佑四郎のあれこれ写真

あれこれ写真

サザンカ

2013-12-07 17:25:08 | Weblog






 今週は、ビッグデータ関連のフォーラムを聴きに行きました。
 この分野で繰り返し紹介される今年の大きなイベントは、
今春に行われた将棋電王戦でコンピュータ側が勝利したことです。
戦績は、コンピュータ側の3勝1敗1分で、現役プロ棋士が敗北
しました。
 富士通の講演者であるキュレーターの高梨益樹氏によると、
かつての将棋ソフトは、アマチュア有段者のレベルでした。
開発者の固定観念、先入観、主観などによりパラメータを
設定することから、パラメータの数は約500にとどまりました。
それに対し、2005年以降から機械学習を採用した今日の将棋
ソフトは、約1億パラメータだそうです。集められるだけ
集めて、6万局のプロ棋士の棋譜データを網羅しています。
各駒の価値を点数化(例えば、歩:87点、角:569点)し、
駒と駒の位置関係などから、「局面評価関数」の最適な
パラメータを自動学習して、プロレベルに達しています。
人間が教えられないコツを、膨大なデータをもとに
機械が自動学習するという異次元レベルです。
 日立製作所の情報・通信システム社の技師長で
ある前田章氏は、「ビッグデータ活用で創る
新たなイノベーション」というタイトルで講演され
ました。
 経産省の情報経済課佐脇紀代志氏によると、
ビッグデータの利活用を開始している企業の割合は、
米国企業の9割に対し、日本企業は3割にとどまります。
ビッグデータについて、「聞いたことがない/あまり
よく知らない」と答えた割合は、米国企業の4.6%に対し
日本企業は42.6%という愕然とする調査結果を紹介して
いました。
 日本のモノづくりの強さは、米国が開発したコン
ピュータ数値制御装置を工作機械搭載するという
アイデアを世界に先駆けて導入したことです。
現在の日本企業の経営者たちは、先取の精神を失って
います。日本のベンチャー企業が開発した新技術・
新製品を、日本の大企業は役所ではあるまいし、
前例がないと採用を躊躇します。その結果、日本の
ベンチャー企業は韓国や台湾企業にアプローチします。
ビッグデータの利活用に出遅れることで、日本企業の
国際競争力がさらに低下しないことを祈るばかりです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする