ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

たぶん右翼の連中には、よりによって安倍政権下で、宮内庁が天皇の靖国参拝を拒否したかという考えがあると思う

2019-09-11 00:00:00 | 社会時評

先日興味深いニュースが報じられました。まずは共同通信の記事を。

>宮内庁が靖国神社の天皇陛下参拝要請断る

2019/8/13 17:12 (JST)8/13 19:21 (JST)updated
©一般社団法人共同通信社

 靖国神社が昨秋、当時の天皇陛下に2019年の神社創立150年に合わせた参拝を求める極めて異例の「行幸請願」を宮内庁に行い、断られていたことが13日、分かった。

さらに東京新聞より

>靖国、昨秋 天皇参拝を要請 創立150年向け 宮内庁は断る

2019年8月14日 朝刊

 靖国神社が昨秋、当時の天皇陛下(現上皇さま)に二〇一九年の神社創立百五十年に合わせた参拝を求める極めて異例の「行幸(ぎょうこう)請願」を宮内庁に行い、断られていたことが十三日、靖国神社や宮内庁への取材で分かった。靖国側は再要請しない方針で、天皇が参拝した創立五十年、百年に続く節目での参拝は行われず、不参拝がさらに続く見通しだ。

 天皇の参拝は創立から五十年ごとの節目以外でも行われていたが、一九七五年の昭和天皇が最後。七八年のA級戦犯合祀(ごうし)が「不参拝」の契機となったことが側近のメモなどで明らかになっている。一部保守層から天皇参拝を実現するためA級戦犯分祀(ぶんし)を求める声があるが、靖国側は応じていない。

 靖国神社の前身「東京招魂社(しょうこんしゃ)」は、戊辰戦争の官軍側戦死者らを弔う明治天皇の意向で一八六九年六月二十九日に創建。創立五十年の一九一九年五月に大正天皇、創立百年の六九年十月に昭和天皇が参拝している。

 上皇さまは在位中に参拝しておらず、平成は天皇参拝のない初の時代となった。関係者によると、靖国神社は昨年九月、平成中の参拝を促すため、宮中祭祀(さいし)を担う宮内庁掌典職に過去の天皇の参拝例を示し、参拝を求める行幸請願をした。

 掌典職は代替わりを控えた多忙などを理由に、宮内庁長官や天皇側近部局の侍従職への取り次ぎも「できない」と回答したという。共同通信の取材に対し、掌典職は「参拝について判断やコメントをする立場にない」としている。

 靖国側は「断られた」と判断、創立二百年の参拝も確約されないことから「将来も参拝は難しくなった」と受け止めた。代替わり後の再要請について取材に「(陛下の参拝を)お待ち申し上げる立場」と回答し、行わない方針だ。

 戦後に宗教法人となった靖国神社は終戦まで軍直轄だった。太平洋戦争などで戦死した日本軍の軍人らも含め約二百五十万人を祭る。天皇はじめ公人の参拝では政教分離が問題視されてきた。

上の図は、記事に添付されていたものです。

この報道を読んだとき、私は直感「靖国神社の悪手だな」と思いました。現在の状況からして、天皇、これは現天皇でなく前天皇(現上皇)の話ですが、靖国神社に参拝してほしいと宮内庁(日本政府、安倍晋三)に申し入れたところで「OK」の返事は来ないでしょう。そしてやっぱり来なかったわけです。ほぼこれは読める話であって、なんでいまさら靖国神社側がこんなことをするのか正直私は理解できません。どっちにしても参拝が難しいのなら、そういう具体的なアクションを取らないで待つほうがどちらかといえば得策でしょうが、我慢できなくなったのか。このあたりは靖国神社の最高幹部でもないとわからないでしょうが、あるいはどうせだめでも格好はつけておきたいという考えでもあったか。

それで、これもだいたい予想のつく話ですが、本来ならこういう報道に激怒するような右翼連中も実に静かですね。あるべき筋としては、安倍晋三をあからさまに批判はしないまでも、宮内庁許さんくらいの声はもっと上がってもいいのではないか。

それで、安倍晋三にも近い右翼団体である国家基本問題研究所のHPを見ても、この記事を書いている段階ではこの件について論考は発表されていませんね。ここは、毎週月曜日に「今週の直言」というのを発表しますが、現段階この件についての論考はありません。

