イスタンブール滞在5日目は、翌日のイタリアへの移動を控えた最終日。また新市街を散策したり、沿岸をめぐって猫を探したり、フェリーの乗り納めをしたりした。この5日間の行動の総まとめという感じだ。
鳥たちと共に朝食を軽く済ませてから、いつものように11時頃に出かける。まずトラムでエミノニュに出て、そこから新市街に向けてガラタ橋を歩いて渡ることにした。
猫スポットのスルタナメット広場を抜けてトラム駅に行くのだが、少し歩いては立ち止まって写真を撮ってしまうので、なかなか進めない。
猫の誘惑を振り切ってようやくトラムに乗り、エミノニュで降りる。
駅のすぐそばにイェニ・ジャーミイ(モスク)がそびえている。内装が美しく、ブルーモスクよりも規模が小さくて観光客が少ない。イスタンブールで私の好きなモスクの一つなのだが、入ろうとしたらこの時は閉まっていて入れなかった。工事中だったのかな?
ガラタ橋は2層構造になっていて、下には魚料理のレストランが並んでおり、ビールを飲みながら鯖サンドなどを食べることができる。
橋の上には釣り人が並んでいる。鴨川の等間隔カップルのようだ。
小さい魚を何匹か釣ってバケツに入れていたおじいさんに話しかけてみる。彼は年金生活者で、もう50年もここに通って釣りをしているらしい。昔に比べて魚は減り、サイズも小さくなったとか。ちなみに、「イスタンブール名物の鯖サンドに使われている鯖はノルウェー産だよ」と教えてくれた。これは有名な話なので、私も知っていた。
「釣った魚はどうするんですか?」と聞くと、「もちろん食べる」とのことだった。海水の汚染が気になりそうなものだが、彼にとっては、ここの魚は店で買う養殖ものよりも安心らしい。フライにして食べるのが一般的だが、油を使うのはあまり健康によくないから、最近はオーブンで焼いているそうだ。
このおじいさん。なかなかダンディーだった。
オーブンで焼かれる運命の鰯(?)たち
比較的大きな魚を釣り、1キロ20リラ(現在のレートで310円強)で売っている人もいた。
橋を渡れば新市街側のカラキョイに着く。トラム駅付近の地下通路兼商店街のペットショップで、ちょっと高級(私にとっては)な猫用おやつ「ドリーミーズ」を発見。ヨルダンでよく買っていたものだ。2袋買う。1袋9リラ(約140円)。
エサの量り売りはやってなかった。
ドリーミーズ。こんな腰の抜けた猫のイラストだった記憶はないが・・・
日本で見たことはないが、調べてみたら日本でも売られているようだった。イラストがやや可愛めだが、やはり外国の猫っぽい。三毛ではなくMIKEな感じ。
カラキョイからはトゥネルでイスティクラール通りのとっつきに出て、脇道を徘徊しつつタクシム広場に向けて登って行った。
降りた駅のすぐ脇の坂を少し下って、いつもの店でニンジンジュースを飲んでビタミンを補給し、イスティクラール通りに戻る。その途中の路上で、とぐろを巻いている猫の写真を撮った。隣にいるこのおじさんが世話をしているらしい。
元気がない。
おじさんの説明によると、この猫は歯に問題があって、固形物が食べられないそうだ。ここはやはり、ちゅ~るの出番だろうと思い、EU版ちゅ~るをあげてみたら一瞬で舐めつくした。
「おいしかった~」
おじさんに残りのちゅ~る3袋を渡しておいた。買っておいてよかった。すぐなくなると思うが、獣医さんに連れていく予定だというので、なんとかなるだろう。イスタンブールの猫おじさんは優しいなあ。
ちゅ~るのお礼だと言って、チャイをおごってくれた。彼はチャイ屋さんなのだ。
チャイのお礼を言って、また歩き出す。
同じ通りにあるガラタ・メヴラーナ博物館も猫スポットだ。
この博物館では、日曜日にイスラム神秘主義のメヴレヴィー教団の旋回舞踊「セマー」(スカートをはいたお坊さんがくるくる回るダンス)が観られるそうだが(現在の開館状況は不明)、私は観たことがない。シリアにいた頃、ダマスカスでもこの踊りが見物できる観光スポットがあったが、入ったことがない。なんとなく気が向かなくて・・・入っとけばよかったのに。
こういう儀式だ。
イスティクラール通りは、平日の昼間なのに賑わっていた。いつものことだが。
ストリートミュージシャンを何組か見かけた。みんなけっこうレベルが高い。
この猫は、背後のお店の中に映っているおじいさんの飼い猫。おじさん・おじいさんと猫の街、イスタンブール。
ドイツ書店
この書店のカフェには、魅力的な焼き菓子が色々あった。
こちらはフランス書店。仏語の本が買える。読めないから買わないけど。
通りの反対側に「SURIYE PASAJI」(スーリイェ・パサジュ=シリア小路)と書かれたアーケードの入り口を発見。今まで気がつかなかった。無目的にのんびり歩いていると発見が多い。
右側のアラビア語の数字は「1326」と書かれている。この建物が完成したのは西暦1908年で、ヒジュラ暦(イスラム暦)では1326年だったのだろう。
中に入ってみると、商店やカフェが並んでいた。
シリア小路を出て、また脇道に入ったりしながらイスティクラール通りをじわじわと登っていく。
書店の文房具・雑貨コーナー
脇道のカフェ
安くて種類の多いロカンタ(食堂)。今度入ってみよう。
「歴史的なガラタサライ・ハマム」(1481年創設!)こわもてのおじさまは番人?
