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給食 過剰な“完食指導”

2019-06-09 07:00:00 | 報道/ニュース

5月22日 おはよう日本


高知県の20代の女子大学生。
小学2年生の給食の時
担任の教員から残したチーズを完食するよう強要されたことがある。
(女子大学生)
「無理やり口にまで運ばれてそれで吐いてしまって。
 すごい怖かったし
 給食というものに対する恐怖みたいなものを植え付けられた。」
幼い頃から小食で食べるのに時間がかかったという女性。
完食を強要されてからは朝起きられなくなったり吐き気がしたりして保健室に通う日々が続いた。
さらに中学生になってからも完食するまで1人教室に残るよう指導された女性。
以来 食べ物を残すと責められる気がして
友人と食事をすることすら怖くなり
いまもいまも苦しみが続いているという。
(女子大学生)
「不安がすごくて食べられなかったら何か言われるんじゃないか。
 これ一生続くのかなと思って
 どうにかならないかな。」
給食での完食指導がきっかけで心と体の調子を崩し病院に助けを求めるケースもある。
心身症が専門の小児科医 中津医師のもとにはそうした子どもの受診が後を絶たない。
そのカルテには
「食欲低下」
「登校していない」
「給食を恐れて発熱が続いた」
日常生活を送れないほど追い詰められた子どもたちの悲痛な訴えが書き込まれている。
(徳島赤十字 ひのみね総合療育センター 中津医師)
「食べ物を無理やり口に押し込んで食べさせる
 そういう指導が一番多い。
 何でも残さず食べられる子にしてあげたい
 こういう思いは間違ってはいないんですけど
 その方法論が非常に乱暴で結果的に子どもを傷つけている。」
どうすれば給食のときより良い指導ができるのか。
食育に力を入れている徳島県三好市の辻小学校では
楽しく完食することを目標に取り組みを続けている。
その1つが子どもたちの特性に応じた指導である。
教員が子どもの食べられる量を見極めながら1人1人盛り付ける量を調整する。
最初は無理のない量にして食べる喜びを感じてもらい
徐々に量を増やしていけるよう導いていく。
(担任の教員)
「この子だったらこれぐらいは食べられるかなというのを
 なんとなく毎日一緒に食べていたらわかるので
 ちょっとずつ食べられるように。」
もう1つの取り組みは食べる意欲を上げる環境づくりである。
給食の開始から10分間はオルゴールの音楽が流れ
この間はおしゃべりせずに食べることに集中する決まりである。
音楽が終わるとはじけるように会話が飛び交う。
(食育担当の教員)
「音楽を導入する前は
 非常に子どもたちはおしゃべりに夢中になって食べるのに時間がかかってしまっていて
 食べる時と会話を楽しむ時間にメリハリをつけたいと思って。」
小食気味だったり苦手な食べ物があったりする場合は
その子どものペースで食べられるよう見守る。
「がんばって あとちょっとだね。
 味わって食べてね。」
「はい がんばりました。」
こうした取り組みを2年前から続けた結果
ほとんどの子どもが給食を完食できるようになったという。
(生徒)
「みんなで一緒に食べられるから楽しい。
 食べ残しはしていません。」
「いまは時間内に食べられるようになりました。
 先生の励ましはすごいうれしくて
 もっと頑張れる気がした。」
(三好市立辻小学校 校長)
「食の楽しさを与えるというのが食育の基本。
 生涯を通じて食というのは生きる力の源になりますから大事な事。
 子どもが食べたい気になって食べると
 われわれはその気にさせることが最も大事と思う。」




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