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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

成熟しない子ども

2018-02-16 18:57:45 | 毎日コラム
成熟とはいつか、それは容易に決められない。精神的な成熟となればなおさらだろう。
私たちは至極不安定な位置でいつも右往左往している。
いつ私がなんらかの形で職を失ったり財を失ったりするか、わからない。
そんなことはないと願いたいが、それは分からないのが正直なところだ。

そんな私が成熟したのかと問われればまだまだだと即答するだろう。
柄谷行人だったかどこかの批評で、成熟というのは未熟を発見するための便宜的なものであって、人はずっと「成熟」なる状態にはならない、というようなことを書いていた。
いや、柄谷行人でなかったかもしれないが。

そういうことを言いたいわけではないが、しかし、人が成熟するための条件はこの10年でますます増えてきたような気がする。

息子はうちの教育方針から、電子機器やテレビなどのメディアにはできるだけ触れさせずに育ててきた。
その彼もやがてメディアリテラシーをみにつけ、最新の科学や方程式を覚えていくことになるのだろう。

彼が身につけなければならない能力や技術、知識は、明らかに私が子どもの頃に要求されていたものよりも多いはずだ。
科学や技術はどんどん進んでいるからだ。

その一方で一人前にさせようとする外部からの圧力は強くなる一方だ。
成人年齢を18歳にしようという流れがある。
息子が成長した頃、早熟を要求する外部からの圧力としかし、より高度化した技術と知識の習得との乖離はますます大きくなるだろう。

成熟がどんどん程遠くなっていく世界になろうとしているように思える。
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