8年ぶりのミハルコフ作。
彼の映画は特に好きではないが、ほぼ全作見ている。
オレグが出た「太陽にやかれて」が一番好き。
これにもオレグが出ればよかったのにな~
160分と長いが緊迫感溢れる議論、室内劇を時に笑いも入れ、
飽きずにみさせる腕はさすがロシアの巨匠だ。
彼の映画は演出が大袈裟だと思うことがあるが。
これも、その感はあるが個性ある演技、室内という狭い舞台なので
多少緩和されていたと思う。
ルメット、オリジナルは59年の夏公開なので、約50年ぶりの
リメイクと言ったらいいのか?
リメイクとは言えないような映画でもあった。
ルメット作は1年くらい前に録画で再見したので
違うところなどは記憶に残った。
長くなるので、まず、一言で言うと
12人と少年の過去と未来の物語、という感想だ。
見た後、ロシアの歴史、地理などを調べないとと思った。
もっとチェチェン紛争が出るかとの予想ははずれ
ルメットのより、むしろ個人の生き方、少年の立場、
彼らの未来は~を考える物語だ。
緊迫した室内シーンの合間に爆撃がドーンと入る演出はうまいし、
小鳥がどこからか入り込み飛び交うなど、ユーモアもまじえ
ラスト小鳥は外へ出るのだろうはあたった。
あの小鳥が13人を象徴している何かだろう。
初めに戻り、陪審員制度がはたしてロシアにあるの?
という疑問が・・ネットで調べればわかるだろうが
あの国全域でしているとは思えないな~
モスクワあたりでちょっとだけかもと(^_^)
それはリメイクだからいいとして、ルメットの陪審員と
比較すると、全体に生活レベルが高い12人だと感じた。
ロシアの中では、中流以上の生活の方だろう。
2、3人は低めがいるが、ルメット作は普通の庶民でしめていた。
こちらは社長が二人、医師、元将軍などロシアの中では高い。
そういう彼らの私生活が赤裸々に語られる、語ってしまう
あたりはミハルコフらしく、熱弁に圧倒される。
裁きの中で自身の過去を回想し少年を思うようになる
経過が興味深い。
プイラベートが熱い!に驚き、ロシア人っぽさがよく出ている。
監督自身が演じる元将軍は、初めからすべてを悟っていて
あの言葉を言うが、もっと裏がありか~はなさそうで
でも、少年の未来は?12人はどうするのか?
曖昧なまま雪の外へ。
その後小鳥が飛ぶので未来は明るい意味か?
雪の外なので暗いのか?
ラストはそれぞれの思いでいいのだろう。
見ていて「人は常に過去とともに生き、未来を
少し見ている」と改めて感じた。
よく単純に「前向きな生き方」と言うが、過去の存在がなければ
前向きなどありえない。
160分、カットできるシーンもあるとは思うが
長く重苦しい映像を見事に撮ったと思う。
帰宅後、ロシア、チェチェンを知りたく
地図を開き、世界史年表を見る。
ロシアは少しずつ国土を拡大してきたわけで、
16世紀あたりにカスピ海に近いチェチェンの地域を
無理やりとろうとし、その争いが今でも続いている、
アフガンみたいに永遠に紛争の地域だと思う。
チェチェンはモスクワから千キロ以上南、
200キロ四方の国。
イスラム教を頑なに守っていることが
ロシアの怒りかっているのか・・
カフカス(コーカサス)山脈の北側、グローズヌイが首都。
このあたりに11の共和国、州。まあ、民族集団だろう。
小さな町が国家になっているような感じか。
チェチェンはロシアとは、ずっと争い95年頃激化し
大統領が殺されその後、誰が統制してるのか?
100万と言われた人口も攻撃で70万くらいに激減らしい。
学校占拠、モスクワの劇場事件も元KGBの企みだという
説もある。
チェチェンをロシアにできれば
カスピ海にある石油のラインを物にできることが大きいそうだ。
そんな小さな国なので、映画でも町は破壊だらけ。
女、子供はどうしていきているのか?
そんな国の少年がこの映画の容疑者だった。
イスラムなので、アラブ系、肌の色はやや濃い。
複雑な民族間、紛争を思わざる得ない。
夫は、人口も少ないのに、ずっと戦えているのは
イランなどからムスリムのゲリラが徒歩で入り外人部隊として
応援しているので紛争は継続されていると思うと言う。
確かに地図で見るとカスピ海沿いを行けば近い。
プーチン率いる元KGB、今はFSBか?がいる限り
この紛争は終わらないと思った。
小さな国家が、このような運命を受けていることを
何故?と思うが、政治の裏側は理解を超えた。
57年製作、シドニー・ルメット作について少し。
双葉氏の評では満点。96分、モノクロ。
こちらでのリー・J・コップ扮する、息子との確執がある役が
ミハルコフでは息子に虐待を加えたタクシードライバー男性になる。
H・フォンダ(初めに無罪を言う)役は、こちらでは
苦労しての大企業の経営者なので、かなり違うキャラだし、
他の10人もそれほど近いキャラはない気がした。
モノクロでの96分、爆撃はないので徹底した室内劇だが
大雨が降るなどが、小鳥のイメージになるのかと思う。
目が近視の目撃者はルメットでは老女だったはず。
ここでは若い女性など違いもある。
ナイフもコーカサスのナイフとルメットのナイフ
(ウェストサイドのナイフと同じ)とは形が違った。
比較してまたみると発見があるだろう。
歴史、地理のお勉強にもなった硬派、大作だが
予想より、暗く見にくい映画ではない。
彼の映画は特に好きではないが、ほぼ全作見ている。
オレグが出た「太陽にやかれて」が一番好き。
これにもオレグが出ればよかったのにな~
160分と長いが緊迫感溢れる議論、室内劇を時に笑いも入れ、
飽きずにみさせる腕はさすがロシアの巨匠だ。
彼の映画は演出が大袈裟だと思うことがあるが。
これも、その感はあるが個性ある演技、室内という狭い舞台なので
多少緩和されていたと思う。
ルメット、オリジナルは59年の夏公開なので、約50年ぶりの
リメイクと言ったらいいのか?
