トコロカワレバ

毎日は些細な驚きで溢れてる

赤・青

2006-11-28 | Parisの街角で




細い夜道を歩いていると、歩行者用信号が赤だった。
でも、その赤信号は
なんだか「フンッ」って感じでえばっていて
ちょっと笑ってしまった。
せっかくなので、青の人の姿も見たいと
信号が変わるまでちゃんと待ってみた。

青の人は、
まるで赤の人に命令されて「へいへい」って
あまりやる気がおこらないけどちょっと急いで
なにかをしに向かっているみたいだ。

まるでかかあ天下の連れ添った夫婦みたい。
もしかしらた、、、
「水曜日は燃えるゴミの日、あなたの役目って決まってるでしょ!
早くしないと収集車が来ちゃうじゃない」
「へいへい」

なーんて。


そんな事を思ってから
信号機がえらく気になりはじめた。








それにしても、この街には何でこんなに歩行者用信号機のバリエーションがあるんだろう。


こういう物って、国が一つの工場に委託して作っているんじゃないんだろうか。
北の工場に依頼するのと南の工場に依頼するのでデザインが変わるのだろうか。
それとも同じ工場でもその時の工場の人や職人さんの好みによって、形が色々変わるんだろうか。
「赤はとにかくわかりやすい方がいいよな」
「でも、信号無視が多いから赤は逆らえない雰囲気が漂っている物をちょっと作ってみようか」
とかとか。




この街では、規格がきっちり決められているはずの信号機でさえ
それぞれ個性を持っているのはなんでだろう。
もしかすると、きちっと決めても知らないところで
人の思惑が入ってしまうのかもしれない。
色々な国から来た色々な考え方をする人が住み着いている場所だから
例えば「赤信号の赤色を想像してください」と言ったところで
もしかしたら信号なんてない街に生まれた人だっているかもしれないし。

そんな私も、青信号の事をフランス語で言う時、どうしても
「feu bleu」(フ・ブル=青信号)と言ってしまう。

あってる?
いや、本当は「feu vert」(フ・ヴェール=緑信号)と言わなくてはいけないのに。
確かに青信号の色は緑色でした。


けれども不思議なのは
規格がどこかしら不規格な街なのに
街全体を見回すとその細かなゴチャゴチャはもの凄い統一感をもっている。
これが、まさにこの街らしさなんだろうね。






ガラガラ

2006-11-12 | 日々のつれづれ、、、





その日、私は帰って来てすぐに洗面所へ向かい
喉の奥にいるばい菌をはき出そうと
ガラガラ~と調子よくうがいをしていた。

「ガラガラガラガラ~」
「ぺっ」と水をはき出して
もう一度水を口に含もうと顔を上げた時
鏡越しに、背後に立っていたVと目があった。
Vは大きく両方の眉毛をあげて、驚きと笑みがミックスされた顔をして叫んだ。
「Qu'est ce que tu fais?!! (何してるの?!!)」


ここで、私は久々に、もの凄い異文化に遭遇したのだった。

なんと、Vは生まれて初めて声帯をふるわせてうがいをする「ガラガラペッ」を目にしたというのだ!

「え!幼稚園とかで習わなかった?友達とか家族とかやってなかった?」
「しらない。幼稚園では今は分からないけど、ボクの小さい頃は習わなかった」

もう一度やって見せろと言うので、やや高めの音域でガラガラをしてみせると
Vは好奇心からガラガラしている最中の私の口の中を真上から覗き込んだので
当然わたしは吹き出した。。。


、、、少し落ち着いた後
Vにコップを差し出し私は言った。
「はい。喉の奥でガーって言いながら上向いてうがいするだけだよ」

ところが!
なんとできない!!
ものすごいへたくそ!
私は生まれて初めて、ガラガラが出来ない大人を目撃した。


フランス語を習いたての頃は良く、フランス語のRの発音をするのに「うがいをする様に」との説明を受けた。
なのに、そのフランス人がガラガラが出来ないなんて!

あぁガラガラペッを知らないなんて。
いや、異文化って本当に色々なところで驚かしてくれるものだ。