映画覚書33-2 ~ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝~

2008-09-07 10:24:36 | 映画

昨日の続きです。

絶対的に不足しているんですよねぇ。ユーモアが。

正直、ネタが悪いというのもあります。
映画の冒頭にオコーネル夫妻の下ネタがありますが、
あまりにもありきたりすぎるネタフリとオチに、こっちが恥ずかしくなってしまいました。
さらに!ユーモアエッセンスを加えるには配役が悪すぎます(悲)
レイチェル・ワイズじゃなくなったエブリンはいうまでもないですが、
息子のアレックスを演じる役者。
ルーク・フォードって方なんですが、彼はコミカルな演技なんてできないんじゃないか、
と思うくらいにユーモアにおける見せ場はありません。
ブレンダン・フレーザーがウマいだけに目立ってしまいます。
ヒロインの中国人の女の子と2人で話す場面でも、
ユーモアを言っているのか、単純に話しているだけなのかさっぱりわかりません。
このような悪循環に飲まれたのか、単にネタが悪かったのか、
リックやジョナサンもパッとする笑いを提供してくれません。
ユーモアの欠如・・・・残念です。
ロブ・コーエンはユーモアが苦手なんでしょうか。。。

もうひとつ、物足りない気持ちにさせるのが舞台が中国であること。
中国にこの映画の原題である『The Mummy(ミイラ)』は合わないでしょう。
そもそも中国のミイラと言えばキョンシーです。
両手を前に揃えて突き出し、ピョンピョン跳ねて移動するのが中国のミイラです。
もちろん、この映画にキョンシーは出てきません。
そんな先入観というか、文化的な背景も違和感を生んでいる理由かも知れません。

しかも、そもそも兵馬俑って死者じゃないですしね。
冷静に考えてみると、この映画で出てくる悪役ミイラって皇帝だけですよね。
最後のほうに出てくるミイラの軍団は味方ですもん。
ちなみに、その味方ミイラ軍団を蘇らせる呪文を、
不老不死の母(ミシェル・ヨー)が英語で唱えるのは許せませんでした。
たいがいの矛盾は見過ごすことができますが、
中国人のミイラを蘇らせる呪文を英語で唱えちゃダメでしょう。
ドサクサ紛れにもほどがあります。


皇帝率いる兵馬俑軍団と、皇帝に虐げられて無念の死を遂げたミイラ軍団との闘いは圧巻です。
このシーンはすべてCGだと思うのですが、よくできています。
さすがのVFX技術ですね。
リアリティを与えるために細部まで作りこまれているのでしょう。

蘇った皇帝は無敵です。
シャングリラで呪いを解いた皇帝はキングギドラにも変身できます。
5つのエレメントを自在に操る皇帝を倒すことは不可能にも思えます。
前作のスコーピオンキングも無敵でした。
それでも、前作では槍、今作では剣で倒せちゃうんですから、
このシリーズ共通の、呪いという名の精神力が持つパワーへの敬意の表れじゃないかと思います。

物語のエッセンスとして、是非とも付け加えて欲しかったのが、
ミイラとして蘇ったヤン将軍と不老不死の母ミシェル・ヨーの再会シーン。
悲劇の別れを遂げた2人が、2000年振りに再会するわけですから、
ここは描き所だと思ったんですがねぇ。
戦いが終わって、お約束の砂嵐に2人の笑っている顔が浮き上がりますが、
それだけでは寂しいじゃないですか?


ということで、今回の『ハムナプトラ』も楽しめました。
楽しめましたが・・・・物足りないなぁというのが本音です。

映画の最後、次回作へのプロローグなのか、
ジョナサンが“南米へ行く”とタクシー運転手に告げます。
ほほ~。今度はインカ帝国ですか。それともマヤ文明でしょうか。
いずれにしても中国よりは作品のイメージに合っている気がします。
次回作ではアドベンチャーはもちろん、
しっかりと笑わせてくれることを期待しております。
レイチェル・ワイズ、復活してくれないかなぁ。。。
では。


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