ツバメの一番の天敵と言われてきたハシブトカラスがこのあたりの縄張りから姿を消し、周囲にハシボソカラスの縄張りが増えはじめてからのこの五年間、ツバメたちにとっては最高の子育て環境になっていき、年々目に見えて減少していく中でこのエリアだけは子育てに帰って来るツバメたちが増え続けていた。ツバメだけではなくセキレイ、キセキレイたちも増えていった。一昨年まではコーポもホテルも天敵による被害は皆無だった・・・みんな安心して伸び伸びと子育てをしていた・・・
「あいつら」がツバメの巣を襲い始めたのは去年からだった。ホテルで一か所、コーポで二か所、それでもテグスと巣の目隠しボードを取り付けた後は襲われることなく結果、ホテルの九巣 コーポの九巣が無事に巣立った。
そして今年・・・・嫌な予感は当たってしまう。「あいつら」は完全に襲撃のターゲットをツバメに絞り込んで、学習をして、恐ろしく兇暴な残酷な行動をとり始めた・・・
「あいつら」・・・それは 「モズ」だ。
全国的に減少していると言われているモズ。ところが白馬では一昨年あたりからモズが増え始めているのだ。今年は異常な増え方だった。歩くところ歩くところそこいら中でモズのあの鳴き声が春先から聞かれていた。鳥にさほど興味のない地元の人たちさえもが「今年はモズがすごいねぇ」と・・・なぜこんなにモズが白馬で異常に増えているのかはわからない・・当然繁殖期に入り「縄張り」をそれぞれが確保する。後になって調べてわかったのは・・・コーポとホテルの周囲五十メートル内だけでなんと五組のモズが子育てをしていた。これはかなり異常なことだ。モズ同志も狭い限られた縄張りでそれぞれにバッティングする。一昨年は一組。そして去年は二組のモズだけだった。今年はこの五組のモズたちにホテルとコーポのツバメたちは完全に囲まれる形での子育て開始となっていたわけだった。
六月に入った途端、モズの襲撃は一気に始まった。
ホテルでは十二組の巣のうち、七か所がやられてしまった・・・うち、五か所で巣の中や巣の淵で夜を過ごしていたメスツバメが早朝、あいつらの餌食となってしまった。我家「つばめコーポ」でも三羽のメスツバメと一羽のオスツバメがやはり早朝、日の出前にあいつらに襲われてしまった・・・共通して巣の下にはむしり取られたツバメたちの羽と飛び散った血が無残に散らばっている・・・どんなにむごたらしい光景か・・
羽をかき集めては「ごめんね。ごめんね・・」とあやまりながらツバメのお墓に埋める日々・・・心の中ではわんわん泣いているのに、あまりにも続いて悲しすぎると涙も出てこなくなる。はらわたの煮えくりかえる思いを通り越して、本音を書けば 「われぶっ殺したろか」・・・・あいつらの姿を見て何度も思ってしまった・・・自然界の中での弱肉強食、どの鳥たちも子育てに必至、生きるのに必死。わかってはいても納得しようとしていても・・・日々感情を抑えられなかった私は情けないただのエゴの塊おばさんだ。・・・心底あいつらを「許せない」思った・・・
去年使ったテグスはもう通用しなかった。これ以上犠牲者は絶対に出したくない。親ツバメたちには出入りしずらくて子育てをしにくかったかも知れないが、巣のまわりを大々的にネットで覆い隠すしか他にあいつの侵入を防ぐ方法はもうなかった。
さすがの「あいつら」もこれでお手上げになった。ツバメたちでさえ出入り不自由なこの巣を、ホバリングが出来ない、瞬発力で一気に巣をめがけて襲う「あいつら」にはもう真下に来てネットをよじ登るしかない。でもそうやってモタモタしている間に必ずツバメ仲間たちに見つかり大騒ぎになり、襲撃し損ねる。「あいつら」はツバメたちが見ていない一瞬の隙を狙って巣を襲うから。
「あいつら」は考えた。日の出とともに見張りをしていた私に対して時間を早めてまだ薄暗い日の出前にやって来るようになり今度はネットの外の窓枠で眠っているツバメを襲い始めた・・・恐るべし執念だ。最後の被害者となったのが、本宅玄関で二年目の子育てをしていた「ヘンくん」の奥さんだった。去年と同じペアだった。やたらにヒステリックに騒ぎ立てる奥さんだったので去年と同じ子だとわかった。四羽を巣立たせたその日の夜だった。子供たちを巣に戻し、玄関横の小窓の上で眠りについていた。薄暗い中で子供たちはきっとお母さんが「あいつら」に襲われたところを一部始終見ていたのだろうね・・・・それからの私は今までの四時起きから三十分早い三時半には外へ出て見張りをした。・・・正直今年は・・体力の限界を超えた・・・ほんとに・・精神的にも体力的にも壊れそうだった・・・「あいつら」のために・・・
巣の淵が少しだけ欠けていて、そこのツバメたちがいつの間にかいなくなっていたら・・・巣の下に散乱しているツバメの羽を見つけたら・・・
それはほぼ間違いなく「あいつら モズ」の仕業と思ってください。「あいつら」は一度狙った巣はとことん襲い続けます・・・・そして、一番の天敵と言われる「ハシブトカラス」よりもずっとタチが悪いということ・・・
