「タルト・オ・シュークル」
ついに先日、10月から通っていたコルドンでの地方菓子コースが終了してしまいました
14回目がまだUPできていなかったので、
少し続けてご紹介していきたいと思います。
まずはフランスの最北端に位置するノール・パ・ド・カレ地方から。
ここはベルギーと国境を接し、海をはさんでイギリスを望む最北の地…。
中心地リールは、フランスでも指折りの先進都市、
また北部一帯は世界1のアンディーヴ収穫量を誇ることでも知られています。
アンディーヴは英語でチコリ、日本ではベルギーチコリと呼ばれていますね。
以前パリからブリュッセルに遊びに行ったとき、
チコリのグラタンが名物ということで、いただいたことが…。
ちょっと苦味があって、フレッシュでも加熱しても私は結構好きな味。
話がそれましたが
それほどこの地方とベルギーはほぼ一体なので、
お菓子もお料理も共通するものが多いのだとか。
さてそんな今回、実習で作ったのは上のちょっと見た目の??な子。
「砂糖のタルト」というお名前通り、
とってもシンプルなこのお菓子はブリオッシュ生地を丸く平らに伸ばし、
砂糖とクレームドゥーブル、バターをふりかけてオーヴンで焼くだけ。
そこで使われたお砂糖が特産の「ヴェルジョワーズ」
ヴェルジョワーズ(Vergeoise)とは砂糖大根(ビート)を原料とする製糖工場の最終段階でできる粗糖のこと。
これがとってもコクのある美味しいお砂糖で、
焼き上がる瞬間、ラム酒のようななんとも言えない香りが最高!
そして溶けきらないVergeoiseがジャリジャリとして、
クセになりそうなくらい素朴で美味しい
そういえばちょうど昨年パリのボンマルシェでVergeoiseを撮った写真が
あったので、載せま~す。(ナゼ?って感じですがパッケージが好きなので)
こんな風にずらりと並ぶほどフランスではとってもポピュラーなお砂糖。
ビートのお砂糖は日本でも北の大地北海道が特産ですが、
フランスでもやはりこの最北の地が特産なのですね。
「マカロン・ダミアン」
そしてもうひとつ作ったのはやはり同じくフランス北部、
広大な台地のピカルディー地方の名菓。
「Macaron d'amien」は「アミアンのマカロン」という意味。
アミアンはパリの北130kmにあり、ピカルディ地方の首都。
またそのアミアンの大聖堂はフランス最大の規模を誇ることで知られ、
ユネスコ世界遺産にも指定されています。
前回の「マカロン・ド・ナンシー」でお勉強したように、
マカロンはそれぞれの地方の修道院で作られたという由縁があり、
ここでもやはりキリスト教色の強いこの地ならではの名菓にあたるわけです。
アミアンのものは、やはり古い歴史があり13世紀後半に考案。
ハチミツ・アプリコットやリンゴジャムが入り、
ねっちりとした歯ごたえで味わいも深い。
アーモンドの美味しさを真に感じる逸品でした
今回、地方菓子の旅は40%くらいマカロンの旅でもあるように思えるほど、
その配合や作り方がさまざまなマカロンが各地に存在することを学びました。
それだけフランス各地でキリスト教とその人々とに密着した、
今日まで愛される郷土菓子ということなのですよね。
いつまでも愛され、なくなることはない普遍のもの。
地方菓子とはそういう形で守り続けるべきものと、
Hシェフの言葉が胸にじ~んと響き渡りました
さぁ、いよいよ次回は最終回!!
あともうしばらくだけどうぞお付き合いくださいませ~