようだったから。

上海が自宅の学生は裕福だろうが・・
他の地方出身者では当時、北京の大学への通学は
かなり大変だったと思うが、父は小さな雑貨屋だった。
他の商売でもしていたのかな?

他の地名、重慶までも北京からは千キロ以上あるし
ヒロインの東北部も同じような距離だ。

遠くから北京へ出て大学生になり生活可能という
環境はかなり恵まれていたことになる。

監督は43歳、まだ子供で文革を知らない世代だ。
上海生まれで地方の状況はそれほど考えずに
これを撮ったのだろうか・・

天安門事件、世界史年表には小さく書かれている。
チラシでも死者は300名と。
事実は闇の中だ。
学生から始まった民主化運動が、地方に広がることを
恐れた政府は、戦車で学生をひき殺したようで
死者の数は公表されていない。

06年の大学進学率を見ると1位、フィンランド、2位韓国。
日本は35位。中国は87位だった。

言われている韓国の受験過熱がわかる順位だった。

天安門、恋人たち~天安門より性の青い日々

2008-09-05 | 2008年鑑賞新作映画
7月末の公開で行こう、行こうが、やっと今日。

ロウ・イエ監督は初めて見た「ふたりの人魚」がベスト1だったか?
それくらいよかったので、今、HPの感想を読みなおした。

その後の「パープルバタフライ」もDVDで見ている。

そんなわけで行った、これもよかった。
原題は「SUMMER PALACE」

天安門事件を、もっと時間をかけるかなの予想ははずれ
140分と長い中での1つのできごととして出ただけだ。
邦題、変えた方がいいような気がする。

80年後半からの大学生男女二人とその友人の
15年近い愛、と性の物語だ。
監督自身も出演していて、あ、あの役だったのかと。
わりにイケメン。

北清大学って実在?

中国では上映禁止になり、監督も5年製作禁止だそうで、
06年作だから、まだ禁止期間だろう。

性シーンがこれほど多い映画は
最近見ていないような・・それも相手が違うのは。

暗めSEXなので「ラストコーション」のように
機械的ではなく、だから余計にエロスが?
ヒロインが性に走る、それはなぜか?

ヒロインのエキセントリックな性格もあるが
母と死別という境遇もある。
大学へ入る前の恋人とも屋外でSEXし
自由奔放な女性で、中国の田舎女性って現実こうなの?
と思ったり、それとも彼女は特別。

寮にはうぶで自慰も知らない女子学生もいる。
田舎からの彼女は、誰とでも寝てしまうといえばそうで、
その辺りの何故心理は理解しにくい。
ちょっと病的かな?とも感じる。
寂しいから性に依存するなど。

愛に関するセリフが出たが、忘れてしまった。
「愛は傷つくもの、でも傷が消えれば愛もなくなる」
というようなニュアンスだったか~

ある程度お金もあり、この大学のレベルは?だが
それなりにエリートだろう。

天安門事件後はいきなり退学し、仕事につき不倫へ。

中絶シーンもあり、麻酔なしでに驚きつつ、
今年見たベストくらいのルーマニア映画
「4か月と~」に近い学生映画だなと感じる。

寮生活もルーマニアの方が時代が古いが似たような感じ。
でもこちらは部屋が狭く、人が当然多い。
そういう学生生活はとてもよく描かれている。

良い中で、ちょっとは、アップが多過ぎること。
どのシーンもバストショットくらいまでで、ロングがなく、
例えば二人で自転車に乗るシーンや3人でデモの後、歩くシーンなどは
ロングでゆったり見たいなと思う。

流麗な流れなので「二人の人魚」同様、俳優がヨーロッパ人なら
そのまま仏映画にできそうなムードで、またもやトリュフォー・・
を連想。
ロングを入れてほしい。

さらに、ラストが多少甘い。監督は43歳。
あの船のシーンで彼女の今を知り、メールくらいで幕が
大人の感じだろう。
あえて学生、青春感を出そうとしてラスト、あの締めか?

ガソリンスタンドでの~で「シェルブールの雨傘」を想ってしまい
子供連れてくるのかと・・

なぜ、ベルリンかは?分断された国、政治に不満という視点も
あるだろうが、「二人の人魚」での音楽の方が、ドイツ人なので
ベルリンを舞台にしたと思う。
多少唐突か?

もう一人の彼女の行動もいまいち疑問で
幾つか不満もあるが、140分、流れるような映像、
モノローグを多様し、少し暗めの画面を飽きずにみられた。


それにしても中国人って、SEX好きな民族NO1?