ハマムのすぐそばには、「イタリア高校ガリレオ・ガリレイ」(Liceo Italiano I.M.I. )がある。
この高校は1861年創立の由緒ある学校だ。私学扱いだが、現在もイタリア政府が資金援助して、教師を派遣しているとのことだ。授業はイタリア語とトルコ語で行われる。一度見学してみたいな・・・
イタリア高校がある界隈は、かつてトメル(トルコ語学校)に通っていた時、休み時間に良く散歩していた。
探し物は何ですか?
この辺り(ベイオウル)は相変わらず猫だらけだ。
このミケちゃんにドリーミーズをあげたら、がっついて食べていた。飼い主だというおじいさんがそれを見て、「今何をあげたんだ。メーカーの名前を教えてくれ」と質問してきた。買いに行くつもりらしい。うふふ・・・
アラブ人の好きそうなお菓子屋。私もこのピスタチオのぐるぐる巻きは好きだ。甘いけど。
この日は曇っていて歩きやすかったが、さすがに疲れたのでパブに座って休憩。エフェスが五臓六腑に染み渡る・・・
「飲み過ぎないようにね」 はいはい・・・
気が付いたら、もう午後3時になっていた。移動距離はわずかなのに、いつの間にこんなに時間が経っていたやら。(いつもや)
昼寝するためにホテルに戻ったら、こういうヒトがお出迎えしてくれた。
イスタンブール、至れり尽くせりだな・・・
(参考)
「イェニ・ジャーミィ」の紹介記事
https://gotrip.jp/2020/02/122969/
記事に外観の写真を載せた食堂「Lezizane Lokantası」のインスタグラム
https://www.instagram.com/lezizanelokantasi/
ガラタサライ・ハマム観光情報
https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/middle_east/republic_of_turkey/IST/109416/index.html
イタリア高校のホームページ(イタリア語・トルコ語)
https://www.liceoitaliano.net/
ドリーミーズの日本語のホームページ
(続く)
日記の続き、待ってました。
(勝手に待っているだけなので、聞き流してください)
>「イスタンブール名物の鯖サンドに使われている鯖はノルウェー産だよ」
知りませんでした、まぁ、よくある話だし、調理の仕方とボスボラスの潮の香を感じながら食べることに価値があるのかな。早く食べてみたいものです。
>三毛ではなくMIKEな感じ。
中学1年生の英語の授業で、クラスメートが、「He is Mike. 」を「彼はミケです。」と訳したのを思い出した。クラス中が大爆笑。クラスメートが、受け狙いだったのか、本気だったのかは、今でも不明。本人に確認しても、そんなことあったっけ・・・。
蛇足ながら、その後三毛猫を街で見ると、「マイク」と頭に浮かびます。
探し物をしているネコ殿、いやぁ~、長い首、スリムなボティですね。
イタリア編、楽しみにしています。
旋回舞踊「セマー」のYouTube拝見しましたが、前半は雅楽に通じる雰囲気、やっぱりシルクロードで、繋がっているのでしょうか?
Zhen
イスタンブールの鯖サンドは、どこ産でも美味しいですし、やっぱり調理法・売られ方・風景なども重要ですよね。猫におすそ分けできるのも大事な要素です(個人的に)。
「彼はミケです」と訳したクラスメートの方、ナイスです。私も「ミケランジェロ」と聞くと、自動的に三毛猫が頭に浮かびます~
猫、伸びをするとけっこう身体が長くて驚きますね。液体だという噂だし・・・
トルコ人はもともと中央アジアの民族なので、そのせいかトルコの歌には日本の演歌などを思わせるものも結構多いです。シルクロード繋がりもあるのかな?イランの音楽もそうなのかも。