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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

マズローの欲求階層説

2010-12-10 19:58:14 | 日記
自分は何で走ろうとするのか、考えてみた。で、ふと頭に浮かんだのはマズローの承認欲求のこと。

マズローは、人間は最も高次な欲求である自己実現に向かって絶えず成長していく存在だという考えを呈示した。そしてその階層は最も低次のものから最も高次なものまで次のように5段階に分け、①を一次的欲求、②から⑤を二次的欲求とし、一方で、①から④を欠乏欲求、⑤を成長欲求と分類し、欲求諸段階の本質的な違いを指摘した。

①生理的欲求
②安全の欲求、安定の欲求
③愛情の欲求、所属の欲求
④承認の欲求、自尊の欲求
⑤自己実現の欲求

で、これを自分に当てはめてみた。ぼくが20年以上走り続けてきたマラソンを例にとると、動因(欲求)は「所属」と「承認」だろう。マラソンを走る人たちの集団への所属(帰属)と、頑張ってマラソンを走る人としての承認だ。で、いい年こいてこの辺の動因に強く突き動かされているというのは、マーシャの同一性地位を援用して考えてみると、ぼくがずっと同一性拡散の状態にあったか、好意的にみても同一性の危機を迎え、同一性の再構築に直面しているからに他ならない。

かつて『暗殺者のメロディー』という映画があった。メキシコに亡命したトロツキー(映画ではリチャード・バートン)を、スターリンが差し向けた刺客(映画ではアラン・ドロン)が暗殺する映画だ。最後、刺客は警察の取調室で黙秘権を行使するが、苛々する警察官から「What are you?」と問われ、「I killed Trotsky」と答える。とりあえず名前(偽名だとしても)はわかっても、一体どこからきた何者なのか、警察はその背後を知りたがった。でも彼は、自分を「トロツキーを殺した男」だとだけ表現した。

「What are you?」と問われ、迷いなく一言で答えられる人間はどのくらいいるのだろうか。

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