寮で許されてるって・・あのうるさい国で規則がないとは
びっくり。
変わった国だ。
寮の感じは日本と比べると、30年は昔、当然差が大きいが
学生の服、カフェ、ディスコ?など意外と近代的だった。

裕福な子たちが多いのだろうが。
ヒロインが持っていたバッグはバーバリでは?
「ふたりの人魚」感想はこちらから
http://www2.ocn.ne.jp/~mermaid/futarinoningyo.html

余談。渋谷イメージフォーラムは7名鑑賞。
二人の老夫婦(70くらい)がいて、映画好き?と思っていたら、
始まると、こそこそ何回も話すので近くなら注意と思ったほど。
あれほど話してる人も初めてかも。

終わったらクレジット前にすぐ立ったので
千円で近いので来てるだけの人か?
困った老人もいるね。
すぐ近くに若い男性がいたので注意すればいいのにと・・

静かなシーンもあったのに。
終わってトイレに入ると、その夫がドアから「まだいるの~~」と
声をかけびっくり!妻を呼んでる?
変な夫婦だったのだ。


ハムナプトラ3~発掘より出没考古学

2008-08-31 | 2008年鑑賞新作映画
奇想天外、荒唐無稽というのはわかっているが
B・フレイザーって、なぜか気になる人で、
2も館で見たような・・
「悪いことしましょう」などコメディやシリアス系にも
出てるし、目立たないが使われてる男優だと思う。

2はR・ワイズが妻で子供が生まれたとうっすら・・

その子供が今回出るが、甥か弟みたいに大きい、
というかフレイザーが若い。

だからこれで息子!と。

J・リーを初めてよく見る。
たぶんどこかでは見てるはず、あとM・ヨーも
やっと覚えられた。
今回はM・ベロが妻。

テンポよく飛ばす映画。

キングコングみたいな雪男が味方になったり何でもあり。

中国と英のコラボは成功したかなんてことも、どうでもい。
考古学、掘るより自ら出没する古代人が新鮮!

雪シーンありで暑い日娯楽にいいかも。
これで寝てしまったマイミク友人がいけれど・・

コレラの時代の愛~愛?ほどの難問はない

2008-08-28 | 2008年鑑賞新作映画
昔、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」を読んだ時、
万華鏡のような延々と続く物語に魅了され、
今でもシーツを干すあたりの文が微かに思い出される。

これは彼の原作でJ・バルデムなので
もっと堅苦しい文芸物かとの予想は違い、
監督が「ハリポタ」の方のせいか、みやすい物語だった。

冒頭のクレジットイラスト原色も南米らしく、いい。
舞台はコロンビア。18世紀半ば頃からか・・

南米の映画は遠い異国だから好きで
映画祭でも選んでみてしまったりする。

50年以上の愛?とあるが愛はおいておこう。

彼はその間に600人以上の女とのSEXを楽しんでいて、
計算すると年12人以上、月一人、ましてもう
70代、これはすごい!
この回数だけでも、この映画の奇妙、おかしさがわかるし、
SEX記録をつけてるの。
それもきちんと綺麗な字で。
元々、文がうまいから詩を書いたり代筆をしたり
SEXの記録も名前だけでなく、案外、点がついてたりして!
「あるスキャンダル~」みたいに★印とか!(^^)!

10代で一目ぼれはよくわかる。
時代も親の許可がないと絶対結婚できない時代。

彼は待った。その待ちが、なんとうまくいったのだろう。
やはり神はみていたのだろうか・・
ここまで待っている男なら、夫をこのへんで事故死させようかと・・

「ベルリン天使の詩」のように天から彼を見ていた。

うまい具合に夫はどうってことなく転落死。
それも普通なら死にそうもない高さ。
これで半身不随になれば、この物語は終わっていた。

そうはならず、しっかり死んでくれたので
彼の奇跡のような夢はかなった。

そして彼女も、それに応えてくれる。

優雅な船旅で裸体をさらすが
合成での老人体もいい。
これが、まだ巨乳だったら×

愛というより長い友情みたいなものだろうし、
かつてJ・ロバーツとつきあっていたB・ブラッド扮する医師夫。

彼は馬鹿正直で浮気をすぐ認めたり、嫌味な定番嫁、姑
苦労はあったが、裕福な医師夫人で子供もでき、
不幸ではなかったと思う。

そういえば、ほとんど子供がでないから、乳母が
育てていたのだろう。

暇な奥様が断ち切れない過去を抱えて悩む?
そうでもないのよね。
だから夫のことも好きだったことは確か。

ハビエルは夢の男性だったのだろう。

「愛は一番難しい」というセリフがあったはず。
50代になっても、だからこそか?
若い人は、愛がほしい、恋をしたい、というが、
恋、愛って何?と自問してしまう。

「SEX&シティ」が人気らしいが、2、30代の頃は
そういう事が頭に浮かぶだろうけど、
ここまでくれば、まず生きていることになる。

彼らはコレラが流行した時代なのに
生きていた、
それも元気で!SEXができるほど。

裕福な医師の妻の後は、これまた裕福な社長夫人となるのか?

