ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

世界の首脳と呼ばれる人たちよ聞け!「Water, Not Weapons」

2017年05月18日 | 世界とわたし
武器や戦車を使い、人や町や文化を殺すことで、問題は何も解決しない。
 農業の復活、そのための用水路の建設こそが、アフガン復興の礎である。


Water, Not Weapons

戦乱と干ばつが続くアフガニスタン。
この地で、干ばつと闘い続けてきた医師・中村哲(69)。
始めたのは、用水路の建設。
渇いた大地に、再び緑を取り戻すまでの、15年の記録です。

アメリカ同時多発テロから15年。
今も戦乱の続くアフガニスタンで、干ばつと闘う日本人がいる。
医師・中村哲(69)。

「武器や戦車では解決しない。農業復活こそがアフガン復興の礎だ」

中村は白衣を脱ぎ、用水路の建設に乗り出した。
15年たったいま、干ばつの大地には緑がよみがえり、人々の平穏な営みが、再び始まろうとしている。
戦乱の地アフガニスタンに、必要な支援とは何か。
 15年にわたる、中村の不屈の歩みを通して考える。


↓以下の青文字の部分をクリックすると、きれいな画像で観ることができます。

はじめの部分だけをキャプチャしました。
ぜひこの、50分のビデオを、多くの方々に観ていただきたいと思います。


2011年9月11日の朝、私は、アメリカがテロ攻撃を受けたというニュースを、ジャララバードからの緊急電話で聞いた。


テレビのニュースは、いつもはすっかり無視している国の名前、アフガニスタンを連呼し始め、

ブッシュ大統領は、アメリカの国民に向けて、最強の国アメリカは、テロリストを倒すべく、直ちに反撃に出ると宣言した。


そして激しい攻撃が始まり、アフガンの人々の命や町が、激しく破壊されていった。
とてつもなく悲しい出来事だった。

日本人医師の中村氏は、アフガニスタンでずっと、人々の治療に当たってきた。

2001年の歴史的な干ばつで、アフガニスタンの農業は、膨大なダメージを受けた。

それに伴う飢餓によって、大勢の人たちが亡くなっていった。

中村医師:
医者を100人連れてくるより、水路一本造った方がいいんですよね。

中村氏は白衣を捨て、乾いた大地に水を運ぶ、水路建設の実行に乗り出した。


アメリカのヘリコプターが、彼らが働いている区域の空を、何度も飛び交っていた。

重機も機材も無く、砂埃にまみれ、重い砂袋を担いでいかなければならなかった。

何もかも人力での、とてつもなく大変な作業だった。


そして16年が経ち、この乾いた大地は、

緑が豊かに茂る草原に生まれ変わった。

これは、今も続く戦火の中で焼かれるアフガニスタンで、水路建設一筋に励む、医師中村哲の物語である。

水、武器ではなくて

発酵と音楽のおはなし

2017年05月17日 | 音楽とわたし
最近作り始めたザワークラウト。
前はあんまり好きじゃなくて、だから夫は、オーガニックのそれを自分のためにだけ買って食べていた。
味噌作りを始めたことで、発酵食品に興味がグンとわいてきて、すると勝手なもんで、ザワークラウトも食べるべきじゃないかと思えてきた。

そんな気持ちの変わり目に、オーガニック農場から野菜を買っているのんちゃんが、農場で作ったというザワークラウトをいっぱいくれた。
作り手が見えることもあったし、のんちゃんから「これはうまいよ」とイチオシされて、食べてみるかと口に入れた。

う、うまい!!

ちょうど、夫が10日間いなかった時と重なったので、途端に料理をするのが面倒になり、ナマケモノのわたしのおかずはというと、
納豆+手前味噌汁+ザワークラウト、そして小豆と一緒に炊いた玄米❤️

ということで、すっかりハマってしまったので、くみんちゅさんの超簡単レシピを使って、自分で作ることにした。
大量に作ったのだけど、あっという間に食べてしまい、これが2回目。


今回は上が随分空いているので、キャベツの葉っぱのふたの上に、お水を入れたガラス容器で重しをしてみた。


今日になって急に気温が上がり、ただいま32℃?!
だから、発酵の速さが前と全く違い、早くもブクブクと泡が出始めている。
まあでも、明々後日からはまた、17℃ぐらいに落ちるんだけども…。

今年のイチジクさんは、無事に新芽が出てきてホッと一安心。


なぜだかえらい離れた地面からも、新芽がにょっきり顔を出してきた。


雑草の楽園の中で、ボンボリみたいな花を咲かせてくれる誰かさん。


その横で、多分これはスズランさん。


部屋の中で世話をしていたキンカンの実を、蜂蜜につけてみた。


なんだか急に夏って感じ。



うちに、クラリネットを習いに来ている二人の生徒がいる。
そのうちの一人は、中国人のルーカス。
そしてもう一人は、インド人のイーラ。
どちらも最初は、マウスピースを鳴らすこともできなくて、ヒィハァ言って困ってたのに、
腹式呼吸を教え、マウスピースのくわえ方を教え、姿勢や息の吹き込み方を教え、タンギングを教えているうちに、みるみる上手になった。
特にルーカスの上達っぷりがすごくて、この子はこれで進学していけるかもしれないと楽しみにしていたら、
残念なことに、彼はこの夏に、中国に帰ってしまう。
向こうでも頑張れルーカス!

その二人が演奏するというので、彼らの小学校に聞きに出かけた。
この小学校は、ほんの20日間だけ、次男くんが通った学校。
町の北の外れにある、こじんまりとしたとても可愛らしい小学校だ。
次男くんはまるで何が何だかわからなくて、学校に呼び出されて行くといつも、校舎の階段に座り、校庭で遊ぶ子どもたちをぼんやり眺めていた。

あっという間に終わってしまった小学校の卒業式が、この講堂で行われたんだっけ。


ルーカスの音はやはり、他の子とはちょいと違う。




イーラ(右側)も随分安定した音が出せるようになってきた。


ルーカスはコンサートマスターの席に座っていた。





そして午後はピアノのレッスンをして、今度は久しぶりのビリー・キルソンのドラムを聞きに出かけた。
彼は夫の鍼の大ファンで、世界を駆け巡って演奏している疲れが溜まりに溜まったらやって来て、治療台にバタンと寝る。
そして夫とわたしは、パワフルで楽しくて繊細でシャープなビリーのドラムの大ファンで、だから今回もいそいそと出かけて行った。

会場内での録音はできないので、ちょっと前の、クリス・ボッティのバンドで演奏していた頃の動画を少々。






今回のコンサートは、デイヴィッド・サンボーンとの共演。
デイヴィッド・サンボーンというと、わたしの中では、泣きのサキスフォーンみたいな印象があって、最近の彼を知らないので、ビリーとどういうふうに絡むのだろうと思ってたら、
なんのなんの、もうすぐ72歳を迎えるというのに、ギンギンガリガリの演奏を初っ端からぶちかましてくれて、
だからビリーも、クリス・ボッティとやってた時よりもさらに、パワフルでキレのいい、バッキバキの演奏を聞かせてくれた。

会場のすぐ前に、ひたすら真っ直ぐの長い長い線路が(どうしても横が縦にならない…ふむ…)


家から車で30分弱のところにある。


ワクワクしてきた。




あちらこちらの席で、携帯電話の光が見える。撮ってもいいのかな…わたしもこっそり内緒で。




終わった後、ビリーの家族とも久しぶりに会った。
ちっちゃかった息子くんはもう中学生、そしてまだ幼児だった娘ちゃんは小学生になっていた。
なのにもとかさんは全く変わらずとってもきれい。
いつかゆっくり、いろんな話をしながら食事したいね。

全国から衆議院法務委員に、FAXで届けよう!「共謀罪に反対して下さい!」という声を!

