ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

鈴木教授「自身でしっかり考えず盲目的に米国に追従し「はしごを外される」哀れな国から、早く卒業すべき」

2018年03月09日 | 日本とわたし
多くの人々が反対した、そして主導していたアメリカがシレッと抜けたTPP(環太平洋連携協定)に、署名するという閣議決定を済ませていた安倍政権…。
そして、今だに、あの悪名高きISDS条項の否定すらしていません。
世界はもう、「今だけ、金だけ、自分だけ」のグローバル企業と、距離を置く方向に進み始めたというのに、
そういった情勢を知ろうとも見ようともせず、もちろん自身で考えようともせず、米国追従のシッポ振りで事を済ませている情けない政府…。
まあ、お隣の、同じアジアの国々の動きすらちゃんと把握できずに、ここでもまた「はしごを外されている」のですから、二重にも三重にも哀れです。
政権を握っている政治家によって、国の質が向上したり低下したり…。
有権者として、選挙を真面目に考えて、ちゃんと参加することの大切さを、いまほど痛感したことはないかもしれません。


『TPP11』 署名を閣議決定
【農業新聞】2018年3月7日
https://www.agrinews.co.jp/p43465.html

政府は6日、米国を除く環太平洋連携協定(TPP)参加国の新協定「TPP11」に署名することを、閣議決定した

参加国は、署名式を、南米チリのサンティアゴで8日午後(日本時間9日未明)に開き、日本からは、茂木敏充TPP担当相が出席する見通し。

安倍晋三首相は同日、オーストラリアのターンブル、カナダのトルドー両首相と電話会談し、早期発効に向けた連携を確認した。

茂木担当相は、同日の閣議後会見で、「早期発効に向け、参加国の進捗状況もにらみながら、引き続き主導的な役割を果たしていきたい」と語った。

署名式に先駆け、閣僚会合も開き、新規加盟国の扱いなどを議論する。
個別の2国間会談も行う。
協定に署名後、共同会見を開く。

署名後、11カ国は、発効に向けて、国内手続きを急ぐ。
日本政府は、3月中に、協定承認案と関連法案を、国会に提出する。


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東京大学の鈴木宣弘教授が、さらに情けない、哀れとしか言いようのない、安倍政権のはしごの外されっぷりを、以下の記事にわかりやすく書いて下さっています。

「米国がISDSを使わないと宣言した以上、TPP11で残す必要はなくなったといえる。
この期に及んで、「死に体」のISDSを、日本だけが、いつまで固執するのだろうか。
自身でしっかり考えず、盲目的に米国に追従して、「はしごを外される」哀れな国から、早く卒業すべきである。


ついに米国もISDS否定~世界に取り残された、哀れな日本
【農業共同組合新聞電子版】2018年3月9日
http://www.jacom.or.jp/column/2018/03/180308-34787.php

前半部分を紹介させていただきます。

悪名高きISDS(Investor-State Dispute Settlement)条項は、米国と、それに盲目的に追従する日本の2国が、TPP(環太平洋連携協定)で強く推進し、他国は反対だった。

日欧EPA(経済連携協定)では、EUも反対し、そしてNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉で、何と、ついには「震源地」の米国がISDSを否定する事態となり
米国に追従して、ISDSをバラ色と言い続けた日本だけが、「はしごを外され」孤立するという、恥ずかしい事態となってきた
 
確かに、
「儲かるのはグローバル企業の経営陣のみで、国民の暮らしは苦しくなる(賃金は下がり失業は増える)」
「国家主権の侵害だ」
「食の安全が脅かされる」との、米国民のTPP反対の声は、大統領選前の世論調査で78%に達し、大きなうねりとなって、
トランプ氏にかぎらず大統領候補全員が、TPPを否定せざるを得なくなった


これが、米国がTPPを破棄した背景である。
 
この「国家主権の侵害」というのは、もちろんISDS条項のことである。
グローバル企業が引き起こす、健康・環境被害を規制しようとしても、逆に損害賠償を命じられる、という条項である。

簡単に言うと、米国企業が日本にやって来て、水銀を垂れ流すような操業を始めようとしたら、日本は当然規制する。
ところが米国企業は、その規制によって生じた損害を、国際司法裁判所に訴える
こんなことが実際に起きて、米国企業が勝って損害賠償させられて、その規制も廃止される。
こんな莫迦なことが、いまどきできるのかと思われるかもしれないが、本当にできるのがISDSである。

 
NAFTAにおける訴訟の状況を見ると、勝訴または和解(実質的勝訴)しているのは、米国企業だけであり、国際法廷の判決が、米国企業に有利と言われてきた。
だから、「今だけ、金だけ、自分だけ」のグローバル企業と結びつく米国政治家は、ISDSを強く推進しようとした。

しかし、その米国で、連邦裁判所でなく国際法廷が裁くのは、「国家主権の侵害」との声が大きくなり
ISDSを推進したいグローバル企業と結びつく政治家の声を抑えて、トランプ政権は、ISDSを否定する方向に舵を切った


ー中略ー

米国への「忖度」で、中途半端な凍結をTPP11では行っているが、そもそも、米国がISDSを使わないと宣言した以上、TPP11で残す必要はなくなったといえる。
 
この期に及んで、「死に体」のISDSを、日本だけがいつまで固執するのだろうか。
自身でしっかり考えず、盲目的に米国に追従して、「はしごを外される」哀れな国から、早く卒業すべきである。

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