ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国『銃規制に向けて行動する高校生たちと、それを支え守ろうとする大学』事情

2018年03月04日 | 米国○○事情
友人の志津子さんが、フロリダの高校で起こった銃撃事件の後、その高校のみならず、他の地区の高校生たちが抗議行動を行ったことに対する、大学の素晴らしい対応について書いた記事を、要約してくれました。

彼女のコメントとともに紹介します。

戦争を起こして経済を回しているような非道性を持ち、銃器をすべての国民が持つべきだなどという、とんでもない思想が根付いている国で、
戦争はやめよう、銃を捨てよう、などという願いは、到底叶うものではないと、事ある毎に思い知らされてきました。
小さな子どもたちから大人まで、どんなに大勢の人たちが命を奪われてもなお、良い方向に進まなかったのですが、
今やっと、この高校生たちの、一市民としての平和的抗議行動が、巨大な岩石を動かそうとしています。

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「後何人の生徒たちが死ななくてはならないのか」 
ー高校生らの銃社会への抗議が全米へー

【JUNGLE CITY.COM】2018年2月19日
https://www.junglecity.com/news/high-school-students-against-gun-violence-spread-around-the-nation/

フロリダ州南部のパークランド市にあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で、14日に発生し、17人が死亡、10数人が負傷した銃乱射事件を受け、高校生などが主導する抗議活動が、全米各地で始まっています。

Women’s March の主催団体は、銃による暴力から学校を守る法律を可決することを、米国議会に求めるため、
事件発生から1ヵ月目にあたる3月14日に、午前10時から17分間にわたり授業をボイコットする、「National School Walkout」を呼びかけています。



また、同校の生徒たちとその家族は、3月24日に学校をボイコットし、ワシントン DCで抗議活動「March for Our Lives」を予定していると発表。
ワシントンDC まで行くことができない場合は、それぞれのコミュニティで活動することを呼びかけています。




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こういった連帯づくり、行動の早さはもちろん、その活動に対する大学(多くの高校生たちにとっては次に目指す場所)の姿勢と行動が、本当に素晴らしいのです。

志津子さんはそのことを書いてくれました。
では、どうぞ読んでください。
(まうみ注・転載にあたり、文字の強調を加えました)

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【「我々が求めるのは君たちのような高校生だ」と、大学が声明を出す】

フロリダの高校で銃撃事件が起こり、そこの高校生たちが声を上げ出した時、他地区でも授業をボイコットして、抗議行動を行った高校が続出した。
その時、多くの学校が集会を禁じ、「学校の命令に従わない者は罰則を与えるぞ」と脅した。
それでも構わずに、高校生たちが、フロリダの高校生たちの抗議行動に呼応して、授業を抜け出した。
事件のあった学校の集会に、駆け付けた他校生たちもいた。



あの高校生たちは懲罰を受けたのだろうか、と思っていた時に、こんな記事に出逢った。

Amid Threats of Discipline, Hundreds of Colleges Assure Prospective Students Anti-Gun Protests Cool With Them
https://www.commondreams.org/news/2018/03/01/amid-threats-discipline-hundreds-colleges-assure-prospective-students-anti-gun

アメリカの大学入試は、数回の全米一斉テストの点数や成績表の他、エッセイや課外活動記録(ボランティア活動なども含む)、教師の推薦書などを、入学を希望する大学に提出しなければならない。
そして大学は、それらを総合的に吟味して、その生徒を入学の有無を判断する。

抗議活動を行ったために懲戒処分を受ければ、それが大学側に伝わる可能性もあるだろう。
それに対して、アメリカの大学の多くが、
「平和的な活動の結果の懲戒処分があったとしても、それが入学拒否の理由にはならない」という声明を出した


NACACは、主に、アメリカの大学の入学選抜担当官、高校のカウンセラー、民間教育機関が連携しながら、生徒により良い教育と機会を提供することを目的とした、アメリカ最大の教育組織だ。
そのNACACが、ホームページに、250以上の大学や専門学校などが、懲戒処分に対しどのような立場を取るかが分かるデータベースを載せた。(リンク内参照)
https://www.nacacnet.org/…/college-and-university-update-o…/

その殆どが、「学生の市民としての関わりを奨励することが、大学としてのミッションの一つである」と述べている。

ハーバード大学の声明:
ハーバード大学のミッションは、我が校の学生が、市民としてリーダーシップを発揮出来る準備期間として、変容可能な基礎教育を与えることです。
問題であると学生が思うことに対しては、彼らが平和的に抗議活動を行う権利を持っている、という我々の信念が、大学のミッションの根底をなすものです。


MIT(マサチューセッツ工科大学)の声明:
市民としての責任については、MITに於ける他の殆どの事象と同様、行動することから最もよく学ぶことが出来ると信じています。
市民として責任を持つということは、まさに我々が、お互いに対して、また公共に対して持っている責任を、実行に移すことです。


