
毎年恒例の日本チェロ協会によるビッグイベント、「チェロの日」が昨日で幕を閉じました。
2月9日~11日の3日間、たっぷりとチェロ漬けです。
毎日盛りだくさんのプログラム。
毎朝早起きして(平日と変わらない。。)チェロを担いで、「行ってきます~」と
家を出るときの嬉しさと言ったら、まるで学生気分!
だって会場に行けば、昨日会った仲間たちとまた「おはよう~」って1日が
始まるんだもの。 ちょっとした音楽学校ですよ。
ひとつ、ひとつのプログラムに思い出ができましたが、思いつくいくつかを。。
1日めに堤先生、倉田先生、堀先生によるお話会があり、
(スケジュール表には記載されていなかったので、サプライズでした)
先代の師匠たちとのエピソードをいろいろと楽しく聞かせてもらいました。
聴講者の私たちは、まるで絵本を読んでくれる大人に
次のお話をせがっている子供のように、ワクワクしながら聴いてたなぁ。
温かいお人柄が伝わってくるお話に、こちらまで幸せな気持ちに包まれました。
プロによる演奏は、いつももちろん素晴らしいのですが、個性も大切ですね。
誰一人として、「似ている」演奏はないように思いました。
音色の好みもあるし、演奏家自身の表現に気持ちが寄り添うこともあるし。
今回、上村昇さんの演奏を初めて聴きました、バッハの無伴奏チェロ組曲第3番。
上村の奏でる優しい音色に、一瞬、心がどこかにワープしてしまったみたい。
私にとってそれは、「慈悲」を感じさせるものでもあり、涙がこぼれました。
何かあたたかいものに、思いがけずフッと触れてしまったような。
自分でも、そんな突然の無防備な反応におどろいたのだけど。。
2日め、ジュニアによる演奏にも感動をもらいました。
特に小学校低学年の子たち。
彼らの純粋な気持ち、チェロを弾くことが嬉しくってしょうがない、って
全身で音楽を表現していた。
そこに理屈も心配もない、頭でっかちにあれこれ余計なこと考えてもない。
大人は見習わなくてはいけないな。
3日め、いよいよ本番当日。
ずっとメインで練習をしてきたヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第1番」は
当日になり、演奏の早さがピークになりました(苦笑)。
1楽章、1番パートのdiv.で下を弾いていた私、途中、ある箇所にきたら
もう尋常でなくなりました、正気では弾けない~!
ジェットコースターに乗って高速で駆け抜けて行った感じでした(笑)。
その代わり、「ブラジル風」以外の曲では、気持ちをこめて
雰囲気を味わいながら演奏をすることができました。
(シベリウスのアンダンテ・フェスティーボ、テレマンのアリア、
ショスタコービッチのセカンドワルツ)
聴きに来てくれてた知り合いからも、「とても気持ち良さそうに弾いていたね」
と言われましたが、はい、実際、今までで一番楽しく弾けました。
これはウレシカッタな。
最後のアンコールには、バッハの無伴奏6番からサラバンド。
大好きなこの曲が最後を飾ってくれて、とても嬉しかった。
いろいろなこと、この日まで無事にたどり着いたこと、一緒に演奏する仲間たち、
この会を支えているスタッフの方々、そんな様々な出来事や、出会いに
想いを馳せて、演奏をしました。
(また涙腺弱くなりそうになりました。。)
今年もこの素晴らしいチェロのイベントに参加させてもらえて幸せでした。
感謝の気持ちでいっぱいです。。
今後も、このイベントが続いていくことを心より願っています。
どうもありがとうございました。