ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

ビョルン・アンドレセンのその後

2008-11-26 22:44:14 | 映画

ビョルン・アンドレセンは、現在でも日本の映画ファンのあいだではけっこう知名度の高い俳優でしょう。もっとも日本では、「ベニスに死す」のほとんど1本でしか知られていません。ただし彼の出演映画は、この作品以外にもたくさんあります。

今回、ちょっと彼について記事を書いて、彼の近影も紹介したいと思います。ただし、もしかしたらイメージが崩れると思う方もいるかもしれません。だとしたらごめんなさい。

アンドレセンは1955年1月26日、スウェーデンの首都ストックホルムに生まれました。5歳の時に父親が家出をして母親が自殺、祖母に育てられたといいますから、あまり幸福な少年時代というわけではなかったようです。音楽に親しみ、ロックグループなどで活動していました。

下の本には、彼がギターを弾いていたり仲間と演奏していたりする写真も収録されていました。ちょっとこの本が手元にないのですが、なかなか貴重な本です。

   

彼は、1970年の映画(撮影は69年だったようです)の「純愛日記」(ロイ・アンダーソン監督)に、主人公の友人役で出演しています。この映画は2008年に「スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー」として日本で再公開されました。私もこの映画を見ていて、「あれ、ビョルンに似ている人がいるなあ」と考えていたら(予備知識がなかったので)、あにはからんや彼そのもので驚きました。ハンサムではありましたが、だからといってこの映画での彼に「ベニスに死す」でのタッジオを求めても無理です。あれはまさに、ヴィスコンティのつくりあげた一瞬の姿だったのだと思います。

そして、タッジオ役の少年を求めて欧州中をさがしあるいたヴィスコンティが最終的に見出したのが、ビョルンです。



しかし当時15歳ほどの少年だったビョルンにとって、バリバリのゲイだったヴィスコンティらとの出会いは、けっして幸福なものではなかったみたいです。

アンドレセンは語っています。

>「ベニスに死す」に出演した後、ぼくはたくさんの米国の新聞から同性愛者だと書き立てられました。すべてたった一本の映画からです! ずっとそうじゃないんだよと言い続けました。それがぼくを絶望的にしたり、さらに偏見をあびるようになったり・・・だから、そういったもろもろのこととはかかわらないようにするのが一番だと考えているんです。

さらに彼は語ります。

>ぼくは16歳で、ヴィスコンティと撮影スタッフが、ぼくをゲイのナイトクラブへ連れて行ったんです。まわりはほとんどみんなゲイでしたね。クラブのウェイターたちを見ていて、ぼくはすっかり気持悪くなってしまいました。彼らったら、ぼくをあたかもごちそうみたいな視線で徹底的に見つめるんです。なんの反応もできませんよね。社会のなかで自ら命を絶つようなものでした。でもそれが、さんざんそんな目にあう最初だったんです(以上、出典はこちら)。

日本でいえば、高校生くらいの年齢の少年には、ちょっと強烈過ぎた経験だったかもしれません。

(たぶんあまり気はすすまなかったでしょうが)彼は、映画のキャンペーンで日本にも来ています。明治製菓のCFにも出演したとか。さらにレコード(CDじゃないですよ)も制作し、雑誌「anan」にも登場しています。こちらのサイトにその時のことが紹介されています。これ、あとで確認してみます。

しかし遺憾ながら映画はヒットせず、一部の熱心なファンに彼は知られる存在となりました。

その後彼は、77年に映画界に復帰、80年代にそれなりに映画出演をしました。83年に結婚、2人の子供をもうけましたが、息子さんを突然死で亡くしています。これによって離婚したそうですが、復縁したそうです。21世紀になってふたたび俳優活動を続け、音楽活動も並行して行っています。すいません。記事が予想以上に長くなっちゃったので、最後のほうは大幅に省略しました。

2005年の「パリ・マッチ」誌に彼の記事が載っているそうですので、さがして見つかったらこのブログで記事を翻訳したいと思います。

今のところ、彼の最後の俳優活動は、2006年のスウェーデンのテレビドラマ「Världarnas bok」です。かれは、「Alexander」という役でわき役出演をしています。ドラマの内容については、調査不足で不明ですが、「本の世界」くらいの題名で、一種のファンタジーのようです。これくらいしかわかりません。ごめんなさい。

彼は、さらにミュージシャンもやっています。英語版wikipediaでも、musicianと紹介されています。ある意味、現在でもそれをやっているんだから大したものではあります。もっともそれで食えているのかは知りません。普通のサラリーマンみたいなこともやっているんですかね。

調べましたが、彼個人のHPみたいなものはないようです。私は以前ちょびっとスウェーデン語を勉強したことがあります。もちろんものになるようなものではありませんが、スウェーデン語がもう少しできるようになったら、スウェーデンでの彼の情報ももっと調べてみたいですね。

彼については、なにかわかったらまたごってり記事を書くとして、お待ちかね(でないかもしれませんが)の彼の近影をご紹介しちゃいます。ドイツの雑誌「シュテルン」のサイトにこれらの写真はあります。これらの写真がいつごろの写真かは、調査不足で不明です。(2015年1月11日追記:2002年のインタビューがシュテルンのサイトに残っていますので、たぶんその時のものだと思います)





こういっちゃなんですが、やっぱり雰囲気は違いますね。それはそうと、彼の本当の髪の毛の色って、こういう色なんですかね。

現在彼は、ストックホルムで、奥さんと娘さんと暮らしているそうです。

調べてみると、いろいろと興味深い情報も発掘できそうです。アニセー・アルヴィナやトレイシー・ハイドその他の人たちとともに、これからも彼の軌跡を探求したいと思います。

2011年2月19日追記:最近のビョルンの姿をこちらの記事でご紹介しました。また上の「シュテルン」のサイトは、すでにリンク切れになっています。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (anupam)
2008-11-27 00:01:32
すばらしい!

