ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

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タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

意外なほどの大差だった(沖縄県知事選挙)

2018-10-02 00:00:00 | 社会時評

沖縄県知事選挙で、野党の推す玉城デニー氏が勝利しました。

沖縄県知事選 玉城デニー氏 初当選
2018年10月1日 5時00分

沖縄県知事選挙は30日に投票が行われ、野党が支援し、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設阻止を訴えた前衆議院議員の玉城デニー氏が、初めての当選を果たしました。

沖縄県知事選挙の結果です。

▽玉城デニー(無所属・新)当選、39万6632票
▽佐喜真淳(無所属・新)31万6458票
▽兼島俊(無所属・新)3638票
▽渡口初美(無所属・新)3482票

野党が支援した前衆議院議員の玉城氏が、自民・公明両党などが推薦した前宜野湾市長の佐喜真氏らを破り、初めての当選を果たしました。

玉城氏は沖縄県出身の58歳。タレントとして活動したあと、平成21年の衆議院選挙で初当選し、自由党の幹事長を務めています。

玉城氏は、8月に死去した翁長知事の遺志を受け継ぐとして、政府が進めるアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設阻止を訴え、知事を支持してきた共産党や社民党などの支持層を固めたほか、いわゆる無党派層の支持も集め、初めての当選を果たしました。

玉城氏は「翁長知事の礎を継承し、発展させていく。埋め立て承認の撤回を支持し、名護市辺野古への移設反対をぶれずにやっていく」と述べました。

対する佐喜真氏は、地域経済の振興などを訴え、自民・公明両党の全面的な支援を受けましたが、及びませんでした。

一方、宜野湾市の市長選挙も30日に投票が行われ、自民・公明両党などが推薦した前副市長の松川正則氏(65)が初めての当選を果たしました。

玉城氏「翁長知事の礎を継承・発展を約束したい」
玉城氏は「本当に身の引き締まる思いでいっぱいです。翁長知事の礎を継承し、発展させていくことを約束したい。埋め立て承認の撤回を支持し、名護市辺野古への移設反対をぶれずにやっていく。対立や分断を持ち込んでいるわけではなく、経済については国としっかり協議をしたいが、県民が認められないものはしっかり政府に突きつけていく」と話していました。
佐喜真氏「申し訳なく思う」
佐喜真淳氏は「結果は私の不徳の致すところで申し訳なく思う。まだ、つぶさに結果を見ていないので、すぐに話はできないが、4つの党や各種団体の推薦を受けて戦ってきたが、『県民の暮らしが最優先』という訴えが県民に浸透できなかった」と述べました。

(以下略)

事前に報道されていた世論調査などからして、やや玉城氏が有利とは思っていましたが、3~4ポイント差くらいの勝利かなと個人的には予想していました。が、この選挙についてのWikipediaから数字を借りれば、玉城氏が55.07%、政府与党が推した佐喜眞淳氏が43.94%と、実に11ポイント以上の大差となりました。しかも前回翁長雄志氏が現職を破って勝利した2014年の知事選では、翁長氏と現職では、投票ポイントは14.4ポイントの差がありましたが、その時は公明党が自主投票に回ったのに対して、今回は公明党も全面支援でしたから、それもかんがみれば、今回は相当な圧勝ということになりそうです。また2014年選挙では、下地幹郎氏が立候補して、彼も7万票近い票(9.9ポイント)を得ていますから、下地氏が立候補しなかった場合、それらは現職に投票する票が翁長氏に流れる票より多かったでしょうから、そうなると2014年の10万票近い差よりも、今回のほうがより大きな勝利かもです。

以前下の記事を書きました。

ポスト翁長氏にがんばってほしいが・・・

その中で私は、

>次の知事選も厳しい戦いになるでしょうし、安倍政権側の攻勢も激しくなるでしょう。非常に厳しい状況になることは間違いないところですが、ここは本当に気合を入れて頑張るしかなさそうです。沖縄に住民票のない私がこんなことを書くのもなんですが、本当に期待したいと思います。

と書きました。私の予想がよい意味で外れて大変うれしく思います。あとは、玉城氏にどれだけがんばってもらうかですね。私は沖縄県に住民票がある人間ではないので、「がんばってくれい」としか言えませんが、ともかく期待します。それ以外に何もできないので。