19世紀を迎え、不自由ない老後も得て、長い夢がかない
いうことない人生かもね。

こんな夢物語が現実にあってもいいなと思えるし
ゆったりしたラストも好感が持てる。


「マルホランド」のローラ・ハリング
「セントラルステーション」の母の方がハビエルの母。

G・マルケスは今年80歳。ノーベル文学賞をとった南米の作家だ。
幼児期に両親と別れ(離婚?)祖父母に育てられたそうで、
この話も父が家出かも?のハビエル役。
自身の投影かもしれない。

コロンビアといえば、メグとD・クエイドが離婚した
きっかけとなったラッセル・クロウとの共演作が
コロンビア舞台の誘拐映画だったし、
以前NHKでコロンビアの奥地で命がけの山わたり、
ロープで、す~~っと次の山まで行く、人間ロープウェイ
みたいなので、死者も普通にある、との記憶。

そういう国でも、この映画では裕福な家族風景が多かった。

南米大陸の南西、大きな川が4つあるので
船シーンはその、どれかの川だろう。
日本郵船クルーズみたいね

カルタヘナという地名が出たと思うが
ここは北の海辺。

人口4500万、約196万K㎡、日本の5倍以上。
スペイン語。首都、ボゴタは国のほぼ中央。

絶対行けないが、南米は行ってみたい大陸だ。
たとえ「コレラ」にかかっても。。

闇の子供たち~映画としては?でも・・

2008-08-23 | 2008年鑑賞新作映画
人間の限りない欲望の映画だ。

あのラストと湘南サウンド、サザンの歌詞クレジット付き
歌で、え!、なんでこの歌が?
邦画だとスポンサーの関係か、合わない歌が
ラスト堂々と入ってくると感じることがあるが、
これは、まさにそう。

苦笑した。

江口洋介だからみた。

阪本監督のは4本位みているが、とくに好きではなく
これで合わないと思ったし、未読の原作の
ヤン・ソギル72歳もDVDで「血と骨」を見、
家族ドロドロ系、
どうのこうの自伝みたいで読んでもいないが
合わない作家だとわかるので、映画ははたして・・

138分、長いが飽きはしないが、移植系悪では
「堕天使のパスポート」の方がずっといい。

子供の臓器を生きたまま移植のことは、知っていたので
内容に関しては驚かない。
以前、もっと凄いこと、つまりそういう子供を
造るために妊娠させ、産ませ移植へ、というのを読んだので
それは!とは感じた。
移植用の子供、人間生産ということだ。

何で読んだのかな・・ここではそれは出ない。
現実にあるかなと思う。
買春で妊娠、その後産ませ移植用にするなどが。

以前NHKスペシャルで、欧米の大人がアジア人から
腎臓移植の実態を見て、普通に行われているのだな、
2つある腎臓だから、生活苦のため売る、かなりの値で。
でもだんだん1つでは体がだるくなる、
移植予後が悪化しても、どうしようもないのだと、
そういう世界も見た。

医療については後にし、まず映画から。
江口は適役だが、いつも昔のTV「東京ラブストーリー」を想い出し、
あのカット、彼の手の~はそういうことだったのだ、
彼も仲間だったのだとわかるラストは唐突ともいえるし
原作とは違うらしいが、まあタイにいたいこと事態、
なんかわかるようなラストだった。
結局、彼はPTSDっぽくなった?
飲酒多も理解。タイ語はすごい!よく練習したのねと。

ラストの江口趣向の意味は見た子供は理解してなかったようで
友人も同様と。ああ、そうか~という。

一番響いた言葉は佐藤の「あなた、子供いる?」
「もう死ぬんだよ」という自宅シーンやりとりで、
これは重い病を持った子の親でないと、なかなか理解できない。
私も12年以上経験があるので、特殊な立場を理解できた。

だからどうのこうのでなく、健康は宝だ。
あのシーンでの宮崎あおいのセリフは、
もう馬鹿以前、論外で礼儀もなにもない。

山ほどあるNGO,NPOは、よい団体もあるが
半分以上はダメとも言われている。
なぜタイへ~タイ人から聞かれるセリフもある。

日本でもいいと思うが、イラクで人質になった
女性のように海外の方が日本より活動してる気になる?
日本だって、いろいろあるとは思うけど
自分探し!(^^)!には海外、ヒデ君、が定番なのか・・

小児病院のボランティアを短期間した経験から感じた。

妻夫木君は無名カメラマンで、同じくイラクでの人質に
自称カメラマンがいたな~あの人は今?と感じたり
アジアなど後進国へ何かを求めてゆく若者は多い。

映画内で西洋人カップルで幼児性愛もでたが、
そういう好み一緒カップルもいるんだな。

音楽はサザン以外は少なく、これでガンガンなったら
さらに低め評価になっていた。

監督はラスト、まとめられなくなってしまって
あのラストを思いついたのか・・?

