メダカ雑記帳

「メダカの輪を広げよう!!」

メダカとノーベル賞

2008年10月12日 | 研究用メダカ


先日、今年のノーベル賞が発表になり、化学賞では日本人の下村修さんが受賞された。

受賞理由は、「緑色蛍光タンパク質 (GFP) の発見と開発」。


インタビューで語られた「研究の為に、1日3000匹のクラゲを採取し続けた…」との苦労話を聞いただけで、研究内容の如何に関わらず敬意を表したくなった。


そして、略歴を見て2度驚く。

下村さんは、戦時中の長崎県で育ち、原爆を体験。

「私の知識のほとんどは独学で得た。長崎の大学が原爆で完全に破壊されてしまったからだ。高校も満足に通っておらず、工場で働いていた」との本人談。



興味が湧き、研究内容の『緑色蛍光たんぱく質(GFP)』なるものを調べて、3度目の驚き。

要は、「蛍光メダカ」か!?


一昨年、環境省および農水省より「遺伝子組み換えメダカ」(通称:「発光メダカ・ナイトパール」)の回収要請があったのは、ご存知の方も多いと思います。

あの蛍光色は、クラゲの遺伝子を注入したものらしく、元となる蛍光成分を研究されたのが、今回受賞された下村さんとのこと。


GFPを使用したメダカの研究について調べてみると、意外な研究に使われておりました。

その一つが、『メダカの性別は、どのように決まるのか?』という研究で、メダカの受精卵にGFPを注入し、孵化するまでの卵内の変化をモニターしたそうです。

その結果、「メダカの性別は、孵化の数日前に決まる」と解明され、孵化する前に分かるようになりました。

詳しくはコチラの、北海道大学・田中教授のレポートにあります。


また、メダカの性別は環境ホルモンの作用によって、孵化後も変化すると言われております。

これに関しては、詳しく調べなおし改めてUPさせて頂くことになるかもしれません。


いずれにせよ、これまでは遠い世界の話だと感じていたノーベル賞やその研究内容が、案外身近なところにあるとは今回一番の驚きでした。



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世界が注目、ニホンのメダカ(後編)

2007年08月27日 | 研究用メダカ

前回のつづきです・・・

 

メダカが重宝される理由の一つに、研究費用の安さが挙げられます。

メダカは、従来の研究対象であったマウスに比べ、研究費用は100分の1で済むので、研究に好まれているようです。

もともと、欧米では「ゼブラ・フィッシュ」による研究が、メダカよりも先に始まっていたものの、研究費用の安さ等もあり、メダカの方がいち早く解析が済んだとか・・・

 

「メダカ」以外には、「トラフグ」や「ゼブラ・フィッシュ」が、すでに製薬会社を中心に実用実験が始まっており、今後はこの実験が、ヒトへ応用展開され、癌やアルツハイマーなどの治療に役立てられるとのこと。

 

今や、世界が注目するメダカさん。

これからも、メダカさんに感謝の日々が続きそうですね。

 

(参考資料)

2007.05.14付 朝日新聞

 

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世界が注目、ニホンのメダカ(中編)

2007年08月26日 | 研究用メダカ

前回のつづきです・・・

 

メダカは、解剖しなくても研究成果が分かる」というのは・・・

マウスだと、内臓の変化を知るのには、その度に解剖をしていたのが、内臓が透けて見える「透明メダカ」を使えば、解剖せずに毎日の変化が見れるので、研究に使いやすいそうです。

 

ここでいう、研究用の「透明メダカ」は、名古屋大学の若松教授の研究チームが誕生させたもので、観賞用の「透明隣メダカ」とは別ものです。

 

まずは、「透明メダカ」の画像を御覧ください・・

http://www.bio.nagoya-u.ac.jp:8000/010906b.html

「MEDAKA FISH HOMEPAGE」

 

見ずらくて、すみません。

(他の鮮明な画像が載っているサイトは、解剖写真も載っている事が多いので、割愛します。各自でお調べ頂ければと。)

 

いわゆる「本アルビノ」(純白)に似ておりますが・・・

この透明メダカを使う事によって、癌や老化の進行を脳や内臓ごと観察が出来、医学の研究等で役立っているそうです。

 

最近では、上記にリンクしましたような、内臓の研究を見やすくするために蛍光を発するメダカも誕生し、より研究の幅が広がってきております。

 

<つづく>

 

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世界が注目、ニホンのメダカ(前編)

2007年08月25日 | 研究用メダカ

先日、興味深い資料を読者の方からお知らせ頂きましたので、紹介させて頂きます。

 

一昔前の生き物の実験といえば、マウス(実験用に繁殖したハツカネズミ)を使うのが有名でした。

それが、最近では日本に限らず欧米でもメダカを使っているというのです。

 

事の起こりは、東大や国立遺伝学研究所などの研究チームが、「メダカの全遺伝情報(メダカゲノム)」の解析に成功。

それによって・・・

「メダカは、ヒトに似た遺伝子を8割がた持っている。」

「メダカは、ヒトと内臓の構成も、かかる病気も似ている。」

などなどが、分かったそうです。

 

詳しくは、こちらの「朝日新聞HP」をお読み下さい。

http://www.asahi.com/health/news/OSK200706060058.html

 

 

それにより、環境問題から医学などの各研究にメダカが適しており、繁殖も容易で、狭い研究所でもたくさん増やせる事も、メダカが重宝されている一因のようです。

 

また、マウスと比べて一番の利点はと言うと・・・

メダカは、解剖しなくても研究成果が分かる」そうです。

これについては、また次回つづきをUPします。

 

 

 

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