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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

ハリルホジッチ

2015-04-12 15:30:38 | スマホ

日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は元監督のイビチャ・オシムのように日本サッカーに考えるサッカーをもたらしてくれるような気がしてきた。就任まで、ぼくは彼のことを知らなかったけど、パスサッカー、ボール支配率に拘って、負けては「自分たちのサッカー・・・」を口にする日本人選手たちにうんざりしていた。

パスサッカーはフィジカルに弱い日本人には有利だという理論はわからないではないけど、フィジカルを強化すればいいだけの話で、ある意味で逃げの理論だったと思う。背は高くならないけど、タックルされても、球際で体を押し付けられても倒れない体はある程度までトレーニング次第で何とかなるものだ。かつてラグビーもフィジカルな弱さをカバーするために、非接触の戦術に走ったけど、エディ・ジョーンズ就任以来、その考えは基本的に否定されて世界ランク9位まで上がってきた。フィジカルな弱さは勝てない原因の一つであることは今も変わらないけど、弱点は避けて通るのではなく、まずそれを直視して強化していくように考えないと上がっていけないという考えの必要性を証明したように思った。

スペイン代表やFCバルセロナが全盛を誇った時代は、スペイン人はフィジカルに弱いのでロングパスを避けて、グラウンダーを多くしながら敵陣を切り裂いていくという理論だったけど、その「フィジカル」は背の高さだけの話で、さらには、そうしたパスの技術や戦術理解力に優れたが選手が多く育っていたからだ。

さらには、戦術はどのスポーツでも10年で更新される。インターネットや映像ファイルのやり取りがめちゃ簡単になった時代ではその期間はどんどん短くなりつつある。ブラジルのW杯でスペインがあっけなく敗れて、ドイツやオランダが圧倒的な強さを見せたのは、パスサッカーがピッチの中でも外でも研究しつくされていたからだろう。

縦に攻めるというハリルホジッチが日本に導入しようとしている基本戦術は、今までの日本代表にいなかったタイプの選手を発掘していく作業が必要になると思うけど、次のW杯で好結果を出すために長い目で見ていく必要があると思う。今までの日本代表監督で一番働き蜂だとのことだけど、旧ユーゴスラビアでの悲惨な戦争を体験している彼は、平和な環境で仕事ができることのありがたさをよくわかっているからだ。

かつて日本人選手はJリーグでスターとなるとそれでモチベーションを失っていた。練習もそこそこになって、海外のトップリーグの強さを謙虚に研究しようといった選手はほとんどいなかった。海外のビッグクラブに移籍できた選手も、往々にしてチームでの自分の役割を見失っていたり、周囲の目、とくに日本のマスコミの視線を過剰に意識し始めるようなところがあって、移籍した時点で終わっている感じがなくもなかった。ぜひホリルホジッチにはそうした選手の目を覚まさせるような起用を期待したい。



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