カラスはテグスだけでも襲撃を塞ぐことができるけれど、体の小さい「あいつら」はテグスをくぐりぬけるから・・・そして何よりもカラスが襲うのは巣の中の卵と雛たち。だから二度目の子育てチャンスは残っている。でも、「あいつら」は・・・巣の中でヒナや卵を温めているメスツバメを襲う・・・そう・・メスツバメを襲われた番いは新しいパートナーを探さない限りその年にもう子育ては出来なくなるということ・・・ホテルもコーポもメスツバメを亡くしてしまったオスツバメたちだらけになってしまった今年・・・
「掟破りのモズ」
モズ対策として、この秋にコーポの屋根下にパネルを貼り付けて外から巣が見えないように、さらにパネルの内側に巣台を取り付けていこうと思っている。ホテルのほうも来春前に可能な場所には外側にパネルを取り付けようということになった。どこまで防げるかはわからない。でも・・・今年守ってあげられなかった八羽のメスツバメ、一羽のオスツバメ、十一羽の雛たちのためにも・・・どんなことをしてももう来年は「あいつら」には一羽たりとも襲わせない・・・・
ごめんね・・・みんな・・・守れなくて・・・安心して、信頼してここに来てくれたのに・・・こんな結果になって・・・ほんとにほんとにみんな・・・ごめんね・・・・
「掟破りのモズ」 ゆ・る・さ・な・い
・・・・「ぶっ殺したろか」 思っている中・・・五か所の中のひとつの巣では巣立ち間近のモズの雛たちが育っていた。・・・・雛の目はどの鳥もみんなみんなキラキラと輝いてピュアで・・・愛しい・・・
この子たちもやがては成鳥になった時、ツバメを襲うのだろうなぁと思うと・・・自然界の厳しさ 生き抜くための容赦ない食うか食われるかの戦いに・・・やりきれない思いがした。この画像を撮った三日後、この雛たちは巣立った。親が電柱の杭に突き刺したスズメの巣立ち雛を食いちぎっては雛のもとへ運んでいた・・・
野鳥の訪れが多いです。繁殖もしているようです。成長の声は風格があり、子どもの鳥の声は無邪気です。
沢山の鳥の声がやってきて、数日後(最近は1日遅れ、半日遅れ)に百舌鳥の声があり、カラスがやってくるという周期の繰り返しがあるのに気付きました。カラスが来るころには小鳥の声が聞こえません。どうやら、百舌鳥が原因のようです。
このあたりの百舌鳥は、爬虫類、魚には目をくれず、鳥狩りをするようです。しかも、必要以上の数を枝に刺し、カラスの餌を供給しているようです。 高い木の高い位置の枝を見上げて、茶色い成長(百舌鳥より大きい)、百舌鳥より小さい鳥、鼠が生きたまま右に左に揺れているのを何度も見ました。一度鳥狩りを覚えた百舌鳥のいる地域では、代々の百舌鳥が、昆虫には目もくれず鳥狩りをするのではないかしら。
藤沢周兵氏の「隠し剣」の一編「必死剣 鳥刺し」の鳥刺し」はたぶん百舌鳥刺しでは?お武家さんは百舌鳥嫌いだったのですね、たぶん。百舌鳥は俊敏なのでかなりの高技術ですね。
百舌鳥は小型鳥で俊敏なので、銃でねらい撃つのがむずかしいので、マタギの狩りの対象外です。畑の害鳥でもないので、百舌鳥をやっつける技を開発する業者もいないようです。大学所属の鳥観察者たちはただの観察だけで終わらず、地球の生き物を残すために、百舌鳥の退治法の開発までやってほしいですね。ただの観察で終わらず、何かを守るという視点があれば、文科省、環境省から大型予算がつくかもしれませんね。百舌鳥の観察者たちにアクセスする機会があれば、この点をお願いしたいと思います。
別件を少し・・・。
カッコウはカッコ良い鳥です。初夏に盛んに鳴いているのは、縄張り主張ではなく、幼鳥呼び(こっちにおいで)、かつ、年少の鳥の教育(鳴き声、羽のチェックor 身づくろい、その他、渡りの準備のための行動学習)のためにやっているようです。(鳥の観察研究者の中にはここまで見ない人もいるようです、残念ですね。)この時期のあと、それぞれ単独行動にはいるよううおです。お嫁さんのいない幼鳥がかわいく鳴いているだけで、成鳥の声が聞こえないです。
セグロセキセイたちも先生役の年長の鳥を見ながら、求愛ダンスの時の鳴き方、ステップ、ジャンプをパーツ(通しではなく部分部分で)練習しています。
Conclusion:百舌鳥は、自然の一部ではなく、自然の破壊者である。退治方法を誰か開発してください。宜しくお願いします。
茶畑さん、初めましてこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
観察日記では皆さんの日記も楽しみにしておりました。ヒナの餌の件では、交番ツバメさん?のサイトを参考にさせていただいたり、とにかく皆さんのお陰です。
今日も夕方にはママとヒナツバメが巣に帰ってきました。
昼間はママと一緒に餌取りの練習をしているのでしょうか。
嬉しいことに(本当はちょっと寂しい複雑な気持ちです)私の助けも必要なくなりました。
あとは、残ったコオロギをペットとして飼育して、ツバメさんたちを思い出しながらこれからの無事を祈りたいと思います
皆さんもお疲れ様でした。
そしてまた来年、日記を楽しみにしております。
ありがとうございました
中庭ツバメの茶畑です。初めまして…かな?
