MVCメディカルベンチャー会議

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第26回MVC定例会in大阪

2006年10月21日 | MVC定例会
「病院組織論」をテーマに、医療法人大潤会事務長の舞木祥二氏に講義頂きました。舞木氏は医療機関の人事コンサルタントとしても活動されており、MVC公認ガイドとしてMVC-onlineでも執筆中です。

①自己紹介から始めますと、私はまず商学部経営学科を卒業し、製薬会社で4年間薬局に対する営業を担当しました。そのあと、フィットネスクラブの運営・管理をおこなう事務部門に勤務し、更に経営スキルを身に着けようとビジネススクールに通いました。その後、学習塾のホームヘルパー養成事業部を立ち上げ軌道にのせ、現在は医療法人の事務長と、経営コンサルティング、新規事業の立ち上げを兼務しています。要するに何でも屋ですが、先生と呼ばれる専門職を支える裏方という点では共通しているかもしれません。

②3年前に医療業界に入り、一年間で2500枚の名刺を頂戴し、毎年800枚の名刺を配るほど、人との出会いが多い仕事です。現在は医療法人・社会福祉法人を合わせて200名の職員がいます。私達は職員を人材というより人財ととらえ、活躍の場とモチベーション維持に努めています。

③組織をまずゼロから作るときに、最も重要なのは理念missionです。理念とは「今あるべき姿」であり、使命とも言い換えられます。理念に表現された価値を実現するために、創業者は事業意欲を維持することができ、従業員はその理念に惹き付けられて業務に当たります。

④経営とはヒト・モノ・カネという経営資源を効率的に利用して事業を運営していくことです。そこに情報あるいはノウハウといったものが第4の要素として加わる、というのが私の経験を通じて獲得した個人的な意見です。

⑤組織を構成する経営資源がヒトですが、ヒトを一体化するものが理念であり、ヒトを一定の方向に導くのがリーダーです。リーダーの集団が経営陣であり、経営陣の仕事は、方針・計画・実行・統制・修正というサイクルを普段に回し続けることにあります。

⑥基本的な組織原則として命令の一元化があります。複数の上司の間で、支持が異なっているのが現場職員の混乱を招きます。各職員の責任と権限の明確化が重要です。

⑦組織の種類には様々ありますが、ライン&スタッフ組織が大多数を占めていると思います。ライン部門とは製造と営業といったプロフィットセンターを指し、スタッフ部門は本部や研究といったコストセンターを指します。

⑧リーダーには専制型・放任型・民主型がありますが、専制は対立・不満・攻撃を生むので長期的に組織を維持するのは困難です。民主型(集団参加型)の組織運営がもっともおすすめです。意思決定の過程に末端の現場職員の意見を必ず取り入れる仕組みが重要です。

⑨コミュニケーションも経営にとって非常に重要ですが、専門職が中心となる医療業界においては、プライドが高い人々の集まりですから、経営を前面に出した場合、協力を得られないことが多々あります。上からものを言うと反発されるので、相手が理解できるように同じ視点から説明することが円滑なコミュニケーションの決め手となります。


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