UCLA(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校)の声明:
平和的で、意義のある抗議活動や市民行動は、あなたの大学選考や奨学金授与に、何ら影響を与えるものではありません。
カリフォルニア大学のモットーは、Fiat Lux(ラテン語で『光あれ!』)であります。
UCLAは、最悪の状況下でも、楽観主義を抱くことで知られた大学です。
事件のあったストーンマン・ダグラス高校とコミュニティの人たちは、我々全てにとって、光の象徴であります。



大学の中には、ツイッターで声明を出し、銃規制を訴える行動に参加した、或いはこれからの抗議行動に参加する予定がある高校生たちに、サポートの意思を示しているところもある。

エール大学ツイート:
エール大学は、銃規制や、他の目的の校外活動に参加する高校生たちを、誇りを持ってサポートします。
そして、高校がそのような生徒に対し、懲戒処分を下したとしても、それで我が大学への合格決定が取り消されることは、絶対にありません。


テキサス大学ツイート:
我が大学は、自由な探求や表現という原則にコミットします。
そして、知識の拡充と、考えを交換する自由が守られる環境を、作ることに努めます。
そのような大学のメンバーは、それぞれの考えや意見を持ち、しっかりと守り、表現する権利を持ちます。
この大学の責任は、大学に入学を認められた高校生も包括するもので、憲法で認められた表現の自由の権利を実行することで、損なわれるものではありません。




真っ先にこのような声明を出した、MIT大の学部長は、大学新聞に、
「学生たちは、決まった特定の目的地を目指すのではなく、地図を広げて、羅針盤が指す方向を目指しなさい」と、
大学の選考に影響を出すと思うことなく、信念を持って、意義のある行動をしてもよいのだ、というようなことを書いている。
「MITの教育は、単に事実や数字を学ばせることではない。
人類の向上のために賢く、創造的に、効果的に何かが出来る能力と、情熱を成長することを学ばせることである」



3月14日には、事件で亡くなった17人の級友たちや先生の数に合わせて、17分の全米一斉校外活動が行われる予定だ。

そして、3月24日は、ワシントンで、「私たちの命のための行進」March for Our Livesを行う。

フロリダの高校生たちを、そしてそれに呼応する高校生たちを、大学の良識がしっかりと支え、守ろうとする動きは、実に胸をうつ。
また、ACLU(アメリカ自由人権協会)は、東はメイン州から西はテキサスまで、懲戒処分について言及している高校の生徒たちに向けて、
ブログで生徒たちの権利について説明し、動画でも「自分たちの権利を知ろう」というライヴストリームを流し
て、話題になっている。

守るのは大人だ。


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3 コメント

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Unknown (たけ)
2018-03-05 14:18:57
管理人様、こんにちは。
まず最初に管理人様のお考えを否定していないことをお伝えさせていただきます。
銃撃事件で人が亡くなることはとんでもないことです。
ですが私は日本在住ですがここ近年の可決させた法律等見ると
建前と本音が極端にずれているような。

戦争法案に向かいながら こういうことはおきない、と言って 可決したあと ありうる、と。

秘密保護法は 最初 限定的なものとされていたのですが民間にも適応と ブロガーさんがずいぶん辞めたりとか。
米国ではどうなのだろうか、と。(本等でしか分らないので)

こういうお考えもあるようです。

フロリダ州の高校で引き起こされた銃撃事件でも疑問が指摘されている http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802280000/?scid=we_blg_tw01 #r_blogアメリカで銃撃事件が多発する理由として社会に蔓延する恐怖が挙げられている。アメリカほどではないにしろ、銃の保有が認められ、相当数が社会に存在している国でもアメリカのようなことにはなっていないからだ。ところが有力メディアは原因を銃の存在に求め、恐怖の原因を掘り下げようとはしない。彼らが求めているのは惨劇をなくすことでなく、一種の「刀狩り」ではないだろうか。
たけさんへ (まうみ)
2018-03-06 12:01:30
教えてくださったブログを読ませていただきました。

そうですね、恐怖の原因を掘り下げていないというのは事実だと思います。
この国は、軍の規模と力が圧倒的に大きく、さらには連邦政府の他に州ごとの政府があり、少し大げさな言い方をすると、広大な敷地に英語を話す様々な国がひしめき合っているような感じです。
法律も法規も州ごとに違いますし、風土や慣習にも差異があります。
膨大な数の人種がともに暮らし、そこには人の数だけ問題が存在しています。

銃の規制問題は、もう本当に長い間ずっとくすぶり続けて来ました。憲法2条の壁もあり、そして所有している人数が桁違いに多いので、とにかく兵器として使うような銃の所有に厳しい制限をかける、というのが今もっての目標です。
もう一種の『刀狩り』などと言って先延ばしにできないという、子どもたちの強い願いを、今回こそは叶えたいと思うのです。
Unknown (たけ)
2018-03-06 21:01:24
お気持ちはよく分ります。
私はブロガーさんたちの記事を読んでそうかもしれない、と思うなんちゃって危機感です。
なので難しいことは分らないのですが
日本の原発問題に限っても気がついたらこういう事になっています。

時の在りか:愛とは被曝し合うこと=伊藤智永 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20180303/ddm/005/070/027000c

なので 途中で何かおかしくない と思うというか 違和感というかもしお感じになさったらお大切になさってください。
 

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