「要素価格均等化の定理」 によって、日本の賃金は、アジア諸国並みにならざるを得ない。それでは、アジア諸国の賃金は、どのくらいなのでしょうか。それを示しているのが、次の表です ( ほかに、関連する資料として 「中国人研修・実習生の賃金例」 があります ) 。
小林良暢 『なぜ雇用格差はなくならないのか』 ( p.221 )
この表は、アジア各国の賃金事情として、本に掲載されていたものです。出所として、「筆者の聞き取り調査、天洋食品と開城工業団地は朝日新聞2008.9.1」 と記載されています。
また、韓国・中国・ペトナム・インドには、非正規雇用が多い、と記されています。
もともと、賃金面で価格競争力の強い国においても、非正規雇用が多い。とすれば、日本で非正規雇用が増加し続けるのは、「やむを得ない」 と考えざるを得ません。このことから考えても、「非正規雇用の人々を正社員化せよ」 という主張は、現実的ではないと思います ( 「「派遣禁止=正社員化」 路線の問題点」 参照 ) 。
日本では、労働者のの賃金は下落せざるを得ない。とはいえ、月給 1 万円程度にまで下がる可能性があるというのは、労働者にとっては、非常に厳しいものがあります。現在、月に数万円~十数万円程度稼いでいる 「ワーキングプア」 の人々は、「いまはまだ恵まれている。本番はこれから」 ということになるでしょう。
それではどうすればよいのか。それを考えています。
小林良暢 『なぜ雇用格差はなくならないのか』 ( p.221 )
国 | 業種など | 聞き取り賃金 | 時給/円 | 月額換算/円 |
中国 | 電子機器 | 大連600元/月 | 58 | 8,400 |
〃 | 〃 | 天津740元/月 | 67 | 10,360 |
〃 | 天洋食品 | 800元/月 | 77 | 12,000 |
ペトナム | 自動車組立 | ハノイ110万ドン/月 | 63 | 7,500 |
インド | 地下鉄工事現場 | デリー2900ルピー/月 | 46 | 7,000 |
〃 | 道路工事現場 | 同100ルピー/日 | 31 | 5,000 |
北朝鮮 | 開城工業団地 | 5000円/月 | 32 | 5,000 |
この表は、アジア各国の賃金事情として、本に掲載されていたものです。出所として、「筆者の聞き取り調査、天洋食品と開城工業団地は朝日新聞2008.9.1」 と記載されています。
また、韓国・中国・ペトナム・インドには、非正規雇用が多い、と記されています。
もともと、賃金面で価格競争力の強い国においても、非正規雇用が多い。とすれば、日本で非正規雇用が増加し続けるのは、「やむを得ない」 と考えざるを得ません。このことから考えても、「非正規雇用の人々を正社員化せよ」 という主張は、現実的ではないと思います ( 「「派遣禁止=正社員化」 路線の問題点」 参照 ) 。
日本では、労働者のの賃金は下落せざるを得ない。とはいえ、月給 1 万円程度にまで下がる可能性があるというのは、労働者にとっては、非常に厳しいものがあります。現在、月に数万円~十数万円程度稼いでいる 「ワーキングプア」 の人々は、「いまはまだ恵まれている。本番はこれから」 ということになるでしょう。
それではどうすればよいのか。それを考えています。