リメイクとは言えないような映画でもあった。
ルメット作は1年くらい前に録画で再見したので
違うところなどは記憶に残った。
長くなるので、まず、一言で言うと
12人と少年の過去と未来の物語、という感想だ。
見た後、ロシアの歴史、地理などを調べないとと思った。
もっとチェチェン紛争が出るかとの予想ははずれ
ルメットのより、むしろ個人の生き方、少年の立場、
彼らの未来は~を考える物語だ。
緊迫した室内シーンの合間に爆撃がドーンと入る演出はうまいし、
小鳥がどこからか入り込み飛び交うなど、ユーモアもまじえ
ラスト小鳥は外へ出るのだろうはあたった。
あの小鳥が13人を象徴している何かだろう。
初めに戻り、陪審員制度がはたしてロシアにあるの?
という疑問が・・ネットで調べればわかるだろうが
あの国全域でしているとは思えないな~
モスクワあたりでちょっとだけかもと(^_^)
それはリメイクだからいいとして、ルメットの陪審員と
比較すると、全体に生活レベルが高い12人だと感じた。
ロシアの中では、中流以上の生活の方だろう。
2、3人は低めがいるが、ルメット作は普通の庶民でしめていた。
こちらは社長が二人、医師、元将軍などロシアの中では高い。
そういう彼らの私生活が赤裸々に語られる、語ってしまう
あたりはミハルコフらしく、熱弁に圧倒される。
裁きの中で自身の過去を回想し少年を思うようになる
経過が興味深い。
プイラベートが熱い!に驚き、ロシア人っぽさがよく出ている。
監督自身が演じる元将軍は、初めからすべてを悟っていて
あの言葉を言うが、もっと裏がありか~はなさそうで
でも、少年の未来は?12人はどうするのか?
曖昧なまま雪の外へ。
その後小鳥が飛ぶので未来は明るい意味か?
雪の外なので暗いのか?
ラストはそれぞれの思いでいいのだろう。
見ていて「人は常に過去とともに生き、未来を
少し見ている」と改めて感じた。
よく単純に「前向きな生き方」と言うが、過去の存在がなければ
前向きなどありえない。
160分、カットできるシーンもあるとは思うが
長く重苦しい映像を見事に撮ったと思う。
帰宅後、ロシア、チェチェンを知りたく
地図を開き、世界史年表を見る。
ロシアは少しずつ国土を拡大してきたわけで、
16世紀あたりにカスピ海に近いチェチェンの地域を
無理やりとろうとし、その争いが今でも続いている、
アフガンみたいに永遠に紛争の地域だと思う。
チェチェンはモスクワから千キロ以上南、
200キロ四方の国。
イスラム教を頑なに守っていることが
ロシアの怒りかっているのか・・
カフカス(コーカサス)山脈の北側、グローズヌイが首都。
このあたりに11の共和国、州。まあ、民族集団だろう。
小さな町が国家になっているような感じか。
チェチェンはロシアとは、ずっと争い95年頃激化し
大統領が殺されその後、誰が統制してるのか?
100万と言われた人口も攻撃で70万くらいに激減らしい。
学校占拠、モスクワの劇場事件も元KGBの企みだという
説もある。
チェチェンをロシアにできれば
カスピ海にある石油のラインを物にできることが大きいそうだ。
そんな小さな国なので、映画でも町は破壊だらけ。
女、子供はどうしていきているのか?
そんな国の少年がこの映画の容疑者だった。
イスラムなので、アラブ系、肌の色はやや濃い。
複雑な民族間、紛争を思わざる得ない。
夫は、人口も少ないのに、ずっと戦えているのは
イランなどからムスリムのゲリラが徒歩で入り外人部隊として
応援しているので紛争は継続されていると思うと言う。
確かに地図で見るとカスピ海沿いを行けば近い。
プーチン率いる元KGB、今はFSBか?がいる限り
この紛争は終わらないと思った。
小さな国家が、このような運命を受けていることを
何故?と思うが、政治の裏側は理解を超えた。
57年製作、シドニー・ルメット作について少し。
双葉氏の評では満点。96分、モノクロ。
こちらでのリー・J・コップ扮する、息子との確執がある役が
ミハルコフでは息子に虐待を加えたタクシードライバー男性になる。
H・フォンダ(初めに無罪を言う)役は、こちらでは
苦労しての大企業の経営者なので、かなり違うキャラだし、
他の10人もそれほど近いキャラはない気がした。
モノクロでの96分、爆撃はないので徹底した室内劇だが
大雨が降るなどが、小鳥のイメージになるのかと思う。
目が近視の目撃者はルメットでは老女だったはず。
ここでは若い女性など違いもある。
ナイフもコーカサスのナイフとルメットのナイフ
(ウェストサイドのナイフと同じ)とは形が違った。
比較してまたみると発見があるだろう。
歴史、地理のお勉強にもなった硬派、大作だが
予想より、暗く見にくい映画ではない。