TOKYO ⇔ SAIGON そしてたくさんの街へ

東京とサイゴン、そして、いろいろな街を巡ります。

空ばかり見ていた

2008-02-09 | Weblog
空ばかり見ていた。空を見ると、娘がいるような気がして。

空を見ると、現実のことが信じられなくなる。自分に起こったことは、すべて夢だったような気がする。そうしていると、現実を直視しないですむような気がした。

でも現実はある。その狭間を埋めるように、わたしは歌を歌った。

「君と出合った奇跡が、この胸に溢れてる」

そうなのだ。彼女がわたしの元に生まれてきたのは、まさに「奇跡」だった。生まれまれながらにして、特異な才能のあった子。

彼女は生まれながらにして、「トリックスター」だった。いつも、先生や同級生だけでなく私までもが翻弄されていた。周囲に、ありえない彼女ならではの「常識」を教えた。

でも、トリックスターを続けるには、彼女は歳をとってしまったのだろう。いつのまにか「不自由」で「理不尽」な時期がやってきて・・・。

「きっと今は、自由に空も飛べるはず」

でも、また今は、彼女は自由だ。自由に空を飛べているはず。そうやって私は、彼女の新たな幸福に思いを馳せた。そうでもしなければ、自分がつぶれそうだったから。

「夢を濡らした涙が 海原へ流れたら
 ずっと そばで笑っていて欲しい」

娘はずっとそばで笑ってくれているのだろうか。

でもね、最近思う。

人は忘れなければ、生きてゆけない。10年を迎える今年、彼女はもう過去に生きている。冷たいようだけど生身の人間は、忘れなければ未来はない。

悪いけど、もう過去のことにするよ。キミのおかげで、一回の人生を二度生きられたのだから、二度目の人生を精一杯生きるよ。

でもキミのおかげで、すっかり死ぬことがこわくなくなった。明日死んでも満足できるぐらい、私は毎日を生きているよ。

感傷はもう持たない。リアルの世界で、キミがやりきれなかったトリックスターとして生きたい。そしていつ死んでも、悔いはない。それが、明日ではなく2時間後であったとしても。

どんどんいろいろなことが楽になる。執着やこだわりがなくなると、毎日が楽しくなる。

キミのおかげで、人生を二度生きることができたからだと思うよ。

感謝している。

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