私は中老男である。
さて、イロイロな状況の中。
私は「本屋さん」に行くのを楽しみにしている。
「ペーパーレスの時代」が来るのは間違いないだろうけれど。
アナログな「本」というモノの価値は、多分これから先もそれほどには変わらないと思うのだ。
ショッピングモールの中にある中規模の書店をゆっくり歩きまわるのが「至福の時」である。
書店というのは、実はその本の品ぞろえに「オーナーのセンス」が露骨に表れるものなのだ。
本好きな人間にとっては、そのセンスに一喜一憂する。
先日なんの本を買うともなく店内を歩いていると・・・・。
意外なものを見つけた。
それはDVD「89’鈴鹿決戦(FIM世界ロードレース日本グランプリ500cc日本グランプリ)」である。
89年と言えば。
私は28歳。
日本において「平忠彦」が活躍していた時代。
そして「平忠彦」といえば。
映画「汚れた英雄」(草刈正雄主演)のレース部分のスタントを担当したライダーだ。
当時、F1レーズがテレビ中継されだして日本におけるモータースポーツが全盛を迎えつつあった。
ヒネクレ者の私は、F1を横目で見ながらバイクのロードレースに夢中だった。
たぶんであるが。
男の本能的な部分で「マシン」に惹かれない者はいないのではないだろうか。
もちろん、その「熱さ」の違いはあるだろうけれど。
そして、その惹かれる部分が「ドライバー」と「メカニック」に分かれていく。
大抵は「ドライバー」を目指すのだが・・・。
ケニー・ロバーツ エディ・ローソン フレディ・スペンサー ワイン・ガードナー ロン・ハスラム ケビン・シュワンツ マイケル・デューハン ケビン・マギー クリスチャン・サロン ニール・マッケンジー ランディ・マモラ etc
なんとも個性的なヒーローばかりの当時の500ccクラスは、本当におもしろかった。
そうしたことを考えていると。
屋根裏部屋に積んであるマンガ本のことを思い出した。
「バリバリ伝説」しげの秀一著
である。
しばらく覗いていなかった部屋のドアを開けると。
あった、あった。バリバリ伝説!
なつかし~~~~。
舞台は1983年~91年。
第3部のWGPレース編では前出のGPライダーたちが主人公巨摩郡(こま・ぐん)と共に紙面をにぎやかしている。
思えば、私がマンガを読んでいた最後の時期だった。
今の漫画をほとんど読まない私でも、多分現代の漫画のストーリーがとても複雑になっているのは想像できる。
バリバリ伝説は、ストーリーはそれほどむずかしいものでは無い。
しかし、なんともマシンドライブのディティールが、それまでにはなかった「迫力」を持っていたし、逆に同時に進行する郡と歩惟のラブストーリーは単純であるがゆえにほほえましい。
漫画のラストの「巨摩 郡」のWGP500cc年間チャンピオン獲得というのは、違う競技だが、現在活躍している「大谷翔平」「松山英樹」「井上尚弥」の出現を予感させるような興奮を私に与えてくれた。
あれから長い長い時が過ぎた。文庫本化したバリバリ伝説をよみおわって、今はまるで「浦島太郎」のような気分である。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも煙に巻かれて一気に歳を取りませんように。
May
89’鈴鹿決戦(FIM世界ロードレース日本グランプリ500cc日本グランプリ)のDVDを見た後、今BSのモトGPドイツを見ながらこのUpをしている。尚更浦島気分が増しちゃうねぇ・・・。
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