不法生体移植、買春、幼児性愛、何が一番描きたかったのか
多少混乱している感じ。

裏ぎったタイ人の乱射はアキバ事件を連想。
彼が何を感じていたのか、わかりにくい。
タイ警察だって、悪にそまっている人も当然いるだろう。
いろいろあって、まとめられなかった。
結果、長くなり、あのラストで幕と。

前記したように読んでいないが
ヤンの原作、作風はどちらかというと
日経の「私の履歴書」みたいに大袈裟(^_^)系かなと・・

いつか立ち読みはしよう。

映画を離れて考えたこと。
人の欲望について。
氷山の一角であろう、ここでのタイの子供たちは
どこから来たのか?

まず親が売ったが一番多いだろう、次は誘拐?
警察とグルでなど、親も懸命には探さないので
いなくなってもそれですむ。

貧しいのに多数生み、育てられないから売る。
SEXを我慢すればいいのにできない。
避妊もしない、コンドームを買うお金もない。
中絶も無理、だから売る。
となると、この問題の根本は妊娠でもある。

大人のエゴだ。これはタイに限らず貧しい国、
どこでも同じだろう。
貧乏人の子沢山という言葉は日本だけではない。

お金がなければSEXしか楽しめない、できてしまう。
これでは動物と同じだ。
子供が物となる。

立場は違うが、ここに出る買春をしてる人と
身勝手さでは大きな差はないと思う。

貧困なら多くは生まない、がなく
人の性への限りない欲望、生命への傲慢さがみえる。

臓器移植について、日本はまだ子供への法律がなく
海外へ行かざる得ない。
よく募金活動も出てるが、米へ行き移植したが、
遅くて死亡もある。

とくに子供の心臓移植ケースは、血液、サイズなど
細かな一致がないと難しく、それはセリフにあった。
選別がとても難しい。

医療は進歩しすぎでいると、このところ感じている。
移植などできなければ、こういう売買もなく
死を運命として受け入れるだろう。

出産までコントロールされてきたし、
ほしい方には朗報だが、どんどんエスカレートしている。

薬剤、健診も増え、健康至上主義がまかり通っている。
元国立小児病院通院経験から、死を前にした
悲しい場面にも遭遇した。
子供への正しい移植ならあってもいいのか・・

反面、輸血拒否で死を選択する宗教集団もある。

長寿日本が怖い。昔のように60あたりで
死ではいけないのか・・

医療が進歩し、長生きになり、SEXも多様化し
バイアグラなどの薬、ホルモン剤も増え、人の欲望の
増大化が起きているなと思った。

SEXも寿命も、お金さえあれば解決できる時代がくるのか・・

癌治療1つにしても、お金がない人は先端治療はできない。
私はしないが。

ということを想起させてくれた映画ではあるので
見てよかったとは思うが、そう簡単なことではない。

同時に、2歳くらいで死んでしまうアフリカの子供たちの
顔も浮かぶ。
アフリカではエイズも子供に蔓延。
餓死で死ぬ子たちと
このタイの子とどちらが、幸せなのだろう・・

アジア、アフリカに限らず、南米の貧しい国も同様だろう。

なんだかんだあっても日本に生きていられるだけで
いいのかもしれない。

元、クラブ、冷蔵庫のように効いたエアコン館、
シネマライズで涼しい8月、25度に鑑賞。

出ると、そこにはキャキャと笑いながら
歩く若者とうるさい音楽の街に変わりはなかった。

もちろん、私自身の生活も。

ダークナイト

2008-08-20 | 2008年鑑賞新作映画
ヒース・レジャーを見に2回目の新宿ピカデリー。
一番大きな1スクリーンで鑑賞。

クリフトファー・ノーラン監督の「メメント」は
評価はよかったと思うが、あざとくて好きになれず
確か前作の「フォローイング」?、モノクロも見たが、
これもダメで合わない監督と思っていたが
「バットマンビギンズ」では、父役でライナス・ローチが
出たので見て、こちらはニースの遺作ということで行く。

寝不足のせいか、いつもほぼ寝ない私が、
こんな娯楽でも寝そうになったのは、たぶん似たようなシーンが多く
007のように空、海などの展開もなく「ダーク」な陸だけだったからか・・

同じような感じが続き長いのでか・・

同じ系列なら「ハルク」「スパイダーマン」「スーパーマン」
の方がずっといい。もうノーランではこれは見ないな~

ロマンがなく切なさも感じられず物語性も低く、
ちょっとわかりにくい。

10分でも思いっきり明るいシーンがあれば違うか・・

バットマンはハルクなどとは違い、元々
普通の体、人間が機械を駆使し強くなっているので
どこかに無理が出てしまう気もした。

ベールは合っていたし、ヒースは言うことないラスト作。

彼の死はお酒、ドラッグ?真相はなんだかわからないし
わかってもどうでもいいけど、彼のナイーヴさは
「チョコレート」の自殺場面を想う。

彼が頑張って俳優をやりきれずに手を出した何かでの死。
この死と符号する人生だったと思う。

彼と比較すればR・ダウニーJR君はヤクで入退院を
繰り返しつつも結構出いて、「アイアンマン」がくる。

図太さがあるのだろうか?コントロールできる人なのだろうか?