2017年05月16日 | 日本とわたし
維新は与党にとって、法案通過の魔法の杖。
野党も賛成しているので『強行』ではない、という言い訳になる。








共謀罪については、これまでも、何度も書いてきましたが、いよいよまた『強行採決』の茶番が繰り返されそうです。

共謀罪が成立してしまうと、立件されるかどうかは関係なく、単に事情聴取の口実に使われるようになり、
そうなると、市民生活は途端に萎縮していきます。

以下は、日刊IWJガイドから、部分的に引用させていただきました。

国会審議では、大臣がまともな答弁も出来ないままに、時間だけが経っています。
なのに『審議大詰め』???
日本の国会の劣化の激しさを、新聞テレビがきちんと報じないからか、それとも市民自身に、どうでも良いと思っている人が多いのか、
韓国のような、国全体が地鳴りを起こすような、時間も日数も取っ払った抗議運動が、全く起こりません。

自民・公明の与党は、今日(17日)にも、衆議院法務委員会で『強行採決』をやり、明日(18日)には、衆議院本会議で可決させるつもりですが、
民進党が、金田法相の不信任決議案を提出するという手段に出て、とにかく阻止しようとしていますが、
何と言っても数の力を与えてしまった今では、それがどこまで通用するかは、あまり期待出来ないところです。

昨日の衆議院法務委員会で、意見陳述を行なった海渡雄一弁護士は、
「(共謀罪は)既遂処罰を基本としてきた、刑法の体系を覆し、人々の自由な行動を制限し、国家が市民社会に介入する際の境界線を、大きく引き下げる」と指摘し、
「何としても断念していただくよう、訴える」と、与野党の議員に向けて述べました。

※2017/03/06
閣議決定・国会提出間近!?
「共謀罪」新法案を読み解く

岩上安身による平岡秀夫弁護士 ・海渡雄一弁護士インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/366642

※2017/04/30
権力者の「共謀」も大企業の「共謀」も処罰対象外!? 
相続税法も対象外で透けて見える「富裕層優遇」!
「監視対象」は下々の者だけ!?
 
岩上安身が京都大学教授・高山佳奈子氏にインタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/376437

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そしてこれも気になるところです。


日本の令状審査の『実態』
【南山法律事務所・コラム】2017年4月25日
http://www.nanzanlaw.com/column/1019

引用はじめ:

逮捕状を請求するのは、基本的に警察です。
警察は様々な捜査をして、それを「書類」にまとめて、裁判所に出します。
裁判官は、その書類だけを見て、逮捕状を出すか出さないかを決めます。
逮捕発布の対象である「被疑者」から事情を聞くことは、もちろんありません
先日、韓国の前大統領が、逮捕状発布前に、裁判所から事情を聞かれていたのには、驚かされました。
日本では、まずあり得ない出来事だからです。

ー中略ー

「わが国においては、裁判所による審査が機能しており、捜査機関による恣意的な運用が、できない仕組みになっている」
これは、金田法務大臣の国会答弁ですが、みなさんもそう感じられますか?

答えは三重に「否」です。

1. 残念ながら、チェック機構として、裁判所の令状審査は機能していない、と言わざるを得ません。
「ザル」という批判を免れられない数字、と言わざるを得ないでしょう。

2. そもそも、令状審査には限界があります。
捜査機関がつくった資料のみで、判断するからです。
しかも、実は、警察から提出される資料の多くは、「捜査報告書」という、警察官が自分の認識、記憶に基づいて作った報告書です。
つまり、客観性がもの凄く乏しい、ということです。

特に、我が国では、「逮捕=犯人」という風潮がありますから、逮捕状の発布に間違いがあってはなりません。
厳格に審査されなければならないのですが、残念ながら、上記のとおりです。
せめて他国のように、裁判官が逮捕状を出す前に、本人の言い分を聞くという手続きを設ける、「法改正」を検討すべきでしょう。

なお、警察の仕事は、逮捕状を取るまでは、「犯人を捕まえること」です。
しかし、逮捕状が出た後の、警察、検察の仕事は、「逮捕した人を有罪にすること」です。
逮捕状の発布を厳格にしなければならない理由は、ここにもあります。
一度逮捕したら、「逮捕」が間違いでなかったことを示すためにも、警察と検察は、逮捕した人を有罪にするため、真犯人にするために頑張ります
そして、数多くのえん罪が生まれているというのが、日本の現状です。

3. 捜査機関において、恣意的な運用ができるかどうかと、裁判所による審査が機能しているか否かは、そもそも別の問題です。
「どういう件を事件化して、逮捕状を請求するか」
これが、警察において、「恣意的な運用」ができるかどうか、という問題です。
裁判所による審査は、「警察が請求したものを、間違えずに判断できるか」という問題ですから、二つは似て非なる問題です。


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このような裁判所による令状審査が機能していないような社会で、もし共謀罪が成立してしまったら…。




テロ等準備罪なんて嘘ですよ!
国連の立法ガイドを作成した、ニコス・パッサス教授は、
「組織犯罪防止条約はテロ対策ではない」と、はっきりと言ってるんです。










ですから、今からでも遅くはありません。
ガンガン伝えましょう!
共謀罪を成立させないよう、お願いしましょう!

全国から、衆議院法務委員に、「共謀罪に反対して下さい!」との声を!
※FAX要請は、市民の声を届けるうえで、かなり有効です。




教育無償化は法改正でできる→なのに憲法改正でやる→国民投票→費用800億→その金を教育無償化に使え!

2017年05月16日 | 日本とわたし
てっちゃんは、大阪弁バリバリの、大好きな友人です。
先日、憲法改正のことについて、わたしがブツブツと愚痴っていたら、こんなことを言ってくれました。
やっぱり書き言葉も大阪弁バリバリで、けれどもわたしにはとても心地良いし、てっちゃんの味を壊したくないので、ほぼそのまんま、ここに紹介させていただきます。

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こないだ、木村草太さん(俺、この人大っ好きやねん)てゆう憲法学者が言うてはったけど、
憲法改正ゆうても、なかなか安倍の思惑通りにはいかんらしいで。

いわく、以下の通りや。

安倍の提案する憲法改正は、憲法9条一項二項そのままに、自衛隊の条文を作ろうという話だが、
単に自衛隊を置くというだけでは意味がわからないので、自衛隊の任務を書かねばならない。

まず一つめのやり方として、そこに「個別的自衛権までやります」と書くと、集団的自衛権が違憲になってしまう。
そして、2015年安保法制が違憲になってしまうので、そんな発議をするわけはないので、それは無理。

二つめとして、集団的自衛権込みで9条改正、ということを提案すると、安保法制そのものを、国民投票にかけるということになるわけだが、
安保法制については反対が強いから、国民投票で否決の可能性がかなり高い。
否決されてしまうと、集団的自衛権自体に、国民がNoを突きつけたということになるので、安保法制も引っ込めざるを得なくなる。

どちらにしても、安倍には茨の道である。

岸田外務相(この人は安倍の後釜狙とるな)も、
「今の憲法を変える必要性は、特別見当たらない。現行憲法には特別な思い入れがある」と、公式に発言したはったし、
党内にも慎重派、反対派が結構いてるらしい。
こればっかりは、なかなか一本に纏まらん話みたいやで。

