MVCメディカルベンチャー会議

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第20回MVC特別セミナーin大阪

2014年11月22日 | 医療経営塾
ニューロンネットワーク株式会社 代表取締役社長 石田行司(いしだこうじ)氏をお迎えして「りんくう国際医療特区の現状と今後の展望~医療の産業化と国際化について~」というテーマでお話ししていただきました。

(1)私は、製薬会社での営業職経験後、平成14年に第一号店となるニューロン薬局を開局し、翌年10月、ニューロンネットワーク株式会社を設立しました。事業内容としては、調剤薬局や在宅・介護事業とのコラボレート、街づくり、再生医療、医師や薬剤師の開業や開局の支援などを行っています。
  
(2)日本では高齢化が進む中、生産人口が減り、医療費を削減しなければいけない状態にあります。一方介護保険の総費用は年々増加傾向にあり、2000年度の3.6兆円が、2014年度には8.9兆円と二倍以上の額になっています。足りない医療費は、現状の医療費を担保にし、医療と介護に分け、個人での負担を増やす方向に進んでいます。

(3)病院の倒産はピークを過ぎました。そこには、病院に、医療機器メーカーや不動産、あるいはパチンコ店など、様々な資本が流れてきている実態があります。一方で、老人ホームの倒産件数は年々増加傾向にあります。

(4)医療の産業化・国際化を目指し、立ち上げたプロジェクトが、「りんくう国際医療特区」です。世界へ繋がる関西国際空港の玄関都市という立地特性のもと、がん医療や獣医療など、地域の医療資源を活かし、海外の医師との交流や医療機能の充実、医療や健康目的での観光など、国際医療交流の拠点づくりを目指しています。
 
(5)りんくうゲートタワービルにある、ゲートタワーIGTクリニック、出島クリニックでは、国内外のがん患者さんに対し、より自分に合ったがん治療法をワンストップで提供できるよう連携をし、治療を行っております。また来年には、ホテルと医療センターを融合し、患者さんがストレスを感じることなく安心して治療を受けられる施設を建設予定です。

(6)りんくう総合医療センターでは、平成18年に国際外来を開設しました。今後、国内の外国人診療の機能を充実させるため、医療通訳の育成、域内外の医療機関との遠隔通訳ネットワークの構築に取り組んでいます。また、りんくうの観光地としての資源を活かし、温泉や漁港の体験ツアーの企画・販売を通じ、外国人へのホスピタリティの向上にも取り組みます。

(7)私自身が考える医療の産業化とは、医療機関が産業するのではなく、異業種とコラボレートすることによって、国民の健康福祉に貢献することではないかと思います。今後は、適正な医療が受けられる環境を整え、そこから人々が住む街をつくっていく、「医療機関から街がつくられる」時代になっていくと、私は考えます。
  
(8)医療の国際化とは、海外の医療技術を輸入するばかりではなく、行政や企業と連携し、日本の医療や介護及び周辺産業の技術やサービスを、海外へ輸出していくことだと考えます。それによって得られた外貨によって、医療設備・人材育成・研究開発費等に還元できるシステムを構築できればと思っております。









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