ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

相撲部屋リンチ事件に思う

2009-06-07 05:19:51 | 社会時評
少し旧聞ですが、元時津風親方こと山本順一被告に名古屋地裁は懲役6年の判決を言い渡しました。



(写真は、保釈されて名古屋拘置所を出る山本被告です)

求刑が7年ですから決して温情判決とは言いませんが、しかしご遺族からすれば甘い判決ではなかろうかと思います。

>元時津風親方に懲役6年 名古屋地裁、ぶつかりけいこ制裁
2009年5月29日(金)13:41

(共同通信)
 大相撲時津風部屋の序ノ口力士時太山の暴行死事件で、傷害致死罪に問われた元親方山本順一被告(59)の判決公判が29日名古屋地裁で開かれ、芦沢政治裁判長は懲役6年を言い渡した。兄弟子は執行猶予付き有罪判決が確定しているが、元親方は事件を主導したとして実刑判決。元親方の弁護側は即日控訴した。芦沢裁判長は「元親方が兄弟子らに暴行を指示。ぶつかりげいこは制裁目的」と指摘。

記事は、こちらから引用しました。

この事件は、親御さんが逃げ出した少年を部屋にもどしたりと、やや一筋縄ではいかない部分もあるのですが、それにしても相撲協会やこの親方の対応や態度はひどいですね。ただし事実関係で分からない点が多いのはもちろんであることは前もって断わっておきます。個人である親方よりも、本質的には相撲協会のほうがより問題ではないかという気もします。

たとえばプロスポーツで、野球やサッカーなどで監督の指示(というのは極めて考えにくいものがありますが)で先輩が後輩にめちゃくちゃなしごきをして死なせてしまう(これは全くあり得ないでしょうが)といった事態が生じた場合、そのチームなり上部組織(サッカーならJリーグなり日本サッカー協会なり)なりは、遺族のもとへ飛んでいきますよね。ところが元親方も相撲協会側も、お話にならないろくでもない対応しかとらなかったみたいです。親方は当事者なので、ある意味どうしようもないところもあるのかもしれませんが、相撲協会はちゃんと顧問弁護士だっているのだから、真相はともかくとりあえずけいこ中に亡くなった力士については遺族の家に弔問にいくのは当然でしょう。そんなことすらできないのでは、非常識もここに極まったりです。

相撲の世界というのは、ご存じのとおりある種特殊な社会で、世間一般の常識が通用しない社会ではあるということはわかります。前にこのブログで紹介した言葉を使えば、「日本じゃない」ところかもしれません。しかし、人間の命といった究極の問題にたいしてすらそんな態度しかとれないところには明日はありません。消防士は公務員で身分が保障されているし最悪殉職したらそれなりの保証があります。しかし下っ端の相撲力士では・・・・。

私は相撲ファンではないし、テレビ中継を見ることもないのですが、私に限らずそういった相撲協会の時代錯誤で非常識な体質に愛想を尽かしている人は多いはずです。で、こんなところに自分のかわいい息子を入れようとする親は、そうとうな物好きに限られてしまいますよね…。

以下余談です。福岡県大牟田市で4人が殺害され、家族4人全員に死刑判決が言い渡されるという特異な事件がありました(4人とも現在上告中)。で、ご存知の方も多いと思いますけど、犯人である2人の子供は、元力士でした。私の知っている男の中に、力士になって廃業したあと恐喝事件を起こして警察に逮捕された人物もいます。前者はもちろん非常に極端な事例ですが、どうも相撲を廃業したあとこういったゴロツキというかロクデナシになる人って少なくないんじゃないんですかね。彼らは相撲に入る以前から「札付き」だったのかもしれませんが(私の知人はそうでした)、私見では相撲部屋での暴力体質が彼らのもともと粗暴な素質をさらに悪く増幅させた感が無きにしも非ずです。

もし、「そんなことはない。彼ら個人の問題で、相撲協会と相撲部屋はきっちり部屋にいる最中は管理している」と主張する(する人もあんまりいないでしょうけど)なら、相撲協会は今回の事件についてもう少しまともな対応をしてほしいと強く思います。
コメント
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