ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

マリアンヌ・フェイスフルが風俗嬢(笑)に-「やわらかい手」

2008-03-20 15:14:38 | 映画
マリアンヌ・フェイスフルの主演映画が日本公開されるという話を聞いたとき、ちょっと私は信じられない思いがしました。まさか、いまどき彼女の主演映画が製作されるとも思わなかったし、ましてやその映画が日本で公開されるというのも私の予想外だったわけです。



で、彼女が風俗嬢(W)-もちろん1946年生まれの彼女は「嬢」ではありませんがーを演じるというのもこれまたおったまげました。重度のヤク中でホームレスの時代もあった彼女が性産業の従事者を演じても、なんら不可解なことではありませんが、しかし60くらいで演じるというのも、彼女自身も予想しなかった出演オファーではなかったでしょうか。

ロンドン郊外に住む、裕福とは言えず職歴も乏しく学歴などもない50代(かな?)の女性が、病気の孫を遠くオーストラリアで治療を受けさせるため、仕事を探します。が、むろんそのような女性が仕事を見つけるのは困難です。職安から相手にされず、銀行も金を貸してくれません。たまたま高い金をくれるという張り紙を見た彼女が向かった先は、風俗店で、オーナーから才能があるといわれてすすめられるのが、いわゆる「手コキ」の仕事。



映画では、オーナーが「これは東京で・・・」なんて話をします。これには失笑してしまいました。

それにしても、マリアンヌ・フェイスフルの容貌の変化と体型の変化は、すごいですね。うーん、これがミック・ジャガーの恋人だったあの女性かと思ううくらいの変化です。最近も映画出演しているから私も知らないわけではないけど、声の変わり方も半端じゃありません。

ついでながら、同じ英国人のジェーン・バーキンもシャーロット・ランプリングも1946年生まれです。1946年て、英国女性の当たり年だったのかな。彼女らはそんなにイメージ変わっていないけど、フェイスフルはすごいですね。

マリアンヌ・フェイスフルの主演映画で一番有名なのは何といっても、(この作品くらいしかないのかもしれませんが)「あの胸にもういちど」です。この「やわらかい手」の公開に合わせて再公開されたのですが、遺憾ながら当方は見逃しました。が、まもなくDVD発売されますので、そうしたらこのブログで記事を書きたいと思います。けっこう日本人にもなじみ深い作品ですので。

さて、彼女は、「才能」があったのか、人気者になり、その余波で仲がよかった同僚は解雇されたり、ライバル店に好条件でスカウトされます。いくらなんでもあんなに彼女を求める行列ができるんかよというような野暮な突っ込みはやめます。



6000ポンド(今レートを調べたら1ポンド200円弱くらいですから、120万円弱くらい)の金を店に前借して息子夫婦に渡しますが、そんな大金(日本人の感覚からすると、用意できなくもない金額という気もしますが)をどうやって入手したかと不審に思った息子が後をつけて、母親の仕事を知り、激しい怒りを持ちます。即刻仕事をやめろと母に厳命しますが、前借金もあるしオーナーと心のふれあいが生じている主人公は悩みます。

これ以上はネタバレになるので書くのをやめますけど、主人公の周辺にいる人たちは、わりと保守的な人間が多いという設定みたいですね。息子しかり、詮索好きの近所の人たちしかり。実態はいざ知らず、なかなか住みにくい環境です。

主人公は、義理の娘(息子の奥さん)と人間関係がよくなく、息子も度重なる困難でヒステリー気味です。近隣住民はわずらわしく、あまり人間関係に恵まれません。そんな彼女が、想像もしなかったセックス産業で人間関係の豊かさ(?)を見つけるというのが皮肉かもしれません。この女性は、それまであまり充実した人生を送ってこなかったのかなと思わせます。

また、セックス産業の関係者たちは、移民が多いというのもなるほどと考えさせられます。オーナーや同僚の女性も移民のようです。映画も、こんな風に見ていれば勉強になります。

内容的には、けっこう面白く見ることができたと思います。英国やロンドンが好きな私には、いろいろな点で興味深いものがありました。

競演陣では、息子を演じた俳優は、少し演技が直線的に過ぎるかなと考えましたが、オーナーの俳優はよかったですね。温かみと厳格さと冷酷さをうまく出していました。彼のような演技が映画をひきしめます。

最後に、ジェニー・アガターがおせっかいな近隣住民の役で出演していました。最近彼女をスクリーンで見た記憶はあんまりなかったのですが、おきれいではありました。やせている女性なので、かなりしわは目立ってしまっていますが。

コメント (4)   トラックバック (1)   この記事についてブログを書く
« 川原亜矢子をかまう(2) | トップ | 祝!! アニセー・アルヴィ... »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジェニー・アガターにはビックリ (anupam)
2008-11-01 12:03:52
当方の記事では長くなりそうなので、ジェニーさんには触れませんでしたが、ギスギスと老けていたのには驚きでした。

太ったら太ったで、あまり見目がよろしくないし、あまりにもギスギスだとシワがすごいし・・
どっちにしても老けるということは面倒ですな。

でも、展開もすっきりしていて、あまり説明調ではないところも好みの作品だったかな。

息子の激怒ぶりはすさまじかったですね。
でも堂々と彼女が「私は売春婦じゃないわ」と言い返すシーンがなかなかでした。

でも、やっていることは息子にとっては売春婦も同然・・かな。

ラストはとてもしみじみとして、「あ~救われた」と感じました
>anupamさん (Bill McCreary)
2008-11-02 14:55:06
息子の怒りようは、私も映画を見ていて驚いちゃいました。私なら、事態が事態だから大目に見ちゃいますけどね。現実にはそうはいかないのかな。

ジェニー・アガターは今でも英国では女優活動しているみたいですね。細い女性は、年取るとけっこうぎすぎすしちゃいますよね。

それにしても、マリアンヌもよくこの映画出ましたね。彼女もそれなりの思いがあったでしょう。でも彼女にとっても忘れられないいい映画に出演できてよかったと思います。
トラバ頂きました。 (samurai-kyousuke)
2008-11-14 20:21:53
トラックバックさせて頂きました。
「やわらかい手」の記事を書いてる方は少ないので、じっくり読ませて頂いて参考になりました。
samurai-kyousukeさん (Bill McCreary)
2008-11-15 20:50:23
はじめまして。トラックバック、コメントありがとうございます。anupamさんのところでお名前は拝見していました。これからもよろしくお願いします。

ある意味、ここまであからさまに風俗を扱った映画って、珍しいと思います。オーナーの俳優さんはとてもよかったのではないかと。ただ、フェイスフルはほんとに顔が変わっちゃいましたね。

それにしても、決して裕福ではない英国人の生活も垣間見ることができて興味深かったと思います。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

関連するみんなの記事

トラックバック

「やわらかい手」 (samuraiの気になる映画)
   やっぱりルパン三世はTVのファーストシリーズに尽きますよね。放映は1971年から1972年、視聴率は振るわなかったそうですが、夢中で観ました。結局低視聴率にあえぎ23話で打ち切り、人気が爆発したのは数年後、夕方に再放送されてからだそうです。  私の一番のお...