岸田さんは、宏池会やねんな。
宏池会は保守本流ゆうか、比較的良識派というか、現行憲法に対しても、しっかり向き合ってきた歴史があんねんな。

教育無償化を、憲法改正と抱合せにしよういうのは、維新のアホらが言い出したことやな。
安倍は、維新を抱き込まなあかんさかい、ほんまは教育無償化なんかしたないけど(もともと民主党の政策やんけ)、点数稼ぎで加えとんねな

草太さん言うたはったけど、教育無償化は、法改正で出来んねんな。
それを憲法改正でやるとなると、国民投票になるさかい、その費用が800億円かかんねんて。
それやったら、その金を、ストレートに教育無償化に使た方が早道やろ、言うねん。
ホンマその通りやわ。
何ちゅうええ事言わはんねやろ。

要するに、教育無償化は、国民を騙すための目くらましやねんな。


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今年の2月まで、集団的自衛権は憲法違反だと、明確に述べていた防衛省のホームページ


憲法第9条の趣旨についての政府見解

4. 集団的自衛権

国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、
自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有する、とされている。
わが国は、主権国家である以上、国際法上、当然に、集団的自衛権を有しているが、
これを行使して、わが国が直接攻撃されていないにもかかわらず、他国に加えられた武力攻撃を、実力で阻止することは、
憲法第9条の元で許容される、実力の行使の範囲を超えるものであり、許されないと考えている。

昭恵「国民ってバカよね〜!1ヶ月も静かにしてればみんな忘れてくれるんだから」 晋三「ホントホント!」

2017年05月16日 | 日本とわたし



籠池氏、ごみの一部がそもそもなかったとするメールを公開
【JNNニュース】2017年5月16日
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170516-00000050-jnn-pol 

学校法人「森友学園」をめぐる問題で、新たな展開です。
前理事長の籠池泰典氏が、国有地が値引きされる根拠となった地中のごみの一部が、そもそも存在しなかった、とするメールのやりとりを公開しました。

「今回皆さんに提出するのは、その当時のメールのコピーです」(森友学園 籠池泰典前理事長)


籠池氏は16日、また新たな資料を公開しました。


国有地の取得をめぐり、小学校の設計業者と、籠池氏の顧問弁護士らが交わしたメールです。


「私にとっても、このメールは驚きです」


「真実が明らかになることを期待します」(森友学園 籠池泰典前理事長)


森友学園に対する国有地売却をめぐっては、少なくとも、地下3.8メートルまでゴミがあるという前提で、


その撤去費用として、8億1900万円を値引きした、と説明されてきました。


ところが、このメールには、地下3メートルより下には「そもそもゴミが存在しなかった」ということが記されているのです。


「添付にボーリング調査の資料をつけております」


「約3m以深には、廃棄物がないことを証明しております」(設計業者)


16日、森友学園の籠池前理事長が、新たに公開したメールのやりとり。


およそ8億円の値引きの根拠とされていた地中のごみの一部が、そもそも存在しなかった、ということを示しています。

Q. 3メートルより深い所にごみがないのに、なぜ8億円も値引きされた?

 
「それは分かりません」(森友学園 籠池泰典前理事長)


Q.これまでの国会答弁が、全て覆る

 
「おっしゃるとおりですね」(森友学園 籠池泰典前理事長)


また、財務省側から籠池氏側に送られたとされるメールには、こんな文言がありました。


「瑞穂の國記念小学校開校に向け、ご協力いただきありがとうございます」(財務省の担当者)


Q.国を代表して、よろしくお願いしますと言っている?


「そのように受け取れますね」(森友学園 籠池泰典前理事長)


Q.なぜこうなった?いつごろからこうなった?


「安倍昭恵夫人が、私どもの小学校の、名誉校長になられた後」


「ご意向がここまで伝わったかという感じ」(森友学園 籠池泰典前理事長)


財務省は、今回のメールについて、「資料を確認していないので、現時点では回答できない」としています。


民進党は、このメールのやりとりが事実だとすれば、
財務省が、地下のゴミの存在を詳しく確認しないまま、8億円もの値引きに応じたことになるとして、
引き続き、この問題を追及していく方針です。

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これを受けて、民進党のヒアリングの第2回目に、籠池氏と財務省の双方が揃うはずだったのですが、



財務省が、なぜか同席を拒否しました。



大手メディアは、この件について、そして加計学園の問題も共に、きちんと取材してしっかり報じなければならないのに、まだできていません。
だから、一般市民の我々の方から、頑張れ!とハッパをかけなければなりません。
そうしないと、冒頭のさもしい夫婦がいつまでも調子に乗って、今後もおかしなことをしでかす可能性がありますから。

榎本港区議員「東京五輪トライアスロン会場に向けて、塩素を混ぜただけのトイレの汚水が放流されている」

2017年05月15日 | 日本とわたし


港区議員・榎本茂さんのフェイスブックから

今日も、東京港に、下水処理場から未浄化の汚水が放流された。
ほぼ山手線の内側エリアの、トイレ・台所の汚水が、雨水と共に、レインボーブリッジの袂から、塩素を混ぜただけの状態で放流されている。




汚水は、対岸の、オリンピックのトライアスロン会場となるお台場を染め、上げ潮に乗って、築地周辺もあっという間に包み込む。



下水道局は、この汚水の水質を公表していないし、排水口から先は海なので、港湾局の管轄だと言う。
「文句は港湾局に言ってくれ」と。
つまり、
「俺のお尻から出たウンチは、もう俺のものじゃなくトイレの物だ。文句はトイレに言え」
と言っているに等しい。

東京都下水道局は、「塩素で大腸菌は死んでいる」と言うが、港区の雨天時の水質調査をみても、大腸菌は死んでいないし、
この放流されている水質が、水質汚濁防止法の排水基準を満たしていない事は明らかだ。


http://www.city.minato.tokyo.jp/kankyouase…/…/h26utenji.html



水質改善策は遅々として進まず、僕たち世代が生きている間に、なされるかどうかもわからない状態。
違法行為を正すには、司法の場しかないのだろうか…。


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この箱状の建物は、下水処理場から海底を通って施設されている、汚水の緊急放水口の構造物です。




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以下は、コメント欄に寄せられた意見と、それに対する榎本さんの返答から、引用させていただいたものです。

・トイレそのまま、といっても過言ではない区域でオリンピック競技が行われようとしている。

・お台場では、国際競技などに限り遊泳の許可が下りる。

・お台場海水浴という区のイベントでは、水に顔をつけないという誓約書にサインしないと、参加ができない。

・この下水問題を解決するには900億円くらいの費用がかかる。

・水質汚濁防止法違反の刑事事件に相当することから、行政トップの小池知事は、罰金50万で前科者になる可能性が大きい。

・集団訴訟を前提に、弁護士と協議に入る予定である。

・オリンピックのトライアスロン競技が開催される予定であるが、港湾局の環境担当係長は、
「3日経てば水質が安定するから、開催延期で対応することになるでしょうね」と言っている。

