ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

対価なくして北朝鮮から拉致被害者が帰ってくるのか

2016-12-09 00:00:00 | 北朝鮮・拉致問題

荒木和博が、こんなことを書いていました。

> 思い過ごしであれば良いのですが、最近プーチン大統領訪日などにからめて出てくる北方領土返還に関する話は何か拉致問題と通じるような気がしています。

 どんなところかと言えば、本来国後・択捉・歯舞・色丹、いわゆる北方四島は日本固有の領土が奪われたものであるにもかかわらず、ロシアとの交渉の中で玉虫色にして、二島で終わらせて、本来守るべき原則を放棄しようとしているのではないかと思えるからです。

 拉致問題でも2年前のストックホルム合意の動きは何人かを帰国させ、日本国内ではまだ続いているとしながら実質的には棚上げをしようとするものでした。最近またODA目当てなのか、ゼネコンが北朝鮮がらみで動いているとの噂もあり、そんなことも連動しているのかも知れません。

 二つの問題に共通するのは安倍総理、あるいは総理を取り巻く人々に、「国家としてこれだけは絶対に譲れない」というものがないのではないかということです。領土は一寸たりとも侵させない、国民は一人たりとも奪わせないという意識が希薄なのではないか、そんな気がして仕方がありません。

まあつまり荒木の立場としては、拉致被害者の全員救出、北方四島の全部返還の確約がない限り、北朝鮮への経済援助やロシアとの経済協力などはするべきではない(してもやらずぼったくりにならないか)という意見なのでしょう。

ただこういうことというのは、私は、そのようなリスクは仕方ないと思いますね。世の中、リスクは覚悟の上でしなければいけないこともたくさんあるでしょう。逆にそのようなリスクを犯すくらいならしなくていいとなれば、その件はだめだということになるかと思います。

それはそうですよね。いや、別にいいんですよ。ロシアへの経済支援なくして北方領土が返ってきたり、身代金を払わないで「イスラム国」にとらわれている人質が解放されたり、何らかの対価(経済支援ほか)なくして北朝鮮から拉致被害者が帰ってくるなら、それはそうすればいいわけです。そして現状それはできないわけです。

前にも書いたように、私の知る限り、対北朝鮮への強硬政策なるものが功を奏して拉致被害者が帰国した、ということを立証する証言や証人、文書は見当たりません。私が知らないところにはあるのかもですが(ないと思います)、仮にあったとしても何らかの対価のほうがはるかに北朝鮮側を動かしたことは一目瞭然です。ただ巣食う会も家族会も、それを認めたくないから認めないだけです。

つまりはすでに巣食う会も家族会も、拉致被害者の安否より、北朝鮮撃滅のほうに興味があるということですね。荒木和博が、経済制裁に意味がないという指摘をさんざん受けてもその件で引っ込まないのは、自分の誤りを認めたくないということと、あとはなんだろうが北朝鮮(ロシア)にはいかなる支援もしたくない、支援するくらいなら、拉致被害者(北方領土)など帰ってこなくていいと考えているんでしょうね。だから、彼は、金大中氏に

>「金大中事件のときに殺しておけばよかったんだ」

というような暴言(他人の発言という形式ですが、彼がそう考えているということでしょう)を発するわけです。私は

>金大中氏のアドバイスや具体的に動いてくれた林東源氏については、私は拉致被害者(家族)の直接の関係者ではもちろんありませんが、本当に感謝したいですね。彼らの助言や行動が、日本人拉致被害者の帰国に何らかの形で寄与したのですから、拉致被害者の日本帰国を「よかった」と思うのであれば、金大中氏のほかの政治姿勢に批判的であるとしても、少なくともこの件では、金大中氏らに感謝をすべきだと思います。

と書きましたが、荒木が金氏に暴言を吐くのは、つまりはそういうことでしょう。彼には、拉致被害者が帰国するより北朝鮮を打倒することのほうがよっぽど大事だということです。

それで問題なのが、そのような無責任な態度を批判するbogus-simoatukareさんや私のような立場の人間と、荒木その他の人間のどちらを拉致被害者家族が支持するかというと、けっきょく荒木のような連中だということです。でなければ、蓮池透さんが家族会から追い出されるわけがない。北方領土の元島民(あるいはその子孫)の人たちが、ロシアに一切の援助をすることなく北方領土を取り戻せと主張しているかどうかは知りませんが(たぶんそんなことはないと思います)、少なくともイスラム国の人質の家族は、そういうことをあからさまに主張するとか、そう主張することを支持するということはないと思います。家族関係が悪くて、人質となった人が見捨てられているなんてことだったら、あるいはそういうこともあるかもですが、それは話の次元が違うでしょう。

だいたいマスコミだって、日本政府のロシア援助を「悪い」とか批判をしないわけです。全くしないわけではないが、あまりしていない。それはなぜかというと、安倍を批判したくないという部分もあるでしょうが、現実問題として何の見返りもなく領土返還なんてできない相談だという認識でいるということじゃないですかね。それはそうです。「不法占拠なんだから、我々は何の見返りをしないで北方領土返還を要求できる」なんて主張を仮にしたところで、ロシアだって相手にはしてくれません。

しかるに拉致問題ではそういう話がまかり通るわけです。これじゃあどうしようもないですね。そう考えると、日本政府もいいかげん大要「拉致被害者の全員帰国を前提とする」なんていうフィクションは撤回しなければいけませんね。あまりに現実性がない。安倍晋三がそんなことをするとも思いませんが、いずれにせよ安倍あるいはポスト安倍の首相である誰かがしなければいけないことでしょう。

だから、安倍から国会答弁で否定されたにもかかわらず、拉致被害者の自衛隊による奪還なんていうフィクションに、巣食う会も家族会も固執するのでしょう。北朝鮮が騒乱状態になったときに自衛隊を派遣して拉致被害者を救出するなんて、蒋介石の「大陸反攻」なみのフィクションであって、現実性がありません。私が拉致被害者家族なら、「そういう現実性のない話はやめよう」といいますが、そんなこともいえないんですかね。みんながみんな、そんなフィクションを真に受けているとは思いませんけどね。

しかしそういうことだったら、拉致被害者家族会も、拉致被害者帰国という建前を撤回すればいいんじゃないんですかね。飯塚会長名で、大要「拉致被害者全員帰国は断念した。今後は、金正恩体制打倒に全力を尽くす」とか発表すれば、離れていく人もいるでしょうが、さらに支持をする人もいるでしょう。そちらのほうが行動の一貫性が通じます。

なおこの記事は、bogus-simotukareさんの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。

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