台灣媽祖日記

海の女神・媽祖などの研究調査のための台湾滞在記 日本の媽祖・天妃信仰も紹介

大天后宮的龍目井 〔媽祖和井戸物語1〕

2005-03-07 | 媽祖と研究
この大天后宮の北側の観音殿の前に「龍目井」と呼ばれる古井戸があります。

傍らに立っている由緒札によれば「この井戸は南明の永暦18年(西暦1664年)に、寧靖王府の井戸として掘られた。もとは二つの汲み口があったので「龍目井」という。現在に至るまで300年余り、水は枯れたことがなく、水質は清徹で夏は冷たく冬は暖かい」 とのことです。

南明(鄭氏政権)時代はここは海岸に面した港でしたが、海に面していればどこでも港になったわけではありません。港の成立条件に航海の必須な水の存在があります。しかも井戸があればどこでもいいわけではありません。良港とよばれる港には必ず、塩からくなく腐りにくい名水・名泉があるものす。

この井戸ももしかしたら寧靖王府創建以前から、港の名水として船乗りたちに知られていたのかもしれません。隣にあるオランダ人のプロビンシャ城にも有名な井戸があることからすると、この一帯はもともと良い水の得られる場所だったから、寧靖王府がつくられたのかもしれません。

由緒札は続けて次のようなエピソードを紹介しています。「民国54年(西暦1965年)に井戸の水が突然涸れたことがあった。このとき三媽の鳳冠の珠璃が三日間揺れ動いたので、占いで聖意を仰いだ結果、井戸を浚うことになった。浚うとまた水が途切れることなく湧き出した。これを見て賞賛しない者は無く、奇瑞と称して争って聖水をもとめ、或いは薬を溶くのに利用した」。

小生は媽祖と井戸は関わりが深いと考えていますが、その話はおいおい開陳することにしましょう。明日はまた鹿港という古い港にいくのでブログはお休みです。