・この動画(フェイスブックに掲載されている)の位置は、芝浦ポンプ場の緊急放出口辺りである。

・撮影日は、午前中に、高浜運河の放水口から未浄化下水放流が開始され、午後1時過ぎから、高浜水門外の放水口から放水された。

・この施設が作られたのは昭和6年。

・未処理の下水を流すのは良くあることで、日本全国、古くに下水を整備した都市では、残念ながらどこでもしている。

・芝浦下水処理場の縦坑が、平成30年に完成した後は、運河でも泳げるようになるというふれこみだったが、予定が遅れに遅れて未定になっている。

・計画の水質改善目標は、結局掲げないまま、工事費のみ垂れ流し続けている。

・東京都水道局のサイトでは、この件については書かれていないが、未浄化下水放流は事実で、水道局も認めている。

・この放流は、年間120回以上。

・水質汚濁防止法には、下水処理場からの汚水の水質に対する特例は無い。

・法的には真っ黒。

・合流式下水道として認可されているから、『違法』では無いということになる。

・放流する汚水の水質基準の規制が、緩和されるわけでは無い。

・水質は完全に違法。

・雨量が30ミリを超えると、貯水のキャパを超えて溢れるから流す、という論法。

・東京23区の場合、下水道局は市ではなく、都政の問題。従って、下水道局=東京都となる。

・合流式の問題は、全国的な問題であるが、東京の都市部の場合、世界最大の規模と人口密度ゆえ、
地方とは放流量も水質も、改善計画に掛かる予算規模も、全てが桁違いに違う。

・日本の首都の玄関で、かつ、オリンピックトライアスロン会場の目の前で、これをやってしまうことのイメージの問題でもある。

・雨天時に、未浄化のまま垂れ流しているのは事実であり、全ての汚水を浄化槽に流さず、塩素で殺菌処理しただけで放流している。

・一般企業は、協定値を超えてしまう恐れのある場合は、一旦ストックし、バッチ処理をする等の手をかけている。
雨だから仕方ない、などという言い訳はしない。

・生活排水はT-N、COD、T-P、SS、どれも高く、塩素でこれらは落ちない。

・多摩川でも、同様のことが行われている。

・隅田川上流の、埼玉の汚水も問題である。

・港区が都に、未浄化汚水の放流情報を提供するように求めても、毎回拒否されている。

・お台場には、白い発泡スチロールのような「オイルボール」(下水管の油が固まったもの)が、多数流れ着く。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/.../life/oil/tomin_onegai/

・築地市場は、この海水を汲み上げ、昭和36年製の骨董品の浄化槽を通し、場内で使用している。

・この下水問題は、都民ファーストの政策立案部会で不採用だった。

・このことについて、保健所も、水質汚濁防止法を所管する海上保安部も知っている。

・だが、行政間では、互いの領域を侵さずという不文律があり、動こうとしない。

・処理場から出す水は、水質(窒素とリンとCOD)が常時モニターされていて、データが役所の当該部署に送信されている。

・水質汚濁防止法では、丸一日24時間のトータルで超えてなければ可、としていて、
一日中、動画のようなレベルで排水していればアウトだが、大雨等で一時的に超えるというのは、割合普通に起きている。


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榎本港区議員のオフィシャルサイトより
http://enomotoshigeru.com/target/57.html

私たちの街にある、芝浦水再生センターが作られたのは、昭和6年、満州事変があった年。
日本の人口は7千万弱だった。
この老朽化した施設が、今の東京の姿を想像して作られたわけもなく、10区から集まる、莫大な量の下水と雨水を、処理しきれないことから、
平成24年度だけでも、塩素を混ぜただけの汚水を、187万7200㎥、実に東京ドーム15杯分も、運河に放水しています。

雨が降った直後から、焦げ茶色の汚水が、濁流となって放水され、あっという間に運河は黄土色に変わり、
高浜水門から運河の外へ流れ出し、レインボーブリッジ、お台場へと、海の色を変えていきます。

港区港南に建設中の、芝浦下水処理場の新ポンプ場は、約950億円以上の巨費と10年の年月をかけ、
深さ65mの巨大な縦穴を掘り、運河に放水している未処理下水を溜め込む、巨大な地下貯留施設(主ポンプ棟整備事業)を作ります。


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ということなんですが、その工事は随分遅れているそうです。
そのことについても、榎本さんはこうおっしゃっています。

地下に想定外の構造物が埋没していて、撤去に時間がかかるとのことだったが、その後の遅れの理由はわからないと。
深さ75メートルの、巨大な縦穴を掘る工事現場の様子(現在)。4年目で5メートル程度しか掘っていないように見える。



●合流式下水道は、一定量以上の降雨時に、未処理下水の一部がそのまま放流されるため、公衆衛生・水質保全・景観上の観点から問題

●平成15年度には、下水道法施行令を改正し、中小都市(170都市)は平成25年度、大都市(21都市)では平成35年度までに、緊急改善対策の完了を義務付け


東京23区の場合、下水道局は市ではなく、都政の問題です。
従って下水道局=東京都となります。

合流式の問題は全国的な問題ですが、東京の都市部の場合、世界最大の規模と人口密度ゆえ、地方とは放流量も水質も改善計画に掛かる予算規模も全てが桁違いに違います。

そして、日本の首都の玄関で、かつ、オリンピックトライアスロン会場の目の前で、これをやってしまうことのイメージの問題でもあります。

母の日のありがとう

2017年05月15日 | 家族とわたし
昨日は母の日。
子どもだったとき、母の日が来るのがとても嫌だった頃がある。
父と母が離婚して、母が家を出て行った13歳の5月は、その嫌だった頃の始まり。
次の年には、新しい母がいて、彼女に贈り物をしたのだけれど、受け取ってもらえなかった。
だから、さらに嫌さの度合いは増して、母の日だ母の日だと騒ぐ世間が、本当に鬱陶しくて、母の日なんかこの世からなくなってしまえばいいのにと思った。

成人の前後は、自分が無事に生き延びて行くことだけで精一杯で、身の回りに母と呼べる人もいなくなったので、母の日はゼロの日になり、気持ちが楽になった。
そして、今から31年も前の真冬に、まさか自分がなれるとは思っていなかった母に、なった。

産んだ当初は、難産の極みを3日も過ごしたから、ほとんど死にかけていた。
だから一番大事な初乳をあげることもできず、2週間ずっと、両方の腕に点滴の針を刺したまま横たわっていた。
起きられるようになり、重湯からお粥になり、眺めるだけしかできなかった長男くんを、初めて腕に抱いた。
どちらも死にかけた者同士としての、強いつながりを感じながら、初めての子育ての不安に圧倒されていた。

その1年と8ヶ月後に、次男くんを産んだ。
やはり難産だったけど、前回の医者とは違い、帝王切開への切り替えが早かったので、体力的には疲弊までには至らなかった。
けれども、子宮破裂が始まっていて、後数分遅れたら、親子共々危ないところだった。
次男くんは、全身をロウのようなもので覆われていて、首にはへその緒が3重に巻かれていた。
生まれた瞬間は全く泣かなくて、看護師さんにパンパンと背中を叩かれていた。
体力が前回よりもあったから、次男くんは翌日から病室に運ばれてきた。
だから、点滴の血を逆流させながら、夜泣きの抱っこをしなければならなかった。

母の日が来るたびに思い出す。
息子たちが生まれてきてくれた日のことを。
そして、わたしを母親として鍛えてくれたこと、教えてくれたことを。
母の日が来るたびに、とてもありがたい気持ちになる。
わたしを母にならせてくれてありがとう。
わたしを母と呼んで、大事に思ってくれてありがとう。

前日までシーンとしていたので、今年は忙しくて忘れてるかもな、などと思って期待していなかった。
当日の朝もだから、夫と二人でダラダラ過ごしていて、昼から庭仕事でもやるか、と考えていた。

すると、次男くんからLINEで連絡が入り、「今日はなにをなさるので」と聞いてきた。
「密かに予定していた、夜はベトナム料理でもご馳走しよう」などと言うので嬉しくなり、ぜひぜひと答えたのだが、
「今夜はステーキを焼く予定になってる」と夫。
「じゃあ、わたしはサラダを作るから、みんなでここで食べよう」ということになった。
バージニアに住む長男くんは、同じくLINEで、わたしが困っている機器のことで質問していると、
「よし、母の日はこれで凌ごう」と、解決のための物を買えるよう、ギフトカードを送ってきてくれた。

花束を抱えてやって来た次男くん、元気そうで何より。
だけど、彼が電車を降りた直後に、まるで小さな竜巻のような強風が吹き、突然大粒の雨がバラバラと降ってきた。
嵐を呼ぶ男か君は?

