ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

パルマの生ハム&パルミジャーノチーズ【後編】

2014-06-28 09:47:57 | おいしい食べもん
【前編】より続きます

今回のセミナーは、パルマハムとパルミジャーノ・レッジャーノ、ワインとのマッチング がテーマで、熟成期間の異なる各製品に4つのイタリアワインを合わせる 試みが行われました。
※すべてオーガニックワインでした

ワインとのマッチングのガイド役は、前編で登場したマッテオさん。


セミナーに登場した4種類のワイン

「4つのワインの違いを見るだけでなく、生ハムやパルミジャーノと合わせることで、どのように表現が変わるか?を見ていくことがポイント。その背景にある哲学、地理、歴史などの要素も大事」と言います。


Longariva Pinot Grigio Gramine 2011

イタリア北部トレンティーノ アルト アディジェの生産者ロンガリーヴァがピノ・グリージョからつくる白ワインです。昼夜の気温差があるため、いい酸が残ります。
ピノ・グリージョは果皮がグリ(灰色)なので、ワインにしたときに色がつくことがあります。このワインも、ロゼっぽい色をしています。
花の香りがあり、果実味が豊か。ジューシーな酸がほどよく主張し、飲み心地がエレガント。軽すぎないボディが、フードとも合わせやすいと思います。

これに合わせたのは、パルマハムの24カ月と36カ月熟成のもの。



ワインのジューシーなニュアンスが、生ハムのジューシーな感じとよくマッチ。
36カ月のものは、これよりも少しうまみが強めのロゼワインも合いそうです。



パルミジャーノ・レッジャーノ24カ月熟成に合わせたのは、2つのランブルスコ


左)La Collina Lambrusco Il Quaresimo 右)Donati Lambrusco 2010

ランブルスコは、エミリア・ロマーニャ州とロンバルデイァ州でつくられる微発泡ワインです。
すでに何度も紹介し、ランブルスコの時代が来る! とまで予言しました(笑)

ランブルスコは、パルマの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノの産地と重なります。

私は、生ハムにランブルスコを合わせることが多かったのですが、マッテオさんの提案は、パルミジャーノとの組み合わせでした。

La Collina Lambrusco Il Quaresimo はシャルマ方式(炭酸ガスの発生を密閉式タンクの中で行う方法)でつくられたランブルスコ。
色は紫がかって若々しく、フレッシュな花の香りが強めで、ふっくらした果実味がチャーミングで飲みやすいタイプでした。

Donati Lambrusco 2010 は、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵でつくられ、3年間の瓶内熟成をし、フィルタもかけていません。香りがより複雑で、熟したプルーン、土壌を思わせるアロマがあり、ギュッとしたタンニンを感じました。

パルミジャーノ24カ月熟成は少しミルクっぽさがあり、フレッシュな酸味も感じるので、La Collina Lambrusco Il Quaresimoの方とよく合うと思います。
Donati Lambrusco 2010はワインの方が強いので、24カ月熟成のものだと負けてしまうように感じました。

そこで、パルミジャーノの36カ月熟成をこれら2つのランブルスコに合わせると、
La Collina Lambrusco Il Quaresimoはワインが若くて合わせにくく、
Donati Lambrusco 2010はよくなじみ、溶け合いました。



マッテオさんも、36カ月のパルミジャーノとDonati Lambrusco 2010は、
「ソフトにゆっくり知り合った、ソフトな関係、より繋がりの強い関係」と述べていました。

生ハムと合わせるなら、
ジューシーな24カ月熟成はLa Collina Lambrusco Il Quaresimoに、
うま味の乗った36カ月熟成はDonati Lambrusco 2010が、私のオススメです。



パルミジャーノ36カ月熟成は、バローロにも合わせました。


右端)Canonica Barolo 2008
※左はLa Collina Lambrusco Il Quaresimo、中央はDonati Lambrusco 2010

バローロはイタリアを代表する長期熟成ワインのひとつで、産地はピエモンテ州。
しなやかで緻密で、若さを少し残しつつ、見事な熟成感を見せています。
これはワインだけですでにおいしいですが、36カ月熟成のパルミジャーノと合わせると、口の中で溶けだしたチーズの旨味がワインと溶け合い、素晴らしいマリアージュです。
24カ月のパルミジャーノとも合わせてみましたが、チーズが浮く感じでした。

「たくさんの表情のあるワイン(バローロ)のタンニンとアルコールが、たくさんの表情のあるチーズ(パルミジャーノ36カ月)の脂肪を粗い流してくれ、長い時間、口の中に香りが残る」と、マッテオさん。




せっかくの機会なので、生ハム+4種のワイン、パルミジャーノ+4種のワインのマリアージュを、それぞれ試してみました。

熟成の若いものは軽やかなワインに合い、熟成の進んでうま味の乗ったものは、厚みのあるワイン、熟成感のあるワインに やはり合いますね。

ワインと料理の産地を合わせるの が一般的なマリアージュのルールですが、あえて外し、あらゆる可能性を探るのも面白いものです。

食べ物に対する探究心、情熱を忘れないでほしい。これは何に合うのか?と考えながら食べるのは楽しいこと。そうして経験を重ねることで食の好みが変わってくることもある。客観的に見れるよう、他の人に伝えながら探究に務めてください」とマッテオさん。

一度口にしたことがあるものでも、次回はまた違うように感じることもあり、生産者によっても違ってきますから、何度でもいろいろと試すことが大事です。もちろん、ワインとの組み合わせも。



ヨーロッパでも、健康志向が進み、塩分は控えめ、その一方で脂肪分のあるやわらかい食感のものが好まれ、ワインもフルボディのものよりは繊細なタイプが好まれ、そうした消費者の嗜好に合わせたものをつくる傾向があるようです。

日々変化している多種多様な食の世界を、情熱を持って探究していけたら楽しいですね


講師を務めた マッテオ・ペッシーナさん(左) 西村明美さん(右)
※プロフィールは【前編】を参照してください



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