お酒、ドラッグはストレス多い仕事にはつきものだが
自制できなかったヒース、彼のラストが
ジョーカー役は悲しいような幸せのような・・

かっこいい時での突然死はジミーと同じだ。

インクレディブル・ハルク~二人のハルクとは!

2008-08-10 | 2008年鑑賞新作映画
冒頭からガンガン飛ばす飽きない娯楽作。
純愛ものでもあるのは「スパイダーマン」同様。

いかにもコミックというのがいい。
前作を忘れている。E・バナだっけ?
ノートンも意外といいし、
リブ・タイラーを初めて見た時、
いつか消える女優と思ってもいたが
地道に出ていて、この役も合っていた。

ティム・ロスの変身には笑える。
ノートン、ロスともに大柄ではないとこも
皮肉で、華奢な二人が巨大男に変身。

ノートンは戦わさせられる人(他国と)、
ロスは戦いを好む米国と見てもいいのかも。

医学も入り「ザ・フライ」も想う。
ラストはまるで「スパイダーマン」のような
飛び~~で彼はどこへ・・

医学、国、軍が暴走すると、こうなるよ、
もう世界はこうなりつつあると思う。

怒りをためない技術を
中島義道氏が書いているが、怒りの発散を覚える(ヨガ?をしてた)
自覚してどうにかする方法を覚えれば
少しはよい世界になるのか・・

人が人を超えることなどできない。

ハルクはアマゾンの奥地にでも住み、
人に害を与える生物相手に怒りを発散すれば
一生平穏かと思うが、映画にならないからね・・

彼とある女性の純愛、というのは清々しいから
都会に出現しないと~となる物語だ。

ラストにR・D・JRが出てハート将軍と話すが
「アイアンマン」へ繋がる意味なの・・
好きなW・ハートも昔、一時、精神の病と読んだが
脇で結構出ていて、こここでは怖い目つきの父だ。
「アイアンマン」もみたいけど・・


新作は2週間位鑑賞予定なしです。

帰らない日々~車の凶器、銃の米

2008-08-02 | 2008年鑑賞新作映画
ホアキン以外3人は、皆好きなので見た。
「ホテルルワンダ」の監督。
全編、緊張感が漂い、家族、子供の死とはを
たたみかけるように静かに映像化していてよいできだと思う。
ラストは少し意外。

米の小さな町。犯人と父は車ですれ違うほどの狭い地域。
事故は、福岡の子供3人、飲酒事故を思い出す。

この彼も夜、レッドソックスを観戦なので、多少
飲んでいたのか、妻との携帯やりとりでのイライラもあった。

車はカーヴを80キロで走行。
車はそれだけで凶器になる例だ。
車社会の米では、常に頭にいれておかないとと思うが
当たり前になりすぎ、皆16歳から普通に運転するのだろう。

隣には息子がいるのにスピードを出す。
あ!という間の死だ。

暗い道に少年を一人で出したのは失敗だった。
まさかのできごと。
交通事故は、まさかが多い。

車社会と同時に米は銃社会でもあることを改めて知る。
彼は簡単にリボルバーを手に入れた。
誰もがすぐという感じだ。

彼は幼い頃の父とのトラウマを息子に語るが、
それでよしではないだろう。
米が訴訟大国で弁護士もピンからキリだと思うが、
この彼も弁護士としては、それほど一流ではないような・・

生活もすさんでいる感じだし、小さな町でもなんで彼に頼むのか?
偶然だ。
ま、それは映画だから。

あと1、は弁護士事務所の所長が、なぜ彼の車がレンタカーに
変わったか気がつかないのか?
元の車種も知っていただろうし、事件は
小さな町だから噂になっているわけで
その辺りが気にはなった。

ベルギーの「息子のまなざし」だっけ・・
犯人の少年と刑務官が偶然に会う、みたいな印象だ。
原作があるようなので、しかたがないかな~

ラストは「リップスティック」「セヴン」のようには
ならない。その後の解釈は見る側にたくされる。

残された彼らは、この地にもう住めないのだろうか?
日本なら、ほぼそうだ。

二人の父は、立場は違うが冷静さに欠け
妻たちの方が大人で女が強く描かれる。

評によるとこのケイナンという町は実在の町で
「神がイスラエルの人に約束したとされる理想郷
カナンの英語読みである」とあり
深読みすれば、いろいろ思える映画だろう。

コネティカット州を調べてみた。
10年以上前の本だが
米北東部の小さな州。
軍需と教育の州、平均所得は全米トップ、保険業がさかん、
イェール大学がある。
映画ではそこまではわからないが、家も広く綺麗で
安心して住めそうな地域、穏やかな感じはした。

その州で、離婚した彼がとった行動は・・
となるのだろう。
私には二人ともあまり知的階級には見えないところは
映画らしい!(^^)!

