台灣媽祖日記

海の女神・媽祖などの研究調査のための台湾滞在記 日本の媽祖・天妃信仰も紹介

台南 媽祖楼 《台湾媽祖史8》

2005-02-22 | 媽祖と研究
乾隆年間(18世紀後半)の台湾地図。紅毛樓の右の媽祖宮(大天后宮)とは別に、水門近くに「媽祖耬」がみえます。1752年の「府城図」にも載っているので18世紀前半の創設と考えられます。今もありますが古い媽祖像はないようです。でも次のような興味深い伝承が残っています。

ある商人が湄洲島媽祖廟から持ち帰った香火を船廠(造船所)の楼閣に灯した。商人が去った後もその火は消えることなく光をはなち続け、入港する船が大いに助かったので、その霊験に感じた里民がここに媽祖を祀る廟を建立したのが起こりである。

現在も宮や廟ではなく樓と呼ばれているのは、このような灯台の機能があったことと関係するのかもしれません。媽祖が霊火をともして船をたすける話や、港の近くの媽祖廟(日本では天妃神社)が灯台の役目をはたした例は、中国にも日本にもあります。