MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

お返し

2005-12-21 10:46:07 | 通訳者のつぶやき
行政の地位の高い人や医師と在日外国人の医療について話していて、議論になるのは「自分が海外に行った時は、言葉もきちんとできていたし、できないところは通訳を雇ったし、何よりも同じ在留邦人が助けてくれた。日本にいるコミュニティはどうして同胞を助けないのか。もっと自助努力すべきだ」ということです。
もっともな意見だと思います。
しかし、そこには大きな違いがあります。
言葉の問題のある外国人は、中国残留孤児の子弟やインドシナ難民の家族、南米日系人が大きな枠ですが、彼らの共通点は、多くが日本における底辺労働を支えているという点です。また、コミュニティが新来同胞に手を差し伸べるまでに成熟していないこと。送り出し国が発展途上国(少なくとも日本と経済格差があり、そのために働きにきた人たちであること)です。以前にも書きましたが、私が南米に住んでいたとき、いつも背中に日の丸がありました。「日本人であること」の特権や自分がたいしたことなくても日本人であることで信用してもらえるような場面がありました。私を送り出していた国は「経済的に豊かな国」でした。だから、病気になったときは、首都に搬送してもらったり、日本語のできる医師に診てもらう手段もありました。たぶん、この地にはじめて入った日本人移住者達は、そんなケアも日本の後ろ盾もなく、血のにじむような努力をしながら今日の在外日本人社会をつくっていったのだと頭が下がりました。
今、そうした後ろ盾が無い状態で日本に来ている外国人に、自助努力をいうのは簡単です。しかし、だからこそ本当に大変な時は母国語でのケアが受けられる日本社会を作りたいと思いませんか。人間の移動は一方向ばかりではありません。いつか、私達が南米に、中国に出稼ぎに行く時代がくるかもしれません。その時に、日本で暖かいケアを受けた人たちが私たちを助けてくれると信じたいですね。
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