なぜあのときあんなに切なかったのだろう。
あの頃サイゴンに行くと「もう二度と来るもんか、こんな街」と毎回思っていた。
その極みが3年前の大晦日。
暮れ行く空とバイクを眺めながら、こんなに切ない街になぜたった一人で
ここにいるのだろうと思った。
バイクの喧騒。イヤだ!もうイヤだ!
けれどもこのとき成田についたとたん「また戻りたい!」と焦がれた。
その理由は今でもわからない。
喧騒が懐かしく . . . 本文を読む
灯りと毎日違う活け花が各席にあしらってある小さなカフェ。
このカフェがわたしのサイゴンでの基地。
店に入るとバイクの喧騒も人々の激しいパワーも消えて、静かな時間が流れる。
サイゴンは今、大資本によるカフェラッシュでついにこのカフェは閉店になりました。
大事な場所がなくなってしまった。
この悲しさ、淋しさはいったい何だろう。 . . . 本文を読む