ヒナちゃんの巣立ち…感動しました。
ママツバメ、わが子のためにひとりでよく頑張りましたね。
でも、まちょーさんが給餌のお手伝いをしてくださったから…ママは本当に感謝していると思います。
ヒナちゃんは、渡りに向けてママと一緒にもうひと頑張り…
亡くなったチビちゃんや兄弟の分まで、元気一杯に大空を羽ばたけるようお祈りしています。
改めまして…まちょーさん、おめでとうございます。そして、お疲れ様でした。
バルコニーのヒナちゃん 無事巣立ちおめでとうございます。 たぶん日記で最後の巣立ちですよね~ どうなるか心配で 毎日覗き、母さんと夜はお帰りのようで ホッとしました~
南下ツバ達と合流できますね~ きっとごちそうさま~ またちょうだいね~と 言いに来たのかな・・・
白馬さんこれで ツバメ達も南下ですね~
本当に今年は心配が多すぎましたね~
なんだか もう来年の心配が・・・
なんとかこれで南下してくる渡りの群れに仲間入りできるでしょうか。
夜はママツバメと一緒に巣に帰ってきました。
この姿を見られるのもあと少しですね。。。
シールのことからモズ対策まで、大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。
そしてこれからもよろしくお願いします。
白馬さんのご苦労を考えたら、自分の置かれている状況が、いかに恵まれていたかを改めて思い知らされました。
モズの犠牲になった多くのツバメ達は、本当に無念だったと思います。
でも逆に、白馬さんご自身が身を削ってツバメ達を守ろうとされたから、これだけの悪条件の中でも巣立てるヒナがいたのだと思います。
ご自身の中では、ああしてれば こうしてればと思うことも多々あると思いますが、まずは体力の回復が最優先です。エースコックパパさんに美味しいものをたくさんご馳走してもらってください。
それから、これまでピーンと張り詰めていた神経に、若干の余裕が出てきた頃でしょうから、風邪などひきませんようにご自愛くださいね。
長い間、本当にお疲れさまでした。
巣で休んでいる親鳥を狙うなんて、今までは有り得ない事だったんでしょうに、5組もモズが集まるのも異常事態ですよね・・・
ただでさえ住宅難で天敵も増えて、人の近くで子育てする安全性もなくなってきて、この異常気象までぶつかって、ツバメが渡って来なくなってしまうかもしれませんね・・・
トキを復活するのもいいですが、
この異変にもっと敏感にならないといけないのではって、なんかこの先恐いです・・・
白馬さんのお辛いお気持ちを思うと切なくなります・・・この冬は英気を養ってお体を大切になさって下さいね~
モズ達、白馬さんの行動を観察して裏をかくなんて・・本当にタチが悪いですね
しかも成鳥を狙うなんて・・ひどすぎです。
星になってしまった沢山のツバメ達・・どうか安らかに・・
ホテルも協力して下さって、来年は被害がなくなる事を祈ります
この夏は心身ともに本当にお疲れになった事でしょうね。パパが帰ってしまって寂しい事でしょうけれど、これで少しゆっくり出来ますね
パパとの「とんでもない事態」編、楽しみにしています!
今年は早くからヘビが出て ゆっくり出来たのは夜中だけ・・・ (夜は近所のツバがやられないかと、朝一 声を聞きに、)朝4時半 夕方7時に 3カ所を開け閉め 5ヶ月半の生活 +保護鳥達~ ちょっとしんどい・・・歳感じる・・・
今年は生態系が狂ってきてる???
色々順不同になってるような、 季節がバラバラ 来年はどうなるんでしょうか? 怖いですね~ 今年お星様になってしまった子の分 みんながんばれ~ 来年も待っているけど
無理しないで来てね~
白馬さん 来年のモズ対策出来たら写真よろしく~