調査結果に大満足です。

本人が意図していないところで1発屋になってしまった人は大変ですね。

それにしても、中年以降、あまりにも顔に肉がないと「不幸」そうに見えるね。
シャープな輪郭は好きだけど、これじゃね~~

「薄幸ダイオード」です
>anupamさん (Bill McCreary)
2008-11-28 19:51:11
お忙しい中、コメントありがとうございます。

ビョルンについては調べるとかなり書くネタがありそうなので、私ももっと調べて面白い記事を書くつもりです。それから、言うまでもなくヴィスコンティとの写真は貴ブログから拝借しました。ありがとうございます。

それはそうと、現在のビョルンて、ずいぶん顔が細長いですよね。これにはちょっと驚きました。

なお、上の写真ではギターを弾いていますが、現在の彼は、もっぱらキーボードを担当しているようです…。
Unknown (piza)
2009-07-13 20:24:31
ビョルンの事、今まで全く知らなかったのですが、エドワードファーロングからビョルンにたどり着きました。
世の中にあんなに美しい人がいるなんて・・・。一目で完全に撃ち抜かれてしまいました。

それ以来いろいろ調べていましたが、ここの充実した内容に満足しました。

今のお姿も初めて見た時はびっくりしたけど、あの年齢のおじさんにしたらかっこいいかも・・・。

またいろいろ教えてくださいね。

>pizaさん (Bill McCreary)
2009-07-13 23:51:16
はじめまして。コメントありがとうございます。

>ここの充実した内容に満足しました

ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しく思います。

この記事を書いてから、ずいぶん時間も経ちました。このあと全然彼について調べていないなあとちょっと反省しています。

彼についてはこれからもいろいろ記事にはするつもりです。気が向いたら遊びに来てください。

それではまた。
ぬおぉぉぉぉぉぉぉっ!!! (アゲハ)
2010-01-07 23:39:39
凄い!!!!!
まるで火山の噴火のような情報を有難う御座います。(感謝感激雨あられ溶岩流出)
アンアンってそんな歴史ある雑誌だったんですか、知らなかったわぁぁ。
今度図書館で探してみようかなぁ。
コピー欲しいわ。

映像で見る彼はあんなにも美しく艶やかなのに、信じられない程の時間がその上に流れているんですね。
残酷な気がします。
エクセルシオールホテルに、夜、道化の楽師が招かれて演奏しながら、バルコニーに立っている彼に近づくシーン、あの時の彼は魔物に魅入られないかと危ぶむくらい美しいです。

ユーチューブで、大天使のお芝居している彼の姿を見ましたけど、なにせ不鮮明だし、言葉がサッパリ....。

エクセルの..随分と大人びてますね。
背もたっけー!!!!っていう印象。
スゥエーデン人って世界的に背が高いらしいし。
ああ、心臓がダンスしてましたが、ようやく鎮まりました。
有難う御座います。
>アゲハさん (Bill McCreary)
2010-01-07 23:54:03
おおっと、シネマトリックスさんの常連コメンテイターでいらっしゃるアゲハさんじゃありませんか、ようこそいらっしゃいました。たまにはこのような記事も書いていますので、よろしかったら遊びに来てください。

>火山の噴火のような情報

いやあ、なかなか彼の情報も仕入れるのが大変でした。ほとんどこの映画でしか世間で知られることはありませんでしたからね…。スウェディッシュ・ラブストーリーはご覧になりましたか。日本で「ベニスに死す」以外でまともな動く画像を見られる数少ないソフトです。あと、上に紹介した本は、彼の貴重な写真がたくさん載っていますから、よかったら見てください。

この記事を書いたあと、全然彼について調査していませんが、でもいつの日かまた彼について記事を書きます。その日を楽しみにしてください。

ただ、やはりビョルンの顔は、だいぶ変わっちゃっていますね…。
ビョルンって (yoyo)
2011-08-14 03:32:41
本当はブロンドじゃなかったんですね。
意外でした。
>yoyoさん (Bill McCreary)
2011-08-14 09:18:51
はじめまして(ですよね?)

ほかの記事でも紹介しましたけど、1971年の写真をみても彼の頭は茶色ですからブロンドではないですね。しかしそうすると、上のギターの写真の髪は染めているんでしょうね、きっと。
Unknown (ブロンドじゃないというより・・・)
2011-08-18 22:29:42
所謂白人さんでも、子供のころはブロンドだったのが加齢と共に毛髪の色が暗くなることはよくあることですよ。
年少のころは絵に書いたようなブロンドだったのが十代後半にはブリュネットになる人までいるくらいです。
北欧の人でも生涯地毛がブロンドの人はごく一握り、上の写真を見る限り典型的な元ブロンドから変化した感じに見えますので、一概に金髪に染めていたとは言い切れないとおもいますよ。
>ブロンドじゃないというより・・・さん (Bill McCreary)
2011-08-19 01:55:21
>謂白人さんでも、子供のころはブロンドだったのが加齢と共に毛髪の色が暗くなることはよくあることですよ。

ええ、たしかにそういう例はおおく見かけますね。ただ

http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/b17afa7ea3f391b15298109f654c7173

で紹介した1971年の写真では彼の髪の色はかなり濃いので、やはり染めているんじゃないんですかね!? もちろんこの写真で逆にブルネットに染めている可能性はあります。いずれにせよ、1970年と1971年ではぜんぜん髪の毛の色がちがいます。

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