それは例によって、安倍晋三を批判できないとかいろいろあるのでしょうが、おそらくですが東京新聞の記事にもあるように、首相の参拝、天皇の参拝は今後も見込めそうにないという判断じゃないですかね。そうなると改めて騒いでも得策でないという判断はあるのでしょう。しかしそれにしてもよりによって安倍晋三が首相の時に・・・という考えは当然あるのではないか。公然とは書かないまでも、「安倍の野郎、我々を裏切りやがって」という思いは、やはりあるでしょう。それでその国家基本問題研究所は、昨年(2018年)に次のような論考を発表しています。右翼憲法学者の百地章の執筆です。

春季例大祭に陛下の靖國神社ご親拝を

内容については読んでいただければいいですが、これかなり興味深いですね。つまりタイトルだけ読むと、これは天皇に参拝してほしいと要求している文章に見えますが、実はそれより主たる主張は、首相(安倍晋三)に参拝を(再開)してほしいという内容です。もっともこれはある意味当然かもしれません。現在の状況では、首相を差し置いて天皇が靖国神社を参拝するという可能性は低いでしょう。が、それにしてもいろいろ「どうもなあ」と思わせる記述が充満しています(苦笑)。たとえば次のようなくだりはいかがでしょうか。

 >首相がわが国の繁栄と発展のため、政治、経済、外交、防衛等、様々な分野で目覚ましい成果を上げ、国民に元気と活力を与えてくれたことは間違いなく

なんて、この人こんなこと書いていて恥ずかしくないのかなあ(まともな人間じゃないからね)と思うし、

>外交問題だけだが、日米関係、日中関係等、5年前と比べれば大きく改善されているのではないか。自国第一を唱えるトランプ米政権が安倍首相の参拝に異を唱えるとは思われないし、中国とは今秋、日中平和友好条約締結40年を迎え、良好な関係にある。

というのは、てめえどんだけ恣意的な現状分析なんだよ(苦笑、呆れ)と思います。

>自国第一を唱えるトランプ米政権が安倍首相の参拝に異を唱えるとは思われない

なんて「嘘つけ」としか思えないし、

>中国とは今秋、日中平和友好条約締結40年を迎え、良好な関係にある。

なんて、いや安倍だって日中関係を壊さないために靖国参拝を自重しているんじゃんということでしかない。もちろんそんなことを理解しないほど百地だって狂信者でも馬鹿でもないでしょう、

が、ここで百地が、彼の内心がどうかはともかくとして、「中国の意向なんか関係ない。さっさと参拝すればいいんだ」とか「中国との関係なんてどうでもいいんだ」とか主張しないのは、やっぱりそう主張しても安倍の不評を買うだけだ、みたいな認識があるんですかね(笑)。ほーんと、どんだけ安倍には甘いんだか。

それにしても上の引用ではわざと省略したのですが、

>国民に元気と活力を与えてくれたことは間違いなく

のつづきは、

>参拝しにくい事情があったことも良く分かる。

というのも笑っちゃいます。てめえ安倍晋三以外だったら絶対そんな優しいこと言わないだろ、このクズ野郎と思いますが、しかしつまりは安倍といえども靖国参拝は難しい、ということを(語るに落ちるかイヤミか皮肉かはともかく)認めちゃっているわけです。右翼の連中としては、しかし安倍にはそのような状況でも無理をしてもらいたいと思っているわけだし、だから今までも安倍絶対支持を通してきたのでしょうが、しかし今回の宮内庁の仕打ち(連中からすれば「仕打ち」でしょう)は、よりによって安倍政権でこれかよと絶対考えているでしょうね。

いずれにせよこのような安倍晋三に対する異常な甘さ、遠慮、忖度その他は、たぶん安倍が首相を辞任しても続くんですかね。やはりほとんどの右翼連中は、「安倍の野郎、我々の期待を裏切りやがって」なんて安倍をののしったりしないんでしょうねえ。それは安倍に遠慮しているということもあるでしょうが、たぶん自分たちが安倍を過大評価したということを認めたくないという部分もあろうかと思います。拉致被害者家族がいまだ安倍や巣食う会を批判したり決別しないのも、いまさら連中を信頼しているというより引っ込みがつかないとかそういう側面のほうが大きいでしょう。愚かにもほどがあります。そしてこのようなクズ首相への支持がまた高い(さすがに積極的な支持ではないとは思いますが)。なんとも無様で無残な光景です。

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