ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

大好物との決別

2015年10月20日 | ひとりごと
全身整骨体験第二回目。 



今回はひとりです。
でも、前回持っていき忘れた短パンとタオル、ちゃんと持参して行きました。えっへん!



治療後に食べない方がいい食品として、もち米、辛いもの、酸っぱいもの、そして卵が注意書きに書かれてあったのですが、
前にも書いた通り、初めての治療が終わってまだ1時間ちょっとしか経っていないというのに、無意識で買った卵サラダサンドを、無意識にパクパク食べてしまっていたぐらいの大ボケなわたしは、
その後も、朝食の目玉焼きを、もういいやとばかりに食べ続けておりました。



それで、もしかしてそのことが問題になったらどうしようと思い、受付の女性に食べ物のことについて聞いてみました。

「ここに書かれている食品は、治療を受けた日だけ気をつけたらいいのでしょうか?」
「いいえ、一ヶ月間です」
「え?一ヶ月の間、ずっと食べてはいけないのですか?」
「うーん、食べてはいけない、とまでは言ってないのですけどね」
「少しぐらいなら?」
「治療の効果が最大限に発揮されなくても良いのなら」

なるほど。
せっかく受けているのだから、一ヶ月ぐらい我慢しよう。
と、小さな決心をして、治療室に入りました。


「やあやあ、おはよう!」
相変わらずテンションが高いカンフーマスター。
「お、顔色がいいじゃないか。やっぱり効果が出てきてるね」
「そ、そうでしょうか…これは自分的には、更年期障害のほてりだと思えるのですが…」
「うんにゃ、前回の治療の効き目が出てきてるんだ。代謝が良くなってる証拠だよ」
「(便秘なのに)…」

今回はまずマッサージからというので、分厚いマットの上にうつ伏せになりました。
若者のアシスタントさんが、ちょいと冷やっとするクリームを塗ってはギュウギュウ。
いてててて!
「あちこちで筋肉が凝り固まってるね」
それって筋肉というより贅肉なんじゃ?
「違うよ。これは贅肉じゃなくて筋肉」
ぐりぐりギュウギュウぐりぐりギュウギュウ。
くぅ~…痛ぁ~い…。

贅肉といえば、最近急に存在感を増してきた脇腹肉。
英語では『ラブハンドル』などというあだ名がついていて、なんとなく楽し気なんですが、ここについた肉は大変にしつっこい。
「ちょっと失礼」とマッサージ師の若者さん、まさにその部分をギュウギュウ。
「ここは停滞しやすい場所なんだよね、運動しても動かせない部分だから」
と言われて、そこが動いている様子を妄想するわたし…。

そこにカンフーマスター登場!
「は~い、リラックスして~、力抜いて~、頭落として~」
前回と同じく、間髪入れずに、背骨から尾てい骨まで、ちゃっちゃとやり終えていきます。
でも、前よりちょっとだけ、反応がスムースになったような気が。

椅子に座り、首のゴキゴキを終え、彼はまた退室。
残ったマッサージのお兄さんに、おまけのお願いをしてみました。

「この、ど~しよ~もなくみっともない肉のカーテン、なんとかならないでしょか?」
普段なら、他人には絶対に見せないし触らせない二の腕のテレンテレンに、この際とばかりに触ってもらいました。
「こりゃけっこうすごいね。ここもまあ、たまりやすいんだけども」
マッサージ開始です。
ほんとはこんなことやってもらう前に、ダンベルとか使って筋肉を鍛えるべきなんだよな~…。

最後に、また戻ってきたカンフーマスターが、わたしの指を掴み、まるでスパゲティの製麺でもしているかのように、わたしの腕を振り回します。
やっぱりここでも「リラックスして~、力抜いて~」
腕の力を抜くことについては得意な分野です。
けっこう彼の思い通りに腕が動くらしく、肘や手首、そして指の関節全部を、順次ほぐしてもらうことができました。

そして問題の、第一関節の変形部分をつまみながら、
「ここまで進んでたら元に戻すのは難しいけども、進行を止めることはできるかも」と彼。
ほ、ほんとですか?!
「ただし、今後一切、豆は食べたらだめ」
えぇ~!!(ほぼ絶叫)
「あ、それと、ナッツもだめ」
ええぇ~!!(ほぼ気絶)
「だから、豆腐とかコーヒーもだめ」
えぇ~んえぇ~ん!!(ほぼ号泣)
「それとポテトも」
なんでやねん!!(とうとう怒りが)

そんな、大がつく好物ばっかりを…。
「だから、ついつい食べ過ぎて、こんなになっちゃったんじゃないか」
しくしく…しくしく…しくしく…。

あの、あの、少しぐらいなら食べてもいい豆とかナッツとか、ありませんか?
「ないよ、そんなもん」

餅も卵も豆もナッツも…小さな楽しみが、小さな幸せが、どんどん遠ざかっていく…。

というわけで、すっかりうなだれてしまいました。
うなだれながらも、帰りの道中、市場に入って写真を撮るおばちゃん。




でも、あんまりがっかりしてたからか、地下鉄を乗り過ごして42ストリートまで行ってしまったので、
ここはひとつ、元気づけのためにも地上に出て、ブライアント公園にでも行って気分転換をすることにしました。



でもやっぱり、ランチを食べるにも、いつも注文していたものを頼めずにがっかり。



なので、もう一度気分直しに、近くのブックオフに寄ってから、家に帰ることにしました。

いい年をしてぐちぐちと…情けないとは思うのです。
でも、わたしの豆とナッツ好きは年季が入っているので、これを諦めるのはかなり悲しいです。
でも、でも、でも、「ピアノ、弾きたいんだろ?弾けなくなってもいいの」という声が、頭の中で鳴り響いています。
彼のその言葉を警告信号にして、食べたくなったらそれを見て、心を静めようと思います。



夫は、鍼灸師という立場から、絶対に、ということはどこにも無いし、臨機応変にやっていけばよいと言ってくれましたが、
とにかく3ヶ月、それができたらまた3ヶ月、どんなふうに影響があるのかを見ていこうと思います。

というわけで、また来週ね、マンハッタン。

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