夏休み娯楽から抜けたい人にはお勧め。

ハプニング~あらら・・・

2008-07-30 | 2008年鑑賞新作映画
渋谷へ行く用があったので「ハプニング」をと。
前作を見て、もう彼は見ないかも・・と書いてるかな・・

でも予告を見てつい。
マークも好きではないし彼の教師役は合わないと
思うが、そんなことより、これほどの低予算で
90分引っ張れる腕前は、今後も継続か・・

「誰でもいいから殺したかった」という言葉がはやっている。
これは「どうなってるのか不明だが死にたい」という感じ。

監督は医師の息子なので、自然科学系が好きだなと思う。

愛の映画?
自然界を馬鹿にすると、こういう目にあうのだよ、という警告。
人類は自然を破壊しすぎてるなどなど・・これは事実。

いろいろ思い、恋人たちはこれを見た後
愛を確認しよう。!(^^)!

凄いなと思ったのは、あの遠い家と家で会話が
可能なこと。
ああいいうのほんとにあったのかな・・

監督は電車かバスの中に座ってただけで
今回はあまり出なかった。

シャラマン作ではダントツで「ヴィレッジ」が好き。
「ヴィレッジ」は集団心理がとても興味深く
オウム、学会、なんでもいいが、ある集団とそのトップの
関係、集団の中の異端者など、思想があるし
娯楽としても秘密結社風、PTA風夜の会合みたいで笑えた。

あの赤いマントを着、私も町内を歩いてみたい(^_^)

次に好きは初めて見た「6」、あともそれほどひどいのはないが
だんだんネタもつきてきているとは思う。
インド禁断の文芸物でもやってほしい。

余談、渋東の1Fにできたクリスピードーナツは
平日AM10時半、すいていて初めて買った。
1つおまけにもらう。
昨年、10月の新宿サザンテラスの2時間待ち?
大混雑を思うと有楽町にもできたし、
もうそれほどではなくなったみたい。

味はふんわりしてておいしかった。
ミスドのハニーディップを小さく、ふわっと
した感じ。他の種類も買ったので今夜食べます。

インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国

2008-07-24 | 2008年鑑賞新作映画
今まで、このシリーズ館で見た記憶がないので、
新ピカデリーへ。
時間的に吹き替えで。
TVでは見ているが、前3作との比較などできず
ああ~こういう映画、ということで娯楽を楽しめた。

考古学、SF(ETだね)、アクション、オカルト系、
もう何でもありの冒険譚。

滝のシーンなどは笑えるほど助かるし、
大蟻ってホントにいるの?
怖い!
ヘビもサソリもで、生物も
普遍系からSF系まで、生きものまで何でもあり。

ハリソンはもともと、わりに老け顔なので
66歳でこの役でも、それほど変には見えない。
妻?も若いし、あと1作くらい主演してもいいかも。

逆にケイト・ブランシェットは、こういう娯楽の役でも
多少気負いが感じられ、もっとラフ、楽しくやれればと思う。
軽め演技でいいのでは・・

J・ハートが後半、かなり活躍。
何語だっけ?を意味不明に語るが
突然、魔法が解けたように日本語に!(^^)!

皆、助かってよかったね、というハリウッド王道娯楽作。
吹き替えだとロシア語は吹き替えなしだったが
字幕だと出たのかな・・

音楽は知ってる、あのテーマが高らかに・・
また次がくるの・・

クライマーズ・ハイ~この日から3日後に

2008-07-16 | 2008年鑑賞新作映画
2週間ぶりの新作。夏の間は毎週は見ないと思うので
新作感想もたぶん間があきます。

映画は可もなく不可もなくという感じ、
見なくてもいい映画かもしれない。

余談から。

この映画をなぜ見たか?邦画はめったに見ないし、
それほど好きな男優も出ないのに・・

1985年8月12日は初出産日の3日前。
とても印象が強い事故だった。
予定日は8月初めで2週間も過ぎ、体重は15キロも太り(^_^)
当時○高出産だった私は、医師に「子供が大きい!双子みたいに」
とのんきに言われ、
「レントゲン撮りましょう、頭が通らない大きさなら
帝王切開になるか・・」
「ぎりぎり通るかな?」と曖昧な言葉で、
「もう生んだ方がいいので、念のため前日に入院し
検査し誘発をかけ普通分娩で~」ということになり
不安だらけで14日の朝入院した。

