MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

コミュニケーションの達人

2010-03-05 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
看護講座に参加して、
看護師の「伝える力」はすごいと思いました。

そして、はて、
これと同じような人にあったことがある・・・
どこだったかなあ・・・

思い出しました。

それは「近所のおばちゃん」
時々ペルー人の病院受診に同行してこられているのですが、
もちろんスペイン語もできないし、
医療のプロでもない。
でも、かなり的確に状況を把握しているのです。
ペルー人たちも信頼しきっています。

一体この人はなにもの?
正体は・・・本当に普通の近所のおばちゃんなのです。

ペルー人が子供に日本人女性を呼ばせるとき、
「おねいちゃん」か「おばちゃん」か迷ったら
「おねいちゃん」と呼んだほうが、
子供はかわいがってもらえるよと教えるのですが、
ここでいうおばちゃんは正真正銘のおばちゃん。
もう孫がいるくらいの出産経験も育児経験もばりばり、
思春期も親の介護も見てきた百戦錬磨の主婦のプロたちです。

彼女らは言葉はできなくても経験から状況を把握できます。
だから下手な通訳よりもずっと患者の言いたいことがわかるのです。
それに日常から子供たちと接してきているので、
その子の状態なんかもよくわかっているのです。
おそるべし。コミュニケーションの達人!

そういえば、
協力隊で現地に溶け込んでいる隊員は、
必ずしも派遣前訓練の語学成績がよかった人とは限りませんでした。
語学力とコミュニケーション能力は違うと思います。

相手を思いやることと経験がものを言う世界。
肩書きや資格ではなく、
人生経験や人を思いやる能力がものをいいます。
医療通訳者は年齢を重ねるごとにいい味がでてくるものです。

そして自らの病や苦悩も
力にしていくことができる仕事だと思います。
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2 コメント

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肩書きのないスーパーマン (Shin)
2010-03-06 07:58:58
>>>肩書きや資格ではなく、
>>>人生経験や人を思いやる能力がものをいいま>>>す。医療通訳者は年齢を重ねるごとにいい味>>>がでてくるものです。

全くその通り。私の近所の保育所で、働いていた事務員の方、今は定年退職されていますが昭和40年代後半~勤続33年の間、これといった資格はありませんが、働きを見ていると、今でいう「ソーシャルワーカー」のような仕事を経験値から、されてた方がいます。

その人ご自身が、ご主人を早くに亡くし4人の子を育てないといけなかったのですが、ご自身の経験知で保育所に子供を預けて働きに出ないといけないお母さん方の社会的・精神的サポートをされてました。「区役所のこの窓口に行ってきたらいい」とか、そういうのです。定年まで免許というものはないのですが、その人の社会での信頼度は高いものでしたよ。

定年間際ともなると、外国人の子供も増えてましたが、その方の対応は外国人の子供も日本人の子供も関係ない。

そういう熱意みたいなものが神通力に代わるのかもしれないですね。

基本的に、






shin様 (MEDINT)
2010-03-08 09:41:09
コミュニケーションの奥深さを感じますね。

日本社会はこうした見えない経験を
重視しない傾向にあるので

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