ステーキを焼こうと火を起こしていた夫は、しばし唖然とバーベキューコンロを見ていたが、雨はほんの数分でまた突然止んだ。

我が家としては初めての、超〜分厚い肉!ふた切れで20ドル!


中まで十分火が通るかと心配だったけど、なかなかの焼けっぷり。


慌てて作ったオーガニック大根のお味噌汁。


とっても美味そ〜だけど、こんなにお肉を食べても大丈夫だろうか…。


なぜか突然、ピアノを弾き始めた次男くん。


彼はその昔、完全に真似っこでエリーゼのためにを弾き、その後また真似っこでショパンの子犬のワルツを弾き、
真似っこに付き合うのはもう嫌だ!と、母から宣言されてからは、独学で楽譜を読んで、ベートーベンの悲愴ソナタやジョップリンのメイプルリーフラグなどを弾いて、いろんな場所で披露しては、拍手喝采を浴びていた。
なのにやっぱり弾かないでいると、すっかり忘れてしまっていることに気がついて、電子ピアノ買おうかな…と、ボソボソつぶやいていた。

彼が帰ろうとした時また、突風が吹いてきた。
嵐と共にやってきて、嵐と共に去っていく。
なんてね、とにかく変なお天気だったよね。
突然晴れたり、突風が吹いたり、雨がザーッと降ったり、家の右側は晴れているのに、左側では狐の嫁入りだったり。
いろんなお母さんの気持ちが、お天気になって現れたのかな。

「総理がサミットに行くからさっさとやりたい」と、公聴会無しで17日に共謀罪を強行採決?許しちゃダメ!

2017年05月13日 | 日本とわたし
共謀罪法案ですが、与党は、来週17日(水)に、委員会の強行採決をやる気みたいです。
理由は、「総理がサミットに行くから、さっさとやりたい」。
しかも、戦後最大の刑法改定にもかかわらず、公聴会をやらないんじゃないかといわれてます。
最悪の暴挙です。


これ↑は、こたつぬこ‏ @sangituyamaさんの10日のツィートです。


「見られてマズイことでもあるのか?」
このような論調は、ナチスのプロパガンダで使われたものです。
人間には、自分自身の考えを形成する上で、誰にも踏みにじられないプライバシーが必要です。
個を確立するためのプライバシー権にまで、土足で踏み込む法律を作ろうなど、図々しいにも程がある。


あなたを、この国に生きる人々を、潜在的犯罪者として扱うトンデモ法案は、何としてでも潰さねばなりません。

これ↑は、山本太郎議員の「共謀罪を詳しく解説するチラシ」での言葉です。

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山本太郎議員の『永田町恐怖新聞』 Vol.4より
http://www.taro-yamamoto.jp/daily-activities/7068












12日間もの長い間燃え続けた、福島県浪江町の山火事を巡る、報道と市民の態度について考えたこと

2017年05月12日 | 日本とわたし
先月の4月29日に発生した、福島県浪江町の山火事は、12日後の一昨日、ようやく鎮火しました。







75ヘクタールもの山が焼けたそうです。
75ヘクタールというのは、東京ドーム一個半ぐらいの広さです。
この火事で、放射能の拡散の心配が無かったんでしょうか?

現場は、原発事故の影響で、放射線量が比較的高く、立ち入りが厳しく制限されている帰還困難区域でした。
だから、消防と自衛隊の方々は、放射性物質の付着を防ぐ防護服を着て、消火活動を行っていたのです。

チェルノブイリの森林火災の消火にあたった、グリーンピースロシアの消防士、アントン・ベネスラフスキー氏は、
「火災中、セシウム137やストロンチウム90、プルトニウムのような放射性核種が、空中に上がり、風によって運ばれる。
これは、動揺を掻き立てずにはいられない。
それは、この不安定な原子を、人々が吸い込み、内部被爆を被るためだ」
と断言していましたが、

このことについていち早く、一井唯史さんが、警告を発してくださっていました。
一井さんは、元東電社員で、福島第一原発事故の損害賠償業務を担当し、会社に異を唱えたことから退職に追い込まれた方です。

原発賠償「とにかく謝れ」 
激務で睡眠不足うつ病に 東電社員が体験証言

【東京新聞】2016年10月31日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016103102000125.html

東京電力の社員で、福島第一原発事故の損害賠償業務を担当した、東京都の一井唯史(いちいただふみ)さん(35)が、本紙の取材に応じ、職場での過酷な体験を語った。
一井さんは、3年前に、うつ病と診断され休職中。
東電から、休職期間終了のため、11月5日付で解雇すると通知されており、31日に、中央労働基準監督署(東京)に、労災申請をする。(片山夏子)
 
一井さんによると、2011年9月から、避難区域内外で営業していて、廃業や移転を余儀なくされた会社や個人事業主らを対象に、事故で発生した逸失利益を計算して、賠償金を支払う業務を担当した。
東京都多摩市内の職場で、審査内容や賠償金額に納得してもらえない場合に、電話で対応するのが仕事だった。
 
多いときには、一人で180社を担当。
相手から3時間、しかられ続けたこともある。
それでも、上司からは、「審査内容や賠償金額は変えられない。とにかく謝れ」と言われたという。
 
「国は、賠償の支払いを早めるよう求めていたが、東電の賠償金額を審査する部門が急ぐと、審査が雑になり、
支払われるべきものが支払われないなどの間違いが起き、自分たちが受ける苦情の電話が増えた」
 
13年2月からは、江東区内の職場に移り、特殊な案件について、賠償基準の適用の仕方を、社員にアドバイスする担当になった。
11グループ450人から、相談を受ける係だった。
 
どこまでが賠償の対象になるかなどの判断が難しいケースが多く、深夜帰宅が続いた。
家に帰っても、神経が張り詰めていて眠れず、睡眠時間は毎日3、4時間になった。
 
朝、寝床から起き上がれなくなり、視野が狭まり、吐き気を覚えた。
「忙しすぎて倒れそう」
「帰って寝て、通勤で勉強して、また帰る感じ。フラフラです」

家族や友人に出したメールが、携帯電話に残っている。
 
同年7月、立川支社に異動したが、めまいや激しい嘔吐(おうと)で、早退や休みを繰り返した。
上司に勧められて、9月、心療内科を受診すると、うつ病と診断され休職した。
直前の2~6月の給与明細に、記録された残業時間は、月58~89時間だが、休日に仕事を持ち帰った時間などは含まれておらず、
一井さんの計算では、90~169時間に上った。
 
今も週に数回、起き上がれない日がある。
東電の上司や労務担当者に、労災だと訴えたが、
「『多くの社員が事故対応をしてきて、特別なことではない』と、労災申請をしてくれなかった」という。
 
一井さんは、
「原発事故を起こした会社の社員として、申し訳なく、被災した人たちに、少しでも多く賠償したいと思った。
でも、自分がどこまで力になれるかというと…。
苦情の窓口では、ひたすら謝って聞くしかできないのがつらかった」と語った。