12日からTVは事故のニュースしか流れないくらい
ずっと放映していて個室に入れたので
TVをみつつ、とても痛い子宮口を広げる器具を
入れられた夜。
その日もあまり寝られずTVを見てたと思う。
15日、朝、誘発剤を入れ午後3時過ぎ、
不安をよそに、お昼まで少しは食べられ安産で生まれた。
4キロ弱で大きく
「初産で大きい!よく頑張ったね」と言われた夏から
もう23年が経った。

その子も4月から働くまでに成長。
おなかにいたのに何故か、この事故にはとても興味を
持ち、新聞記事なども熱心に読んでいるし、
いつか御巣鷹山へも行ってみたいだなんて~
関係ないのに・・
初めて出た遺族の本「茜雲」も買って読んだ。

という余談。

感想として一番感じたのは地方の新聞のオーナーの
暴君ぶり。(^_^)
とっている食材宅配箱に埼玉新聞などが入っているが、
群馬のこの新聞社もモデルがあるのだろう。
300名くらい?

この映画は事故よりも記者のぶつかり合い、
メディアとはどういうスタンスを?だろう。
まだPC、携帯がない時代に、あの山まで記者として登り
どんな気持で取り組んだかなど、彼らの心の映画だと感じた。
だから、別にあの事故でなくても、よかったかもしれない。
原作があるから、そうなだけで。

それにしても、山崎扮する社長の成金部屋には笑える。
動物の置物など、なんかやくざの部屋みたい・・
現実に地方の小さな新聞社ってこうなのかな?
ちょっと疑問。

堤、堺ともに好演。
堤の家が和風なのにベッドが、どんとありで面白い
インテリア。

私生活の事も入るが彼の妻のことが
わからず離婚したの?
ラスト、孫に会うのも、とってつけたようでいらないかも。

高島も急に倒れるほど働いていても山へなんて
子供が小さいのにむちゃだなと思う。
もっと父として自覚をもってね。

それは堤にも言えるのか・・

誕生日の新聞は毎年とってあるので、
1985年8月15日の新聞を探してみた。
当時も都内に住んでいて読売新聞だった。

一面トップ。
「尾翼接続部に疑い」
日航全機を点検、整備に焦点、とある。

遺体に手を合わせる遺族の15センチ四方の写真、
生存者、CAの落合由美さんの証言も掲載。

映画でも議論していた靖国公式参拝は、一面左に小さく掲載され、
残りすべては事故記事だった。

一面以外でも4ページがほぼ、事故関連。
坂元九夫人の言葉ものり、
15日で67遺体の身元が確認とあるので
かなり捜索ピッチは早いと思う。

「取材記者5人、山中で迷う」とあり、地元の消防団が救助に
向かったという馬鹿な話が起こったほど、
ふつうは行かないところなのだろう。

今年の慰霊登山は高齢になった遺族のために
さらに工夫、整備をしたと先日読んだ。

この映画は、私には23になる子供の成長と
当時のTVを思い、初めての育児をしつつ
死を感じた8月を思い出させる。
ある意味で個人的感慨をもつ映画でもある。

最後に就職四季報で地方新聞社を調べてみた。
全国2位の大手地方紙、北海道新聞、1577名、多い。
130年の名門、信濃毎日新聞(イラクで誘拐された方の元
勤務先だった)441名、
東北最大の100年の歴史、河北新聞、620名、
関東の地方新聞社は載っていなかった。

映画での感じだと、もっと小規模だろう。

イースタン・プロミス~2つの世界の出会い

2008-07-03 | 2008年鑑賞新作映画
しぶいな~2つの世界を同時に見られる物語。

クローネンバーグ監督、65歳。
前作に比べさらに、え!これ彼が監督と思うほど
良い意味で普通系に変化。

65になり年を意識しているのか?
死をだんだん感じているのか?

でも、バイオレンスはかなり激しく
目をおおいたくなるようなシーンも多。
ヴィゴの裸体もペニスを見る暇もないほど(あまり映らないよ)
残酷ナイフ合線で、暴力に関しては彼らしさも、
まだまだ存在している。
ネタばれになるので、あまり書かないが
全体に落ち着いたゆったり映像で、
知らないで見ると監督、誰?かも。

とくにナオミの家族の光景などはごく普通の絵だ。

あのシーンで寝てしまうと、彼が何者か?
はわからないままだし、ラスト、彼はボスに?
なっても、今後どうなるのかは謎のままだ。

「堕天使のパスポート」(よかった)の脚本にインスパイヤーされての
製作だそうで、ロシアンマフィア、東欧マフィアの
残酷さを見せつけられる。

ヴィゴは「指輪」でちょっといいな~と、どんなのに
出てるの?で「柔らかい殻」?
アート系。変わった映画、A・ワイエスの絵画みたいなのにも
出ていたことを思い出す。

これが彼の代表作になるだろう。

「インファナル~」ではないが、よくあの職につけたな、
とは思うが、ロシア警察、KGB、プーチン大統領など
政治のことがもっとわかれば、さらに分析できるかもしれないが
監督は、そういう思想を持ってとっていないだろう。

ナオミもいいし、V・カッセルも、こいういチンピラ役、
彼以外に誰ができる!というくらい似合う。
彼の妻が、美女、モニカとはね!(^^)!

