明海大学大学院応用言語学研究科

Meikai Graduate School of Applied Linguistics

応用言語学研究科だより(第16回)

2013年05月21日 | 応用言語学研究科 インタビュー

大津由紀雄教授にインタビュー

 

◆専門分野をお教えください。
 ことばの認知科学です。ことに、母語の獲得に関心があります。母語の獲得を支えている心の仕組みはいったいどんな性質を持った仕組みで、経験(生後、外界から取り込む情報)を取り込んで、一体、どのような計算をして、母語を生み出すのかということをずっと考えてきました。
 ことばはなんと言っても、人間だけに与えられた宝物なので、その神秘に少しでも近づきたいと思っています。
 また、研究成果の社会への還元の一端として、ことばの教育についても積極的に発信しています。

◆休日は何をなさっていますか。
 うめとノームという愛犬を含めた家族で過ごします。料理をしたりするのも好きです。

◆お好きな食べ物は何ですか。
 ゲテモノ以外はなんでも好きですが、一番心がおちつくのは和食ですね。

◆ご趣味やお好きなことは何でしょうか。
 昔は"drinking and driving"と言っていたのですが、いまは小中高の子どもたち用の本を書くことが趣味なのかなあ。

◆明海大学応用言語学研究科のよいところはどこでしょうか。
 可能性を秘めた院生がいるということでしょうかね。わたくしは専任としてこの4月に赴任する以前から、かなり長い間、非常勤講師として、明海大学の大学院で集中講義をしてきました。その経験から、磨けば光る可能性を持った院生がいるということはかなり確信を持って言えます。

◆明海の院生の特徴は何でしょうか。
 いま言ったように、よいところもあるのですが、せっかくの機会なので、注文も出しておきたいと思います。志が低い。もっと努力すれば、大きく開花できるかもしれないのに、その努力を怠っている院生が多すぎる。自分はこの程度のものだと決めつけない。もっと積極的になるべきです。そのためには、院生同士でもっと議論をしなくてはだめだと思います。そして、他の大学院の院生とももっと交流の場を求めるべきです。明海の中で小さくまとまってしまわない。
 明海の先生がたはみなさん立派な研究者なので、先生がたとの知的交流も大切です。院生から求められれば、喜んで議論に応じてくださると思いますよ。

◆今後、院生に期待なさることは何でしょうか。
 繰り返しになりますが、一にも二にも、積極性が大切です。わたくしのところにもどんどん話に来てください。認知科学についてでも、言語教育についてでも、かまいません。メールくだされば、アポイントメントを設定してきちんと対応します。



 【大塚記】
 現在4ヶ月の子の子育て中の身であるがゆえ、やはり、我が子の第一言語習得過程が気になるところです。あのmindの中でどのようなメカニズムで母語が獲得できるのか。言語獲得装置なるものをこの目で見ることができたら、とついつい思ってしまいます。大津教授もおっしゃっているように、まさにに言語獲得は神秘だと思います。だからこそ、ことばを尊重し、大切に使っていかなくてはいけないのではないでしょうか。わたくしはそう思います。
 さて、大津教授ですが、「英語教育、迫り来る破綻 ---みんなで考え、行動しよう!---」というテーマの元に、ブックレットを緊急出版なさるそうです。また、ブックレットを受けての講演会をお開きにもなるそうです。詳細はこちらをご覧ください。
 最後になりましたが、ご研究や御講演でご多忙のところ、ご丁寧にお答えくださいまして、誠にありがとうございました。

 


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