かなり以前だが、私は生き方の一つの“定義”として
“探偵のようなもの”と意識したことがあった。
営業であろうと広告クリエイティブであろうと、
社会の中で仕事をしていく上で、“Why?”が
根底にある重要な要素だと認識したからである。
昨今は、クライアントから依頼されたことを、
忠実に右から左へと“作業”して、
それでハイ終了・・・というのが多く見受けられます。
「クライアントは何故それをしたいのか、
言葉の裏にある本当の望みは何か、
クライアントの表現したい内容は
法的に問題はないのか、
間違った方向に行きそうな時に
たとえクライアントに対してもNOと言えるか」等など。
広告の仕事をしていると特にその重要性を感じ、
各人の“能力差”というのは、
“デザインセンス”等という抽象的なモノではなく、
探偵のようなねばり強い
“探究心とセンサー”ではないかと思っています。
私はミステリー小説が好きで、
たった今読み終えた本の中に
こんなセリフが出てきたので急に筆をとりました。
『大事なのは、変だと感じる感性と、何故だと考える想像力だ』
桐野夏生 : 「顔に降りかかる雨」より
江戸川散歩