<福島第一原発事故の損害賠償> 
被害に遭った人や、企業、個人事業主などへの賠償金は、国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から資金の交付を受けて、東京電力が支払っている。
東電によると、10月21日現在、延べ約250万件、計約6兆3000億円。
東電を含む大手電力会社が、負担金を機構に納付している。


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一井さんが、フェイスブック上に、火災の発生と、内部被ばくの予防を伝える文章を載せたところ、たくさんの誹謗中傷コメントが寄せられたそうです。

4月29日午後、福島の原発事故の帰還困難区域の森林で火災が起き、今も鎮火していません。
放射能汚染の激しい地域で山火事が起きると、高濃度の放射線物質が飛散し、被ばくの懸念があります。
東北、関東、北信越、静岡、愛知の人は、最低限、次のような自己防衛の対策が、オススメです。

・内部被ばくしないよう、換気はしない。
・外出時は二重マスク。
・家庭菜園には、しばらくビニールシートをかぶせる。
・雨が降ったときは、必ず傘を差す。
・1週間ぐらいは、毎日朝昼晩、みそ汁を飲む…



一体これのどこが、非難されなければならないことなのか、わたしには理解できなかったのですが、

福島県は、ホームページの5月11日の更新までは、
・火災現場周辺の環境モニタリングおいて、火災の発生前後で空間線量率に変動はない
・林野庁による過去の山火事調査の結果においても、鎮火後に、森林から生活圏へ放射性物質が流出する危険性は、極めて低いとされている
・現在、周辺環境に影響が及んでいる事実は、一切ありません


などと言い切っていたのですね。

どうしてそんなことが言い切れるのでしょうか?
そんなことを言い切ってしまう福島県の態度の方が、無責任であると思えるのですが、
なんと、5月9日に福島県が発表したデータによると、
5月8日に、周辺の周辺の大気浮遊じん(ダスト)が、それまでの3倍から9倍程度に上昇していたのです。










山火事と放射能ーーチェルノブイリの学び
【GREENPEACE】2017年5月12日
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/59381/?utm_campaign=Others&utm_source=Supporter%20Service%20e-mail&utm_medium=email&utm_term=13052017_Kazuekasan-blog

引用はじめ:

放射能の拡散は火災の激しさ、天候に左右される
どれだけの量か、また、どれだけ遠くに拡散するか、はともかく、放射能が含まれたものが燃えれば、放射性物質は煙などに移動します
放射能の拡散は、火災の激しさや風の強弱、向きなど、条件に左右されます。
チェルノブイリ周辺での森林火災について、放出された放射性物質が、上層の大気に入り、長距離を移動する可能性もある、という論文があります。
セシウムは沸点が低いため、土壌中に固定されていても、森林火災中に一部が揮発し、煙に混入して運ばれる、と説明されています。
また、放射能が、土壌微生物などに与える影響で、落ち葉の分解速度が鈍化し、
そのため、落ち葉の堆積量が増え(つまり燃やす燃料が増えた)、森林火災の頻度と激しさが増しているといいます。

ストロンチウム、プルトニウムも調査を
「汚染された森林が燃えると、吸入可能な微粒子の形で、ストロンチウム、セシウム、プルトニウムが 放出され」ます。
国も、火事のあったところで、放射性物質の広がりや濃度などを確認する、現地調査を行うそうです。
上記で公表されている調査は、セシウムだけですが、ストロンチウム、プルトニウムの調査も必要です。
2012年に国の調査が行なわれた、福島県の川内村のスギ林の森林全体の、放射性セシウム蓄積量は107 万ベクレル/m2(報告書)。
5年経って、蓄積量は相当量減少したと思いますが、そうした森の一部が燃えれば、放射能が部分的に拡散する可能性は、簡単に否定できないのではないでしょうか。
森林火災をどう予防するか、火災による放射能拡散への影響を知るには、どのような調査をすべきなのか...、
チェルノブイリの経験から学ぶことで、得られることは多くあると思います。


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一井さんの懸念を、和歌山県の地方紙『紀伊民報』が、コラムで訴えていたのですね。

ところが、やはりここにも、たくさんの苦情が寄せられたようです。
「県は放射線モニタリングポストを増設して、放射線量を監視しているが、目立った数値の変動はない」のに、
「不安を煽るな」、「風評被害で迷惑」といった苦情です。

それを受けて、紀伊民報が謝罪コラムを書いたという顛末
について、
よく読ませてもらってるブログ『みんなどこか変わって…』の記事に書かれていましたので、紹介させていただきます。

お詫び記事が出たんだけど…
【みんなどこか変わって…】2017年5月10日
http://d.hatena.ne.jp/mzponta/touch/20170510/p2

つい最近、福島の原発事故の帰還困難区域の森林で、火災が発生した…というニュースがありました。

(そこは立ち入れないから、自衛隊がヘリで消火活動してる…とか、そういう伝え方をしてましたわ)

この山火事について、和歌山のローカル新聞がコラムで…、

「山火事と放射能」
【紀伊民報】2017年5月2日
http://www.agara.co.jp/column/mizu/?i=332963

今朝、パソコンのメールをチェックしていたら、知人経由で、こんな情報が届いていた。

▼4月29日午後、福島の原発事故の帰還困難区域の森林で火災が起き、今も鎮火していない。
放射能汚染の激しい地域で山火事が起きると、高濃度の放射線物質が飛散し、被ばくの懸念がある。
東北、関東、北信越、静岡、愛知の人は、最低限、次のような自己防衛の対策が、オススメという内容だった。

▼内部被ばくしないよう、換気はしない。
外出時は二重マスク。
家庭菜園には、しばらくビニールシートをかぶせる。
雨が降ったときは、必ず傘を差す。
1週間ぐらいは、毎日朝昼晩、みそ汁を飲む…。

▼その記事を、当地に配達される全国紙でチェックすると、毎日新聞の社会面だけに、小さく、「帰還困難区域国有林で火災」とあった。
29日夕、陸上自衛隊に、災害派遣を要請。
福島、宮城、群馬3県と、自衛隊から計8機のヘリが、消火を続けた。
30日夕までの焼失面積は、約10ヘクタール。
福島県警は、雷が原因の可能性があるとみている、と伝えていた。

▼この情報を、最初にアップしたのは東京電力で、賠償を担当していた元社員。
現地の事情に詳しい彼によると、放射能汚染の激しい地域では、森林除染ができておらず、火災が起きれば、花粉が飛ぶように放射性物質が飛散するという。

▼原子炉爆発から6年が過ぎても、収束がままならない事故の、これが現実だろう。
政府も全国紙も、この現実に、あまりにも鈍感過ぎるのではないか。


…と書いたところが、

「県は放射線モニタリングポストを増設して放射線量を監視しているが、目立った数値の変動はない」(朝日:5.9)

…のに、「不安を煽るな」「風評被害で迷惑」と言った苦情が寄せられて、

この新聞社は、以下の謝罪コラムを書いたんです↓

「福島の火事」
【紀伊民報】2017年5月8日
http://www.agara.co.jp/column/mizu/?i=333170
 
2日付の当欄に書いた、「山火事と放射能」について、「いたずらに不安をあおるな」と、数多くの批判を頂いた。
福島県内の農家からは、
「自家測定の数字には変化がない。
なのに、あんな記事が出ると、風評被害が助長される。
大変な迷惑だ」と、おしかりがあった。

