Drマサ非公認ブログ

はじめて入院した21

 一般病棟に移動したのは夜であった。それゆえ、部屋から外の様子はいまいちわからなかった。なんとなくいくつかマンションが並んでいることがわかった程度である。

 朝6時起床の時間である。看護師がやってきて、カーテンをおもむろに開ける。ちょうど窓際のベッドであったのだが、朝日がサッと入ってくる。窓からは外の光景が広がっている。ACCUは閉ざされていたが、ここでは窓を開けるだけで、外界へと開かれるようだ。

 いくつかのマンションが立ち並び、そこに人が生活しているという匂いがする。私が勝手にそう解釈しているだけだが、いい気分だ。そもそも窓が大きい。

 しかしながら、7時になると採血しにくる。それは変わらない。この時点で、点滴は1種類に減っていたと記憶している。また鼻から酸素を入れたり、ホルター心電図の装置を胸に終始つけていたりするということは終了していた。また24時間つけていた酸素の取り入れを測定するパルスオキシメーターも外された。

 一般病棟では24時間装置をつけっぱなしにしてデータを取るのではなく、看護師が定期的に血圧、サチュレーションなどを測定する。ここが異なる部分である。この時点では採血と胸のレントゲンは毎日である。

 正直に言うと、毎日の採血とレントゲンは必要なのかと疑問に思っていた。1日おきにするとか、間隔を開ければいいと思っていた。どちらにしてもデータを摂って、以前の状況と比較したり、通常正常値とされる値と比較検討すればいいはずである。

 急性期を超えたわけだから、2日に1回、あるいは3日に1回でも、十分にそのデータの解釈は可能である。病状は安定し、いい方向に向かっているのであって、毎日毎日摂るべきデータかどうかという判断が必要である。実際に心電図は取らなくなってなっていた。どうも、少しでも変化があって、それを見逃してはいけないというリスク意識から漫然と行っているのではないかと疑っていた。

 今回の入院では、病院の言うことは聞くと決めていたので、疑問を持ちながらも文句を言わないでいたのだが、このような過剰な検査を行っているのが現状の日本の医療なのではないだろうか。これは陰謀論ではない。私たちの文化的志向が過剰医療を生み出すのではないかと、入院を経験して考えさせられたわけだ。

 3週間入院して医療費はなんと約140万円かかった。これは健康保険の3割負担での金額である。ということは、実際の医療費は140×10÷3=約460万円である。そりゃ、医療費は高い。 

 本当に払った金額は健康保険の限度額認定を適応しているので異なる。限度額は月8万円程度だから、月をまたがった入院であったので、2ヶ月分で16万円程度であったと思う。健康保険のおかげで自己負担は小さくて済んだのだが、年間40万円以上健康保険料を払っているのだから、10年程度分になったわけだ。

 無駄な検査が医療費を上げているということは事実としてあるのだろう。

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