「アメリカ」@東京・本多劇場

D-BOYS STAGE trial3 「アメリカ」。
築30年のぼろアパートの一室。
虚無感と混沌が支配する空間を、過去と現在が交錯しながら、そこに関わる人たちの心の動きを描いたストーリー。
本多劇場からスタートするこの舞台はぜひ観ておきたかった。
チケットを譲ってもらうことができて本多劇場・東京公演を観劇。


夢と現実の狭間でもがき鬱屈する若者たちが集まる劇団員の部屋。
登場する人物すべてが、みなそれぞれ問題を抱えている。
人間の醜さ、かっこわるさ、だらしなさ。決してハッピーではないストーリーなのに、ややズレた笑いが、過去と現在交互にリンクし、ぐいぐい引き込まれた2時間。最後の最後にうるっと涙があふれ、じわ～っと余韻が残る……、そんな作品。
最終場の荒木くん。台詞のないモノローグ ―厳密に言えば独りではなく独白する台詞はないが、あえてモノローグといいたくなるような彼の独擅場なのだが― で、刻々と崩れていくその表情を見ていたら、自然と涙が溢れて頬を伝い、カーテンコールになっても止まらなくなってしまった。

帰りの電車。ともだちにメールしていたら、また涙が溢れてきた。じわじわと余韻に浸るというか、ほんとに心に残るお芝居だった。



#画像はパンフの見開きより...