▼福島県の地方紙などからも、コラムの意図について取材があった。
「不安をあおる気は毛頭ない。
帰還困難区域に指定され、除染のできていない山林で火災が起き、地上からの消火活動も制限されている。
そういう実情がほとんど伝えられてこない状況に、不安を抱いた」と、記者に説明すると、
「よく分かりました」と、納得していただけた。

▼しかし、福島県の発表では、火災現場周辺の空間放射線量には、大きな変動がなかった。
火災は8日目に鎮圧され、新たな拡散は、心配するほどではなかったというのだ。
そうなると、僕の不安は杞憂(きゆう)であり、それによって多くの方に心配をかけ、迷惑を与えたことになる。
まことに申し訳ない。
陳謝する。

▼だが、福島第1原発の事故で汚染され、そのまま放置された地域での、山林火災への対応、
常に、放射性物質の飛散量に気を配って、生活している人たちのこと、内部被ばくリスクなどについて考えると、いまも心配でならない。
そうしたことについて、政府の関心が低いように見えることにも、変わりがない。

▼こうした問題を含めて、今回の事例を糧に、より確かな情報を伝えていきたい。



しかし、その後、こういう情報が出てきて…↓



福島県放射線監視室がようやく認める… 浪江町十万山の山林火災 大気中浮遊粒子の放射性セシウム

濃度が3~8倍に上昇

ただし報道は、小生の知る限り… #毎日新聞/福島版に限定
(枠内の県内放射線レベルを、誰が信じる?)

周辺地域で、大気中を浮遊するチリに含まれる、放射性セシウム137の濃度が数倍に上がっている…、

という事実が明らかになりました

これは、最初のコラムの、
「放射能汚染の激しい地域で山火事が起きると、高濃度の放射線物質が飛散し、被ばくの懸念がある」…という記述の通りであり、

(ただし、今回発表された数値が、「高濃度」と言えるかどうか…という問題はありますが)

コラムの筆者が引用した、現地の事情に詳しい東電元社員の言葉、

「放射能汚染の激しい地域では、森林除染ができておらず、火災が起きれば、花粉が飛ぶように放射性物質が飛散する」

という予測が当たってた…ということを、裏付けるものだと思います。


そして、ようやくTVでも、この情報が報道されまして↓

福島の山火事が鎮火 放射性物質濃度上昇も
【日テレNEWS24】2017年5月10日
http://news.livedoor.com/article/detail/13044414/

福島県浪江町の山林火災は、発生から12日目の10日、ようやく鎮火した。
一方、県の検査で、周辺の大気中の塵に含まれる放射性物質の濃度が、上昇していることが分かった。

先月29日に、浪江町の帰還困難区域内にある、十万山で発生した火災は、10日午後3時すぎに、「鎮火」が確認された。
合同災害対策本部によると、隣接する双葉町側の山にも、延焼が拡大し、浪江町22ヘクタール、双葉町53ヘクタールの、計約75ヘクタールを焼失したという。

一方、火災の後に、県が設置した、大気中の塵(ちり)に含まれる放射性物質の測定器で、
今月8日の放射性セシウムの値が、浪江町では前日の約3倍、双葉町では前日の約9倍に上昇していた。

山林火災との因果関係について県は、
「現時点では判断できないが、強風で燃えた灰が、舞い上がった影響も否定できない」としている。
空間の放射線量には、大きな変動はなく、県は、専門家の意見を参考にしながら、影響を評価するとしている。



ぼくたちは、ようやく、「福島の帰宅困難地域の山火事」で、周辺の大気浮遊物に含まれる放射性物質の量が増えた…、
ということを、広く知るようになったのです。
(これは常識的に考えて、当然の帰結であろうかと思います)

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付け足しですが、『紀伊民報』の謝罪について、意気揚々と報じている新聞社がありました。
記事を読むと分かりますが、こちらはまた反対の意味で、大丈夫だと決めてかかっていて、非常に大雑把です。
それに、火災についての情報も、正しくありません。
悪い意味でさすがだなあと思います。

福島・浪江の火事 
「放射性物質拡散」コラム掲載の和歌山地方紙「紀伊民報」が“謝罪”

【産経新聞】2017年5月8日
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/170508/afr1705080012-s1.html

東京電力福島第一原発事故で、帰還困難区域になっている福島県浪江町の、国有林で発生した火災をめぐり、
インターネット上で、放射性物質の拡散や、健康不安をあおる、無責任な書き込みが相次ぎ、波紋を広げている。
一部地方紙は、コラムで、「放射性物質飛散」の可能性を指摘。
実際は、裏付けのない誤った情報だったが、福島県が、火消しに動かざるを得ない状況となっている。

4月29日に発生した山林火災は、浪江、双葉両町に広がり、少なくとも約20ヘクタールを焼いた。
発生1週間を過ぎた6日に、鎮圧状態となった。
ただ、火災をめぐっては、ネット上で、不確実な情報が、今も飛び交っている。

短文投稿サイトのツイッターでは、火事により、
「(放射性物質が)花粉のように飛散する」といった、危機感をあおる書き込みが、多数見られる。
福島第一原発を視察した主人公が、鼻血を出すなどの描写で、物議を醸した漫画「美味しんぼ」の原作者、雁屋哲さんは、
自身のサイトに、「福島で森林火災・強風により放射性物質飛散中」と題する文章をアップした。

和歌山県南部を拠点とする地方紙、「紀伊民報」は、2日付(1日発行)の1面に、石井晃編集局長のコラムを掲載。
知人経由の情報とした上で、
「放射能汚染の激しい地域で、山火事が起きると、高濃度の放射線物質が飛散し、被ばくの懸念がある」とし、
「政府も全国紙も、この現実に、あまりにも鈍感過ぎるのではないか」などと記した。

しかし、火災現場近くの3カ所に設置されている、可搬型の放射線監視装置(モニタリングポスト)では、現在、空間線量率に、大きな変動はない。
福島県の担当者は、
「双葉町や大熊町などに設置されている、既存のモニタリングポストでも、大きな変化は確認されていない。
周辺環境に影響が及んでいる事実は一切ない」としており、県のホームページでも、こうした事実関係を説明している。

東京工業大の松本義久准教授(放射線生物学)は、
「原発事故直後、植物の表面に降った放射性物質(セシウム)は、風雨で流されたり、落ち葉や生え替わりによって、多くが土壌に蓄積されたりしているとみられる。
植物内部に、放射性物質はほとんど残存していない状況といえ、草木が燃えることで、放射性物質が風で拡散されるということは考えにくい」とする。

今回の騒ぎを受け、紀伊民報は、9日付(8日発行)の同紙に、「数多くの批判を頂いた」「陳謝する」などとしたコラムを掲載。
石井編集局長は、産経新聞の取材に、
「除染のできていない山林で火災が起き、放射性物質の拡散を心配して書いた文章だった。
だが、不安は杞憂(きゆう)であり、それによって多くの方に心配をかけ、迷惑を与えたことは申し訳なく思っている」と語った。


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紀伊民報は謝る必要など無かったし、心配は杞憂ではありませんでした。
わたしたちはもっと、心配をしなければならないのです。
良い意味で心配をして、対策を考えて、それを実行するという、当たり前の自衛をしなければなりません。
国も企業も政治家も自治体も、市民の健康を一番に、などと思ってはくれません。
わたしの健康を一番に思ってくれるのはわたし自身です。
だからこそ、大切にできるよう元気でいなければなりません。
国も報道機関も司法も、今までわたしたちの方を向いてくれていると信じてきたものが、そうでは無いとわかったのだから、もう甘い考えは捨てて、現実をしっかり見なければなりません。

