ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

荒勝文策教授の暴言を思い出した

2021-08-15 00:00:00 | 社会時評

8月6日から、映画『太陽の子』が公開されました。それでこの映画に関する記事を読んでみました。黒崎博監督(NHK職員)へのインタビューです。

『映画 太陽の子』で三浦春馬扮する息子を母親役の田中裕子はなぜ抱きしめずに耳を触ったのか

その記事を読んでいて、気になったところを。

>――柳楽さんは風変わりで複雑なキャラクターの主人公ですね。キャスティングについては、監督として3人の役者を見ていて、この人が向いていると判断されたのでしょうか。

黒崎 確かに主人公は、風変わりなヒーローだと思います。劇中では実験バカと呼ばれていますけど、科学オタクだし、それをどう表現したらいいのか。何より僕が難しい、大事だなと思ったのは、どこかで狂気をはらんでいることです。どこまで正しくてどこまで間違っているのかはわからないけれど狂気をはらんでいて、自分が何かを見つけたいという思いの果てにはどこかで誰かを傷つけても構わないと思っているような傲慢な科学者の狂気。誰かを殴るとか暴力的な表現ではなくて、静かに自分の内面でだけ燃えさかる青白い炎、アカデミックな狂気を演技で表現するとどうなるのかは脚本を書いていながら、それを託せる俳優は柳楽くんしかいないなと思いました。

――広島、長崎に続いて、次に京都に原爆が落とされるという噂があって、主人公は、それを自分の目で見たいと言うわけですが、そのへんも今おっしゃった科学者のある種の狂気ということですね。

黒崎 そうですね。元々京都に3発目が落とされる噂は実際にあったみたいです。なので町の多くの人がそのことを知っていたと思います。あと、これはどこまで探っても事実かはわからないですが、荒勝文策という教授がチームのみんなに、京都に落とされるんだとしたら比叡山に登ってそれを観察しようじゃないかと発言したという記録があります。僕はこれをたとえフィクションだとしても、ぜひストーリーに取り込みたいと思いました。

いくらなんでも「おいおい」というエビソードですが、荒勝教授のWikipediaにも、その話は出てきます。

>なお、当時助教授だった木村毅一によると、広島から京都に戻る際、荒勝は京都に3発目の原爆が投下されるという噂(実際に米軍は京都への投下構想を当初より抱いていた)に接して「原子物理学者としてこれは千載一遇の好機だ。急いで比叡山の頂上に観測所を造って、原爆投下から爆発の状況など、あらゆる角度から、写真や計器を使って徹底的に観測してやろう」と述べたという

黒崎監督は慎重に 

>これはどこまで探っても事実かはわからないですが

>僕はこれをたとえフィクションだとしても

と語っていますが、荒勝教授の暴言が表に出たのは1968年頃であり、荒勝教授が亡くなったのが73年です。生前に明らかになったというのはたぶんそれなりの覚悟があって表に出たということなのでしょうから、やはりこれは事実だったのではないかと私は考えます。もちろん公文書ではなく私的な会話ですから、そのような発言があったということの確認は現実問題として難しいでしょうが、さすがに荒勝教授としてもこの発言は「黒歴史」でしょうから、存命中に明らかになったということは、たぶん荒勝氏もそれを否定することができなかったのだろうなと思います。

私はこの話を、池内了氏の本で知りました。その前にも、なにかで聞いたような気もします。

科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか

純粋数学とかならまだいいですが、こういうことではどうしようもないですね。もちろんここまでひどい人はそうはいないでしょうし、たとえば天皇即位30年式典に出席して祝辞を述べたり元号懇談会に呼ばれたり、「科学者として、過去の知見を大事にしながら新しいものを見出していくのが仕事なので、素晴らしい元号だと思う」と語ったという山中伸弥教授のように、「研究さえできればいい」「権力への批判精神皆無」な人なんでしょうね。山中氏はさすがに荒勝教授よりははるかにまともでしょうが、しかし彼も、自分の立場とかいろいろなことをよくわかっていない人間なのでしょう。荒勝教授の下で原爆研究をした後反核運動に熱心だった湯川秀樹、あるいは世界平和アピール七人委員会に参加していた(湯川も参加していました)朝永振一郎らとはえらい違いです(呆れ)。

ところで以前、ご当人の名誉と個人情報保護のため名前ほかは秘しますが、ある学者の暴言をbogus-simotukareさんと私が批判したところ、某人物がその学者の研究能力の高さを考慮すべきだといってその学者をかばったので、私たちはそんなこと関係ないと反論したのですが、某人物は、学者の研究能力をもってその学者の暴言や不始末を擁護するのなら、荒勝教授、山中氏、あるいは何回か拙ブログでも批判している楊海英教授らも擁護しろですね。でなければ、その学者擁護は即刻撤回しろです。どうせこの人物は、さすがに荒勝教授の擁護などしないでしょう。それは単に、北朝鮮についての言論から完全に逃げ出した関川夏央同様に、自分の書いていることに無責任なクズでしかありません。

もはや韓国(人)にとっては、北朝鮮は「脅威」「打倒の対象」よりもメロドラマのネタ程度のものなのだろう(たぶん日本も同じ 関川某も自分の書いたことを撤回しろとおもう)

核物理学とまではいわずとも、学術研究というものは、その成果がとんでもない影響を社会にもたらし得ます。広島の惨状を見た後で

>原子物理学者としてこれは千載一遇の好機だ。急いで比叡山の頂上に観測所を造って、原爆投下から爆発の状況など、あらゆる角度から、写真や計器を使って徹底的に観測してやろう

などと語っているようでは、学者としてというより人間としてダメダメダメだし、それは学問研究能力が優れているとかいうことで免罪・免責されるようなものではないでしょう。

なおこの記事は、bogus-simotukareさんのいくつかの記事(事情があって、この記事では直接の記事の紹介は控えます。検索されればわかるでしょうが)を参考にしました。感謝を申し上げます。


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