第3種換気システムの負圧 ~前編~

2008-10-14 22:57:01 | 空気環境
mercy邸では第3種換気システムを採用しています。
というか、それがイサットハウスの標準仕様なんですけどね。

こちらでも書いている通り、第3種換気は室内に負圧を生みます。
ただ、一言で負圧を生みます、といっても、
一体それがどの程度のもので、暮らしにどのような影響を与えるのかというのは、
正直、住んでみないとさっぱりわかりません。
そこで、mercy邸で現れる“室内が負圧だからこそ”の現象を、
住み手のあまり高くないアイレベルで記録しておきます。

まず、負圧であることによる弊害として思い浮かぶのが玄関ドアの重さです。
外開きの玄関ドア(内開きは滅多にないですよね)なんですが、
入居当時に2歳になりたてのジャリ男には、室内側から開けることはできても、
室外側から開けることはできませんでした。
つまり、それだけ室内側へドアを引っ張る空気の流れが強いということです。
これは換気システムを中運転しているときですから、平常時ですね。
今年の春にジャリ男が“ドア、開けられた~”って喜びながら報告していたのを覚えています。
幼子を図らずも締め出してしまう家。。。どんな家や!と突っ込みたくなりました。

平常時ですらこの調子なので、換気システムを強で運転しているときは要注意です。
大人ですら家の外に出るときは、玄関ドアに体当たり(というのはオーバートークですが)して開けています。

こんなことなので、玄関ドア、特に取っ手にかかる負担は一般のお家よりはずっと大きいと推測できます。
引き戸の玄関ドアにするとこのような弊害はないと思われますが、
引き戸は高気密住宅に馴染まないという認識しています。
鍵をかけない限りは隙間ができてしまうのが引き戸の常ですから。


また、おもしろいなぁと思ったのが、
玄関ドアを明けたときの室内ドアの動きです。
mercy邸では玄関ホールに2枚の室内ドアがあります。

①と②の室内ドアが玄関ドアの開閉に敏感に反応してくれます。
まず、高気密でない家の場合を考えてみます。
玄関ドアを外側に開く瞬間は、玄関ホールが負圧になりますよね。
なので、①のドアは開き、②のドアは閉まる動きになると思われます。
あ、どちらも、室内ドアがカチッと閉まっていない状態ですし。

一方、高気密住宅のmercy邸の場合のドアの動きです。
どちらのドアも瞬間的には高気密でない家と同じ動きをしますが、
その後の動きはまったく異なります。
つまり、①のドアはカチッと閉まり、、
②のドアはパカーッとだらしなく開くのです。
玄関ドアを開けたことにより、他の吸気口から取り入れられるべき空気が、
すべて玄関ドアから入ってくる(ショートカット)ことによって、空気の流れができる。
その流れは玄関ドアから室内へ向かっている流れということなんですね。
体感できるほどのものではないですが、室内ドアは正直に反応します。
これは換気システムを弱で運転していても少なからず現れる現象です。

後編に続きます。
では。