わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

窯焚き一生9(窯焚きの問題点7)

2011-07-07 22:04:42 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
引き続き、窯焚き一生の話を、続けます。

6) 少ない燃料と、短い時間で、窯を焚く

 ⑥ 焼成の調整について。 酸化、還元、中性焼成にするには、幾つかの調整が、必要です。

  ) ガス供給量の調整

   f) バーナーの点火順序

    バーナーが複数個存在する場合、どの様な順序で、点火するかによっても、温度上昇速度が、

    変化します。バーナーが6本ある私の窯にでは、右奥、左手前、右手前、左奥、右中、左中の

    順で、点火するのが、良い様です。即ち、隣合わせではなく、なるたけ遠くにあるバーナーに

    点火します。こうする事により、窯中の熱分布を、なるたけ平均化します。

    ・ 以上は、私の窯の場合で、皆様は、ご自分なりの、方法を見出していると思います。

    ・ 強制燃焼方式では、バーナーと送風機(ブロアー)が、各1個づつしか有りません。

      それ故、ガスの供給量と、送風量の調整は、微妙に調整する必要があります。

  ) 煙突の引きの調整

    酸化、還元焼成など、目的の焼成をするには、供給する空気の量と、ガス供給量の調整も

    大切ですが、一番良い方法は、煙突の引きの調整です。

   ・ 引きの強さは、煙突の高さ、煙突の内径(断面積)も大いに関係しますが、これは設備の問題

     ですので、窯を改良しないと、調整できませんので、ここでは、触れません。   

   a) 引きを強くすると、空気の流入量が増えます。即ち酸化焼成に傾き、場合によっては、

     ガスの供給量を増やさずに、温度を上昇させる事が、出来ます。

     特に窯の中で、不完全燃焼気味の場合、燃料がよく燃える様になり、温度が急激に上昇に転じる

     事も、稀ではありません。

   b) 煙突の引きの調整は、煙突の真下にある、通称「馬鹿穴」によって、調整します。

    この穴は、数個のレンガで、完全に塞ぐ事が出来ます。このレンガを部分的に取り除いたり、

    穴に差し込む事により、穴を塞ぐ面積を調整します。

    穴の面積は、温度上昇に微妙に変化を与えます。それ故、常に温度上昇の状態を把握しながら、

    調整する必要があります。

   c) 目標の温度まで、到達したら、一定温度を保持する、「寝らし」作業に入ります。

    この場合も、穴の面積を返る事により、温度上昇も下降せずに、一定に温度を保つ事が出来ます。

   d) 窯を焚いていると、温度上昇がストップする事も、あります。

     ガス圧を上げても、空気量を変えても、ほとんど効果が無い場合には、馬鹿穴の開放面積を、

     調整すつと、意外と有効な場合が多いです。

  ) ダンパーについて

     煙突の引きを調整す装置に、煙突の途中に真横からレンガ等を、挿入し、煙突の排気量を

     増減調節する部分、ダンパーがあります。ダンパーを差し込むと、還元になり、引き出すと、

     酸化焼成に成ります。但し、上記「馬鹿穴」ほど効果的に、調整する事は、難しい様です。

  ) 各種調整した記録は、必ず残します。

     調整した結果が、吉に出るとは限りません。それ故、元の状態に戻せる様に、記録を残します。

 ⑦ 窯を冷やすのも、窯焚きの内   

  以下次回に続きます。
 

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