行者ニンニクとシェイクスピアと

2017年05月10日 | ひとりごと
若かった頃と違い、たった3時間しか眠れなかった日の翌日は、かなり悲惨なことになる。
日本に里帰りする時などは、全く眠れないまま着いちゃって、それがお昼とかだとそのまま夜まで起きたままで、
だからよく考えると、飛行機を乗り継いだりしてる間の20時間プラス到着してからの8〜10時間で、ほぼ1日半ほど眠らずにいたりする。
それで、やっと寝床に入って寝たと思ったら、時差ボケで朝の6時前には目が覚めて、それから始まる旅行の前半は、超寝不足の穴埋めと時差ボケとの戦いになるのだけれど、
でもやっぱり、久しぶりの家族や友だちとの濃い時間と、仕事や家事から解放された気分の高揚が、その怠さを上回るのか、ここでの寝不足より楽だったりする。

一昨日はだから、半分起きてるような寝てるような、眠たい菌が頭の中にどんどん増殖してきて、とうとう教えてる間にまで居眠りをしそうになった。
寝不足による免疫力の低下で、花粉や虫刺されに過剰に反応し始め、目がかゆいやら刺された痕が膿んでくるやら…。
なのにまたその夜も、5時間ちょっとしか眠れなかったので、二度寝した方がいいかもなー…などと思いながらボーッとしていたら、

「まうみちゃん、おはよう!」と、のんちゃんからメッセージが送られてきた。

あっ!!わたしったら、すっかり忘れてしまってた!!
行者ニンニク狩りに行こうと、のんちゃんから誘ってもらってたんだった!!
しかも、火曜日の午前中は用事があるわたしのために、わざわざ水曜日の午前中に変えてもらったんだった!!

慌てふためいてシャワーに入り、青タンの色を薄くするファンデーションを塗り、車に飛び乗った。
のんちゃんの家までは、高速道路が4分の3、地道が4分の1、たいてい1時間ぐらいで着く。

のんちゃんは、お友だちのカヨさんと一緒に、ツツジを植えているところだった。
なにやらカヨさんは、植物のことにとても詳しい人らしく、のんちゃんは地植えの正しいやり方を、伝授してもらっていた。
わたしも何も知らないまま、あれこれと植えては失敗しているので、教えてもらわねばならない。



裏手に回り、わたしの大好きな小川のせせらぎの音を聞く。


こんなのが家の敷地にあるなんて、ほんとに夢のようだ。

のんちゃんが出してくれた、コールスローとツナサラダで腹ごしらえをし、いざいざ出発!
のんちゃんは今や、行者ニンニクを見つける達人だ。
車で走っている最中でも、道端に生えている野生の行者ニンニクがあると、ピピピッとセンサーが働くらしい。

ということで、彼女が見つけた行者ニンニクは、こんなところに生えているのだけど、


わたしには、車から降りて、さらに歩いて近づいていっても、まだどこに生えてるのかがわからない…。


もう一つ別の場所に、結構大きく成長した野生の行者ニンニクを見つけたのんちゃん。
早速、彼女が用意してくれたカゴとスコップを持って近づいて行くと、あるある!野ばらの茂みの下に。
トゲにもめげず、せっせと掘り起こしていると、カヨさんがこう言った。

「ほんとは根っこはちゃんと残して、葉っぱだけ取って欲しいんだけどな」
「今の時期は、葉や花のために、球根から栄養が送られているときだから、今植え替えても、ちゃんと生き残れるかどうかわからないし…」
「植え替えの一番いい時期は、花が咲き終わり葉も枯れたときで、球根もちゃんと乾かしてからが一番いいんだよ」
「何よりも、自然の尊い命をつないでいく行程を、断ち切ってしまうことになるんだからね」

だんだんと罪の意識がわいてきて、手が止まってしまった。
とは言っても、わたしの手には、10株ほどの行者ニンニクがしっかと握られていたんだけれど…。

収穫に興奮しながら車に戻ろうとしていると、一人の男性から声をかけられた。

「君たち、そこで何してんの?」
「行者ニンニクを採ってたんです」
「うーん…あのね、そこね、私の敷地の中なんだけど」
「え?!」
「そう、うちの敷地はすごく広くて、向こう側の小川も敷地内なんだ」
「ごめんなさい!知らなかったので、勝手に入ってしまいました」
「で、それは何?」
「あの、これが行者ニンニクという野草で、炒めて食べたらとっても美味しいんですよ!」
「なるほど、それはいいことを教えてもらったんだけど、でも君たちが入ってったのは、私の敷地なんだよね」
「それは本当に申し訳なかったです。知らなかったとはいえ」
「で、そういうところから、君みたいに、根っこからすっかり取られちゃうってのはちょっとね」
彼の目は、まっすぐにわたしの左手を見ていた。
「そちらの女性の取り方だと、全然気にならないんだけどね」
カヨさんは、ほらねと、ちっちゃな声でわたしに言った。

繰り返し注意(苦情だな)を受けて、ペコペコと謝り、とりあえず今回は許してもらえた。
車に乗り込み、のんちゃんの家に戻った時にはもう、わたしは自分の家に戻らなければならない時間になっていた。
今日の収穫を分けないとと思っていたら、なんとのんちゃんは、全部を水に濡らしたペーパータオルで包み、わたしに渡してくれたのだった。
え?もしかして、今日の行者ニンニク採りは全て、わたしのために計画して付き合ってくれたの?
いやもう、ありがたいやら申し訳ないやら…。
のんちゃん、いい人過ぎ!

彼女の家の周りに生えている、初めて見る花たちを、カヨさんが教えてくれた。


トトロの傘の葉っぱのちっちゃい版みたいな葉っぱの茎の分かれ目に、なんとも可憐な花が一つずつ咲いている。


え?これも花なんだ?!


ちょっと失礼して、めくってみた。


帰り道、目の前を走っていたデッカイ車。タイヤとタイヤの間を通り抜けられそうなぐらいおっきかった。


我が家に到着した行者ニンニク。




葉っぱの部分は、ボストン近郊で獲れたエビと一緒に炒めていただいた。


球根を、カエデの爺さんと白樺さんの根元に分けて、植えることにした。


カヨさんから教えてもらった通りに、切り取った先っちょが少しだけ土から出るように植え、その上から落ち葉を被せた。




カエデ爺さん、よろしくね。



裏庭で、行者ニンニクを植えたところを囲む石を探していたら、紫色の花がポトポトと落ちていることに気がついた。
こんな花、見たことあったっけか?


空を見上げても、あるのはゲタの木だけ…え?もしかしてゲタの木の花?
急いで家に戻り、望遠が利くカメラで撮ってみると、


毎年、葉っぱが出てくる前に、一体何がくっついているんだろうとずっと思ってた。
もう7年も経ってやっと、こんなきれいな花を咲かせてくれていたことに気づくだなんて…。
真ん中で、まだ何も葉っぱが付いていないゲタ(桐)の木さん。



さて、木曜日の今夜は、わたしの生徒が3人出演する、シェイクスピア劇を観に行った。
妖精や惚れ草の汁などが出てくる、様々なカップルのドタバタ劇なんだけど、それを2時間近く、見事に演じきった子どもたち。
シェイクスピアの英語はとても難しくて、それを覚えるだけでも大変なのに、演技だって大したものだった。
みんなまだ中学生なのに、ほんとにすごい!
ピアノの発表会とはまた違った感動だった。

暗い会場だったので、写真は全てピンボケだけど。


左から3人が生徒たち。役柄は、妖精の王と王女、そしてイタズラ好きの妖精パック。









今夜こそ、よく眠れますように。