いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。
さて、本日は連載の第二話を書きたいと思います
この話は年代的には私たちや、もう少し年上の世代の方々の中には
いずれ当事者として経験する方もいらっしゃるかと思います
でも、その時に一つ考えてみてほしいんですね
どういう内容の発言をしているのかを
どういう立ち位置に立ってしまっているのかを
結果どうなるのかを
「 責務 」 第二話 ~ 来訪 ~
どんな朝でもマイルドセブンと缶コーヒーはとても心を落ち着かせてくれる
そんな事を考えつつ、朝のスケジュールを確認していたある日の朝・・・
いつもの様に、かねてよりのスケジューリングとは別に、その日に入る何かしらの用件を伝える電話がなった
しかし、その様な場合、特に朝の早い時間の電話というのは基本的に、メモリーに保存されている電話番号
のどれかからが大半である
しかし、この日は私の携帯画面には「 非通知 」 と出ていた
あまりいい気はしないが、こんな時でも一応私は電話に出る事にしている
プルルル・・・
「 クリエイト西本です 」
「あ、クリエイトですか?」
何故か個人名の様に呼ばれる
あまり気にはしないが、自分の個人名でなくても、呼び捨てで呼ばれるとファーストインプレッションは
あまり良くない
しかし、時折こういった方がいるのも事実である
電話の相手は恐らく私よりも年上と思われる女性の方であった
「 はい、そうです。お電話有難うございます 」
「あのぅ・・〇〇の古家のある土地の看板を見てお電話したんですが・・・・ 」
なんと!
例の価格設定の難しい物件の販売価格で合意し、ようやく看板を物件に設置した三日後の事であった
私 「 ありがとうございます。どういったご用件でしょうか? 」
「 あのう、実はこの物件の建物・・・かなり古いと思うんですが・・・一度中を見たいんですが・・」
私 「 ありがとうございます。今現場のお近くですか? 」
「 はい、前にいます・・・ 」
ぇ・・
「 あ、では私は近くですのですぐに向かいます」
飲みかけの缶コーヒーを後に、私は物件のカギを手にすぐさま現場へと車を走らせた
私の事務所からはそう遠くない場所へと車を走らせ、物件が見える角を曲がった時、二人の女性が物件の前で
きょろきょろしているのが目に飛び込んできた
「あ、どうもクリエイトの西本ですm(__)m 」
「 突然すみません、わたし・・・細木 数珠子と申します 」
偏見と言われればそれまでだが、一目見たと時に、このお二方はいわゆる住む家を見にきたお客ではない
と感じた
理由は判然としない
だが、何かが違うのである
だが、そんな事は後で聞けばよい
私は早速鍵を開け、お家の中を見てもらう事にした
お二人のお客は、あまりお互いに会話を交わさず、昭和の中期に建築された、とても使いづらい間取りの
平屋の家の中を見て回った
途中で私が口をはさむ
「あの、このお家は商品価値がありません。ですので土地の価値にて販売価格を決めております
ですので、もし、建物を残しておいてほしいと言われればそのように手配を行いますが、耐久力
劣化具合ともにご覧のとおりですので、責任は負えませんm(__)m
その点はどうかご了承くださいませ 」
細木「 あ、大丈夫です。実はここには住みませんので 」
やはり
「そうでしたか。何かしらの事務所か何かでしょうか? 」
細木「 ええ、何と言いますか、道場みたいなもので・・・ 」
なるほど
このお客は、派は分からないが、何かしらの宗教関係者と思われた
だが、その内容は物件についての感想をまとめてもらってからでも良いと考えた私は
一通りの説明を終え、鍵を閉め始めた
私が外に出るまで待っていてくれたお客は実に興味深い事を言った
細木「 あのう、この物件、〇〇〇百万円でしたら買います 」
ぇ・・・?
決めちゃうの?
いや、いいんですよ
でも待って^^
あまりの急展開に、私は進める前に聞いておかなくてはいけないと思った幾つかを質問した
私は買主同様に売主に対しても責任を負う立場である
お客がどんな方なのか?
どういう利用の為に物件を購入するのか?
所属している団体やいわゆる個人情報についても、一定のラインまでは聞く義務がある
幸い、一通り聞いたところでは、何らの問題もないと思われた
私「 買付証明は書いて頂けますか? 」
細木「 あ、はい、大丈夫です 」
わかりました^^
それでは、売主さんが何とおっしゃるかは分かりませんが、一応今日の内容は売主さんにお伝えします
その回答を得た上で、次の打ち合わせをさせて下さい^^
細木「 わかりました。では宜しくお願いしますm(__)m 」
公共交通機関から少し距離のあるこの物件場所までどうやって来たのかは分からないが
二人のお客は、そう言葉を残し去って行った
なんか順調やな^^
まあ、こういったケースは年に何回か無くもない
特段、問題がありそうにも見えないし、売主さんに報告はできる水準の価格交渉だし
そんな事を思いながら私は再び事務所に戻った
事務所に戻った私は、取りあえず今あった出来事を報告する為、売主の目黒さんに電話をかけてみた
ぷるるる
「 はい、目黒です 」
私「 和歌山のクリエイトです。おはようございます。実は〇〇の物件の件で・・・ 」
私は、今日の出来事だからまだ何とも言えませんが、こういうお話が今日ありましたとの報告を入れた
目黒「 そうですか。私としては早い方がうれしいので、その値段で進めて下さって結構です。
西本さんが言う様に、今日の今日だから心変わりもあるかもしれませんが、それはそれで構いません。
宜しくお願いしますm(__)m 」
実に順調である
こりゃラッキーな案件になったな・・・・
表現が良くはないがそう思った事は事実である
私はこの件については、一日を置いてから進める事にし、再び手帳を開いてこの日のスケジュールを
確認したのだった
翌日・・・・・
私は昨日の買主の細木さんに電話を入れ、売主の意向を伝えた
心配していた心変わりもなく、細木さんは「 そうですか、では引き続き宜しくお願いします 」と
単調な口調で答えた
私は、既に調べている内容に不足がないかを確認する作業に入り、その日一日は
重要事項説明書
という名称の書類を作成する準備に費やし、夕方には後は入力していくだけの所まで作業を進めていた
プルルル
ちょっと肩も凝ってきたなぁと思い始めた矢先、ふいに電話がなった
見れば売主の目黒さんである
「クリエイト西本です」
「目黒です。昨日はどうもありがとうございます。買主さんの方はどうですか? 」
「はい、今日連絡をして、進めてくださいとの回答を得ていますよ^^ 」
目黒「 そうですか・・・・でも・・・・〇▲□なんです、それで・・・・ 」
私「 え?すみません、ちょっと聞き取れなかったんですが^^・・」
人間言いにくい事を言おうとする時は、体のどこかに何かしらの変化が出るものである
目黒さんの場合は、極度に滑舌が悪くなるという現象がでたようである
目黒「 実は昨日その値段でと話したのですが、この不動産は今、私と既に亡くなった私の弟のお嫁さんとその子供達とで
相続で争っていまして・・・私一人の判断では値段も決められないんです 」
先に言ってね^^
続く・・・・
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