わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

粘土の種類と特徴(益子焼、笠間焼)

2009-09-15 21:39:08 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

5) 益子焼(ましこやき)

 栃木県芳賀郡、益子町周辺を産地とする、陶器の焼き物です。

 近隣の笠間焼を「ルーツ」に持ち、江戸時代より、日用雑器を作っていました。

 当初は水がめ・火鉢・壺などの、日用品が主に製作されていたが、1927年より、濱田庄司によって、

 花器・茶器などの民芸品が、作られるようになり、「民芸」の言葉と伴に、益子焼は、

 日本全国に知られる、焼き物になりました。

  ・ 「民芸」とは

  柳宗悦を中心に、濱田庄司、河井寛次郎らが、、当時の美術界では、ほとんど無視されていた、

  日本各地の、日常雑器、日用品など、無名の工人による、民衆的工芸品の中に、真の美を見出し、

  これを世に広く紹介する活動です。

 現在では、大勢の陶工が、窯を構え、従来の益子焼とは、異なる作品も、多く作られています。

 (又、横川駅の駅弁で、「峠の釜飯」の器としても、有名です。)

 益子焼は、石材粉や古鉄粉を釉薬にし、犬毛筆で色づけを行う為、重厚な色合いと「ぼってり」

 とした 、肌触りに特徴が有ります。

・ 益子の土

 益子の土は、砂気と鉄分が多く、赤土で、「粘り」が少なく、耐火度も弱い為、やや厚手に作ります。

 それ故、重く、割れ易い性質が有ります。 粘土としては、必ずしも良い土とは、言えません。

 現在100%の益子の土を、使う人は、少なく、他の土をブレンドして、使っている方が、ほとんどです。

 (栃木県産の、新福寺粘土などの荒い陶土に、木節粘土を加えた土が、多いそうです。)

 
6) 笠間焼(茨城県笠間市)

 益子の近隣(山を一つ越えた所)に、笠間焼の陶器の産地があります。

 江戸時代から続く「笠間焼」は、関東随一の歴史と、伝統に生きる焼き物です。

  江戸時代、笠間藩主・牧野貞喜の保護政策もあり、大量の陶器が、江戸などの大都市に出荷される、

 一大窯場でした。笠間稲荷神社の、参拝みやげなど、当時から全国で人気を博し、

 現在では欧米にも、輸出されています。

・ 笠間の土

 鉄分を多く含んだ、赤褐色の土は、可塑性にすぐれている為、ろくろによる成形技術が発達しました。

 昔は水がめ、茶壺、すり鉢、湯たんぽ、徳利などの日用雑器が、作られていたが、

 その後、笠間粘土の風合いを生かした花器、茶器など、芸術性の高い作品も作られる様になりました。

 笠間の土は、粒子が細かく、ねばりがあって、焼き上がりの収縮率が高いと、言われています。

 出来上がった作品は硬く、日常雑器として理想的な丈夫さがあります。

益子焼 笠間焼

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