元々、監督は医学系が好きなようで、先日DVDで見た
「ザ・ブルード」79年も超医学系。
今回は同じ医学に関しては子供は無事出産だし、
温かさを感じさせたあたりが変化のきざしと思う。

どの作品にも言えるが、どこかレトロな趣の映像も
ノワール感にマッチしていた。

刺青で組織を表すは日本でもそうなのかな?
あの電動刺青機もよくできているなと感心してしまう。

告発の時~反戦への静かな視線

2008-07-01 | 2008年鑑賞新作映画
「クラッシュ」のP・ハギス監督。
うまくなった。「クラッシュ」も悪くはなかったが、
これはバリバリの反戦映画を、バリバリでなく
静かに描いているところがよく、ラストに
ふっと涙が一滴でる03年に実際に起こった物語だ。
とくに息子がいる方は、感じるところも多いと思う。

キャストが皆いい。驚いたことにJ・フランコが出ていて
嬉しいような・・知らなかった。2シーンだけか・・

セロンは、こういうシリアス物をノーメイクでの演技が
意外にあっていると今回思う。

息子二人がいて、一人もすでに戦死、一人はイラクでの死ではなく
休暇で無許可離隊。
なぜ?トミーリー父が息子の行方を追う。

皮肉にも息子は戦死ではなかった。
ミステリーでもあるので詳しくは書けないが、
このずれが、戦争の
凶器、狂喜、狂気を表している。

父は「行けとは言ってない」と妻に語るが、違うだろう。
たぶん、俺のように勇敢に戦えと言ったのだろう。
だからこそ、これほど深くかかわる心があったと。

イラク戦争へ行っている若者は、ほとんどが中流以下の家庭で
ヒスパニック系などが多い。
奨学金が出るから大学へ行けるなど勧誘はうまい。

戦場で彼らはベトナム同様の傷を受け帰還する。

DVDで今年見たI・ウィンクラー監督の
「勇者たちの戦場」も、これに近いものがあった。

ラスト、彼はまたイラクへ行きたくなる、と。
「勇者たち」でも同様の記憶がある。

戦争事態の麻薬のような怖さを痛感する映画だ。

セロンの息子とのエピソードもいいが、
あの息子が成長する頃までイラク戦争は続いているのか?

始めるのは簡単、終わるのは難しい。
確か元米の海兵隊員が書いた
「なぜ、アメリカはこんなに戦争をするのか」
を読んでみたい気になった。

幻影師アイゼンハイム

2008-06-26 | 2008年鑑賞新作映画
マジックというと俗っぽさも感じるが、これはちょっと
違い、時代も19Cウィーン。格調の高さを感じさせる映像だった。
それほど期待せずみたが面白い。

イリュージョンにとらわれてしまいがちだが(それでもいいが)
長い長い純愛物語でもある。

ネタばれになるので書けないが、ここまで周到に考え
実行しのラストは爽快感があった。
とくに全編暗めの映像だったので。

音楽がフィリップ・グラスなので、あまりバリバリしないで~
の心配はなく一貫したミニマル音が効果的で程良かった。

キャストはノートンを始めとして、ジアマッティ、シーウェル
ビールなど誰もがぴったり。
娯楽の少ない当時のマジックが、これほどまでに
民衆をひきつけ、カルトみたいになるの?には驚く。

街のカリスマとなった彼だが、実は純愛達成を密かに進めていたこと。
なかなかやるじゃん!と。
ラストのジアマッティの笑みもいい。

原作があるようで映画とはまた違うのだろうか。
あのモワモワ~は何?

1つだけ、彼があれを実行してくれなければ
すべてはダメだったかも~などとか思うが、
10歳位からの純愛を思えばどうでもいい。
当時の町の様子、皇帝の力、庶民と権力なども静かに描かれ
地味だが楽しめる佳作。
ラストと始まりの落差が大きい物語でもある。
確かめたい個所もあるのでいずれ再見したい。

E・ノートンはTIFFで監督した「僕たちのアナバナナ」の
舞台挨拶で見た。日本に少し住んだことがあるとのこと、
日本語もまだ話せた。
俳優としては好きではないが多彩な方だなと思う。