わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

5 反射と乱反射

2019-02-11 21:57:44 | 色と陶芸
焼き物の表面からの反射光によって、色の表情も大きく異なります。

一般には光沢釉と非光沢(マット)釉と呼ばれる状態です。尚その中間に半艶消し釉もありま

す。施釉された焼き物の表面は、ガラス質で覆われています。特別釉を厚くする青磁釉などを

除く釉の厚みは1mm以下が多いです。

滑らかに熔けた釉では反射は、ガラスの表面、ガラスの中間、及び素地とガラスの界面で起こ

ります。この反射は主に表面のみに起こる場合と、表面と中間で起きる場合、及び境界面を含

めて全ての場所で起こる事もあります。反射光同士は、お互いに干渉し合い、複雑な光と成る

場合もあります。ガラス層の中間には、釉から析出した金属類の結晶や、気泡などが含まれる

釉もあり、その面で反射もします。

1) 艶釉、一般的な釉(光沢釉)。

 一般的な釉は、光沢のある物が多く、マット系の場合は〇〇マットと名前が付けられている

 場合が多いです。

 ① 艶釉や光沢釉の場合、釉は高温で完全に熔けた状態でガラス化し、冷却により固まっ

  た物です。即ち釉の表面が均一に熔け、素地に密着して平滑に成り反射しています。

  又、表面に曇りもない無い状態にも成っています。

  尚、釉のガラスと一般的なガラス(ビンやグラス類)とは、若干性質が異なります。

 ② 光沢釉は、透明釉だけで無く、結晶釉でも乳白(濁)釉でも起こります。

  結晶や気泡などが内部にとじ込まった状態でも、器の表面が平滑であれば、光沢が出ます

  又、釉の中に存在する物質からも光の反射が起こり光沢釉に成ります。

 ③ 艶釉は、特に光沢のある釉で、艶黒釉が代表的な釉で市販されています。

  一般的な光沢釉よりも、表面より強く反射します。光沢を強くするには硼酸(ホウサン)

  や硼砂などを少量添加すれば良い様です。

2) 半艶釉、艶消釉(マット釉)。

  器の表面が平滑でなく、荒れていたりするとマット釉になります。表面が平滑でないと光

  は乱反射し艶消しとなります。表面の荒れ具合によって、艶消し半艶消しとなります。

  又、釉の中間に結晶や分相がある場合、その部分で乱反射し艶消しとなる場合があります

   注:分相とは、性質の異なるガラスが、水と油の様に混ざり合わずに、存在している

   状態です。

  ① 表面が平滑でない場合は釉の成分による物と、釉の熔け不足の場合や熔け過ぎがあり

   ます。熔け過ぎでは、表面から釉が流れ出したり、釉や素地から気泡などが発生し、

   表面に痘痕(あばた)を作り、凹凸の影響で乱反射を起こすからです。

   a)アルミナ(Al2O3)成分が多い程、更にシリカ(SiO2)成分が少ない程い、十分に熔

    けていても、艶消し(半艶消)釉になります。これはSio2ーAl2O3性状図からも読み

    取れます。手持ちの粘土を混入させても、マット釉を作る事ができます。

   b)釉が十分に熔け切っていない場合、ガラス質は中途半端な状態になり、表面に細か

    凹凸がありザラ付き、光が乱反射します。 更に、熔け不足が部分的な場合、一つの

    作品でも光沢のある面と、光沢の無い面とが同時に存在する事もあります。 

3) 釉の色は焼成時間が長い程、趣のある色合いになります。

 基本的には、釉が完全に熔ければ良いのですが、短時間で熔かした釉は「テカッテ」いる感

 じで、陶芸の世界では、余り良しとしない風潮があります。

 それ故、長時間かけて焼成し、趣のある色艶に仕上げる事が行われています。

4) 同じ釉でも電気窯、ガス窯、薪窯では焼き上がりの色や光沢に違いがあります。


以下次回に続きます。
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