memories on the sea 海の記録

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Pontian漁民の挑戦  マレーシア

2011-10-22 07:52:39 | 亜細亜海道
いまや漁船は大きくなり強力なエンジンを備えた。Pontian漁民の苦しみはほかの沿岸の漁民に比べて独特である(10月2日NST) 

Goh Ah Heng桟橋の漁師Ng Jih Chang(33歳)からの聞き取りの記録である:

Pontianの地理的条件からインドネシアとの国境に近く操業の場所が限られている。
自分のようにクラスBの漁船を持つものは沿岸から5浬先までしか出られない。われわれはおよそ50㎞北方のSungai Penerukまでの海に網を入れることができる。この狭い海のため漁業者は問題に直面、長時間に及ぶ少ない漁獲と格闘している。国境問題としてはほかにインドネシア当局のパトロールによる拘束の恐れがある。ひと月にもならない以前、仲間が侵犯の嫌疑で拘束されている。こうした事態に対してマレーシア当局特にマレーシア海上法令執行当局MMEAが問題解決にあたることを望んでいる。

自分は5年前に漁師になった。しかし自分は物心ついたころからこの仕事になじみがあった。父や二人の兄弟は漁民であった。父のほかにこの仕事を続けているのは自分だけだ。自分は4隻のクラスBの漁船を所有しそれぞれの船に4人を乗組ませている。自分はかつてシンガポールで溶接工として働いていた。働いていた会社は港にあり仕事は難しく神経を使った。毎日Pontianからシンガポールまで通ったが自分は一年で仕事を辞めた。そしてフルタイムで漁に出ようと決めた。自分の仕事は上下している。最悪の事態は500人お仲間とともに助成されていたデイーゼル油の補給を最近止められたことだ。その事態はGo Ah Heng桟橋を根拠とする漁民の半数が助成による燃油の支払い決済をしなかったことで発生した。

自分には負債はなかったが、Pontian地区漁業者協会PNKは助成燃油の供給を全員に対し停止した。多くの仲間が公平であるべきと抗議を行った。そのあいだは魚の値段が40%高騰、供給も漸減した。幸いにも抗議ストライキと新聞報道によってPNKは燃油の供給を再開した。

Pontian沖の海での仕事は30年前と同じではない。昔は小さな船に小さなエンジンを載せていた、あるいは無動力の漁船もあった。今や船は大型化し機関出力は500馬力にもなった。当然のこととしてより大きな網を使うことになり、5時間半かけて出漁する。我々の仕事は潮と潮流次第だ、だから夜間に出かけることもある。クラスBの漁船の漁民は12時間が限界だ。生計のための漁民の格闘は海の状態による。だから助成燃油の供給カットは仲間に大きな悪影響を与えた。多くの人々は我々がどのようにして家族を養っているか理解していない。

とはいえ万事うまくゆけば漁師は幸せである。一生懸命働くことを厭わなければ海からの恵みが与えられる。Pontianの海はマナガツオとサバで満ちている。Pontian沖で摂れる魚は新鮮で旨いと魚好きからは評判が良い。それは海底のミネラルが豊富だからだ。Pontianから西側の海底はほとんど砂だ。


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