最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

夫の実家の墓には入りたくない

2020年07月03日 08時34分51秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
6月26日掲載のタイトルは「夫の実家の墓には入りたくない」。



 新型コロナウイルスは私たちの暮らしに大きな影響を与えている。葬儀やお墓の在り方もそのひとつだ。通夜や告別式、納骨の簡素化が広がっているが、コロナ禍の以前からすでに葬送のカタチは変化している。
 仏教式の葬儀で故人が授かる戒名を不要と考えたり、樹木を墓標代わりに遺骨を埋葬する樹木葬、細かく砕いた遺骨を海にまく散骨を選ぶ人が増えている。S子さんは夫の実家の墓には入りたくないと思ってきた。
 夫は嫌いではないが、しゅうとめと一緒のお墓に入ることは考えられない。S子さんの希望は戒名も葬儀も不要で遺骨は海への散骨。遺言書に納骨の希望を書いても遺族にはそれを実行する義務はない。遺骨の扱いの決定権があるのは祭祀承継者で、遺言状で祭祀承継者の指定は法的に保護されている。最近は配偶者の死後に姻族関係終了届を提出して夫の親戚とは縁を切る「死後離婚」も増加傾向にある。
 S子さんは海への散骨という考えが変わってきた。「韓国のロッカー型の納骨堂はカルチャーショックでした。小さなロッカーの扉は四角形やハート形の花で飾られて、それが綺麗で華やかでとっても素敵。訪れる人もハッピーな気持ちになれるはず。日本でも同じようなものができるのを待つのもいいわね」。ウォーキングを始めたS子さん。「とにかく夫よりも長生きするしかないと決めたの」 (メディカルはこだて発行人・編集人)

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