それで、公明党幹事長の敗戦の弁がどうもなあですね。

>公明・斉藤鉄夫幹事長「敗因は知名度不足」

 公明党の斉藤鉄夫幹事長は30日夜、沖縄県知事選で、推薦した佐喜真淳氏が敗北したのを受けて談話を発表し、「大変に残念だ。敗因は知名度不足と佐喜真候補の人柄、能力、実績を全県に浸透させる時間がなかったからだ」とした。

 その上で「新知事には県民生活の向上、普天間基地の危険除去という佐喜真候補が訴えた政策も考慮に入れた県政を望みたい」とした。

いや、敗因は基地問題でしょう。知名度不足なんてその次の話です。そんなこと全部わかっているくせにねえ。

だいたい佐喜真氏は、7月の段階で、立候補を受託しているわけで、翁長氏の死去で選挙が早まったとはいえ、そんな話をしたってしょうがないでしょうに。

さてさて、今回の選挙で私が興味深く読んだのが、こちらの記事です。

沖縄県知事選 玉城デニー氏が初当選 「菅官房長官と小泉進次郎氏の演説で失敗」(自民党幹部)

以下要所を引用します。

>4年前に翁長氏に負けた瞬間から、4年後に勝つためにやってきた。告示前から、二階幹事長を筆頭に、小泉進次郎氏も3回も沖縄入り。公明党も山口代表以下、幹部が続々と現地に入った。新潟県知事選挙で勝利したように、期日前投票で圧勝して貯金をつくり、当日は互角で勝つ戦術だった。だが、自民党、公明党の支援者でも辺野古など基地移転問題では反対を示す離反者が続出した。玉城氏の演説会に創価学会の三色旗を振る人まで出て、票が流れてしまった。とりわけ、これまで安倍首相に代わって厳しい姿勢を沖縄にとり続けていた菅官房長官が現地入りし、進次郎氏と一緒に演説したことが、失敗だった。辺野古のへの字も言わず、携帯電話の値下げの話などを延々と喋り、『帰れ』と怒号まで飛び交う始末だった

こちらの記事も必読です。

玉城デニー圧勝の理由を選対幹部が明かす「本土頼みで自滅した佐喜眞陣営、沖縄主体で勝利」

>いくら翁長知事の弔い選挙だといっても、正直、勝つのは難しいと思っていた。それが、相手のキャッチコピーを聞いたときに『勝てる』と思った。佐喜眞氏のコピーは『対立から対話へ』。これはおかしいよね。沖縄に対立を持ち込んだのは本土の人間でしょう。広告代理店なのか、選挙参謀なのか知りませんが、沖縄の歴史をまったくわかっていない本土の人間が選挙やっているんだなと思った

> いまや日本で最も演説会での動員力があると言われている進次郎氏。“客寄せ神話”は崩壊してしまったのか。

「崩壊というには、彼にはかわいそうかも(笑)。というのも、一緒に演説したのが菅さんで、『携帯電話料金の値段を4割下げる』と言ったからです。知事にも官房長官にもその権限はない。そんなことは誰でもわかること。『沖縄県民をバカにしているのか』と多くの人が思ったはずです」

>ある国会議員は、世論調査でも基地問題が最大の争点になっているのに、戦争中の話をわざわざ持ち出して、『沖縄の人たちはよく戦ってくれた』という話をしました。たしかにその通りなのですが、玉砕させたのは本土の人間でしょう。沖縄の人は、本土の人がこういう“愛国漫談”をすると、トゲに触れたように敏感に反発する。なぜ、佐喜眞陣営はこんな話をするのを止めなかったのか。おそらく、安倍政権には何の意見も言えないんでしょうね。そのことがわかって自民・公明の支持者が逃げた

>そのほかにも、小池百合子・東京都知事や石破茂・元自民党幹事長など、次々に大物議員を投入したが、すべて不発に終わった。

「もちろん、野党も幹部議員が沖縄に来ましたよ。しかし、スポットで演説することはあっても、できるだけ目立たないようにした。これは、新潟県知事選で野党の党首達が一斉に演説して、新潟の人たちが反発したことの反省からでした」

菅の携帯電話の話は、大変評判が悪かったようですね。電話料金とかは旧郵政省、現総務省の話です。

コメント (2)
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