10月23日 おはよう日本
外国人旅行者のいわゆる「爆買い」で好調なデパート業界だが
ネット通販や専門店の攻勢に危機感を抱いている。
一部のデパートは自ら商品を作る自社生産に乗り出した。
大手デパートの婦人靴売り場。
来年から自社で生産した靴の販売に乗り出す。
きっかけは客から寄せられた厳しい声だった。
(デパートを訪れた客)
「自分のサイズがないことはよくある。
面倒くさいと思う。」
婦人靴は品切れが特に起きやすいと言う。
季節ごとに商品が変わりサイズや色の種類も多いためである。
通常 靴の仕入れは年に数回まとまった量で納められるので
商品を素早く補充することは困難だと言う。
(そごう・西武 斎藤麻美バイヤー)
「店頭にお越しいただいたお客様にサイズがそろっていなかったことで
ご購入いただけなかった事例を聞き危機感を覚えた。」
デパートの担当者が訪れたのは皮を扱う問屋。
品質の良い皮を安定して手に入れるためである。
靴の生産はデパート自ら向上に委託。
売れ行きに合わせ機動的に追加生産できる体制を目指している。
客の要望を取り入れて完成した試作品。
「内側の見えないところにゴムを少し入れ
足を入れるとき履き心地がよくなっている。」
さらに改良を重ね来年2月に売り出す計画である。
一方 新宿のデパートは婦人服を自ら生産し
品ぞろえに特徴を持たせようとしている。
50代を中心に比較的年齢層の高い女性に人気のこの店
去年2月 婦人服のブランドを起ち上げた。
多くの衣料品メーカーは売れ残りのリスクを避けようと
ベージュやグレー
黒といった無難な色を作る傾向があると言う。
しかし売り場を訪れた客は現職など派手目の服を求める人も多く
自社で生産することにした。
その一つの光沢のある青い素材のカーディガンは一番の売れ筋だと言う。
商品の種類も増やし一般的なメーカーの4倍近い新作を投入。
売れ残りのリスクを抱えることになるが
常に新しい商品を並べ
店を訪れる楽しさを提供し常連客を増やす戦略である。
(デパートを訪れた客)
「色合いがきれいなので
年を取ってくると明るい色若々しい服を着たくなるので見ている。」
「今日来ている服は全部こちらの服。
着やすさ色の感じも好きなものが多い。」
(京王百貨店 関陽一郎マネージャー)
「中長期的に百貨店という業態は縮小していくのではとの危機感の中で
あえてリスクを取ってでも色や柄を挑戦していこうというのがブランドの狙い。」
販売のプロたちによるモノづくりの挑戦が消費者のニーズを掘り起こせるか
注目される。