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8月のクリスマス

2006-03-28 00:25:38 | 映画
病気で余命わずかの寿俊。もう人を好きになることはないと思っていた彼の前に由紀子が現れる。

由紀子が現れなければ、日々は淡々と過ぎて傷付くこともなかったかもしれない。
残された父親の為に、DVDの使い方なんてマニュアルを作ったりする傍らで、死ぬことなんて怖くないのかと思うくらいにいつも通りの毎日を過ごしていく、その静かさが悲しい映画だな、と思った。
喜寿のお祝いに寿俊の写真館に写真を撮りに来た家族の、息子が残した『母さん、一人でも撮ってもらえよ』と言ったことの底に有る意味や、その母親が後日黒っぽい着物に着替えて写真を取り直しに来ること、何気ないシーンだったけど苦しかった。自分の死を受け入れようとする寿俊の周りがあまりにも普通で、だけど死を意識するような出来事もあって。
由紀子に好きだと言って、自分の人生に巻き込んでしまえばどれほど楽だっただろう。手紙を、自分の死後に届くように箱の中に入れたりなんかしないで、自分で自分のお葬式の写真なんか撮ったりしないで、他人を自分の人生の中に巻き込んでしまえば、もっと楽になれたはずなのに。由紀子を巻き込まなかった寿俊の愛情に泣いた。

***

最初は、山崎まさよしが出てるから、という理由で見たのですが思いのほか良い映画で泣けました。韓国板も見たことはあるけど、こっちのほうが好きかもしれない。舞台の違いも大きいのかもしれないけど。
最後に流れる、山崎まさよしの曲もこの映画に合わせて作っただけあって泣ける度をアップさせます。作中に寿俊がギターをやってた、というエピソードも出て来たりするので余計に。


*** 8月のクリスマス ***

Directed by 長崎 俊一

山崎 まさよし as 鈴木 寿俊
関 めぐみ as 高橋 由紀子
井川 比佐志 as 鈴木 雅俊
大倉 孝二 as 宮田 亮二